- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784827212037
作品紹介・あらすじ
文章を書くことに苦手意識がある。メールやビジネス文書を自信を持って書けない。細かい文法があいまいだが今さら聞けない。そんな人のために「ことば」のプロである元・産経新聞校閲部長が、文章の書き方を基礎から伝授。豊富な用例と丁寧な解説で、思考も文章もスッキリする一冊。
感想・レビュー・書評
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何となくみんなが使っている敬語や読点、接続語、実は間違った使い方だったりすることも多いようです。正しい使い方を知っておけば、印象が良くなるだけでなく、相手への伝わり方も変わってくる場合をあることを教えてくれます。競争相手と差をつける、重要なスキルを学べるかもしれませんね。
【気づき】
・読点や接続語は、正しい使い方をすることで相手へ伝える際の効果が違うことを意識したい。なぜ正しいかの意味を考えてみる。
・新しい情報ばかり目がいき、古くからの名文を読むのは後回しになりがちだが、実は学ぶことが多いようだ。今度1冊何か選んでみよう。
・接客時の敬語は、誤った使い方をされている場合の方が多いものもある。みんな使っているからと鵜呑みにしてはいけないことを気がけたい。
【本のハイライト】
●大作家の「文章読本」から学ぶ良い文章へのヒント
・名文を読む。美しい言葉の響きや心地良い文のリズムが詰まっている。自分が読んで感心した「名文」から始め、徐々に広い範囲にわたって多読し、多様な名文を発見する。正しい言葉遣い、豊かな語彙力にもつながる。
・話すように書かない。結論を最初に示すなど文の構造が簡単、言語表現以外の手段(声の調子、身ぶり)が理解を助けるなど、書き言葉と違うことを念頭に置く。
・書くに値することが固まったところで筆をとる。漠然と書くより、書くべきことを自分に問いかける習慣をつけると内容も充実する。
●読点と接続語
・場所や状況、時間を示す言葉の後に読点を打つと、その場所などを強調する効果がある。
・複数の構成要素がある場合は、その境目、区切りに読点を打つ。
・読点は息継ぎのように頻繁に打ってはいけない。必要なところに打てば、効果が上がる。
・印象付けたい言葉を挟むように読点や括弧を使うと、文の中で、その言葉を際立たせる効果が得られる。
・逆接の接続詞は、ここぞというところで効果的に使う。過剰と思えるところは、思い切って削除する。
・接続詞を使う場合は、適材適所を心掛ける。前の内容を後ろの内容に順当につなぐ「順接」の接続詞は、無理に盛り込まなくてもいい場合が多い。前の文章から逆方向に話を展開する「逆接」の接続詞は、文章の流れから必要で、省けない場合もある。
●敬語
・正解=お求めになりやすい、誤り=お求めやすい。「お求めになる」という尊敬表現に「やすい」という語を足すのが本来の言い方。「お求めできます」も、「できる」は「する」の可能表現に過ぎず、尊敬語ではない。「お求めになれます」とする。
・正解=ご注文の品はそろいましたでしょうか、誤り=おそろいでしょうか。「モノ」に対して「お~なる」という尊敬語の形をとるのは過剰な敬語表現。
・正解=1万円頂きます、1万円お預かりします、誤り=1万円からお預かりします。目の前でその金額を預かり、それをお客様と双方で確認したいなら、わざわざ「~から」を使う必要はない。
●正しい言葉遣い
・仕事の報告書やメール、手紙など改まった場面での文章では、かなりくだけた「はやり言葉」や「話し言葉」を使うのを避ける。
・同じ種類の動作を並べて言う時、二度目の「たり」は省略できない。
・副詞の中でも、受ける語に一定の言い方、決まった受け方を持つものがある。話し言葉ではその原則を無視して使いがちなので、注意が必要。「少しも」「決して」「まったく」「全然」は否定語で受けるが、「まったく」や「全然」などは肯定語で受ける例がある。話し言葉では特に違和感がなくても、書き言葉では本来の用法に従う。
・「べし」の連体形「べき」を文で止めるのは、文法上誤り。慣用が定着している強い命令などの場合は「べし」、一般的な文にするためには「べきだ」「べきである」とする。
・「ら抜き言葉」は、会話では使われていても、書き言葉では違和感を持つ人が多い。会話の引用などを除き、避けたほうがよい。
・「する」と「させる」の使い分けは、助詞の「が(は)」と「を(に)」がカギになる。「~が(は)」+「〇〇する」。「~を(に)」+「〇〇させる」と覚える。詳細をみるコメント0件をすべて表示