世界の不思議な音-奇妙な音の謎を科学で解き明かす

  • 白揚社
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784826901895

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭に”音の脅威”の世界地図、そしてプロローグにて
    「わたしたちは専ら視覚に支配されているせいで、それ以外のすべての感覚が、とりわけ聴覚が鈍くなってしまった。目で見ることへのこだわりから、私たちは奇怪な場所や美しい場所の画像は山ほど作成しているが、驚異的な音の記録はあきれるほど少ないのだ。」
    とあって、期待が膨らんだが・・・
    音は難しい。ただの体験談に陥らないことを意識してなのかいろいろ盛り込まれて冗長となっており、かつ翻訳のため、かなり厳しかった・・


    P103 人間は声を増幅するのに声道内の空気の共鳴を利用するが、カエルの場合は音を増幅させる共鳴が口の下の鳴嚢の皮膚で生じる。
    P122 イエスズメが昔より減っているのは、都会の喧騒に鳴き声で対抗させることができないからだとする説も出されている。

    P123 最も人を元気にしてくれて健康に役立ちそうな自然界の音というのは、なじみがあって思い出をよみがえらせてくれる音なのだ。

    P247 騒音の排除は健康にとってプラスなわけだが、それなら静寂も強烈なほうが良いのだろうか。【中略】脳は、何かが聞こえることを期待して、絶えず注意をどこかに向けている。ジュリアン・ヴォワザンのチームは神経画像法による研究を行い、無音状態では音が聞こえるより先に聴覚野が活発になることを発見している。

    P253 何の音だかはっきりしない録音を使い(海岸に打ち寄せる波は混雑していない道路の交通音に驚くほど似て聞こえる)画像だけを変えて被験者に別の音を聞いていると思わせた。自然の海岸の風景を見せると脳の聴覚野とほかの脳領域との結合が増強された。人工のハイウェイを見せたときには結合の増強は起こらなかった。この結果から、音を処理するときにどの神経経路を使うかは、目で見ているものに影響されることがわかる。

  • 私は大学で音環境、音響心理を勉強しました。
    そういう特定の興味関心がある人やその分野に明るい人は面白く読めると思います。そうでなければ、著者の音に対する情熱やマニアックぶりをひたすら読むことになるので賛否が分かれるところかと推測しています。

    一応、ある音の現象が物理的になぜ起こるのかという普遍的な視点や、音の特性の解説、業界におけるセオリーなど一般的な解説も挟んでくれます。ですが、これもある程度音響に関するある程度の前知識がないと難しいように思います。タイトルと表紙から想像される優しい科学館のようなニュアンスを期待して読み始めると、実は偏屈音響マニアの私的な博物館だった、という感じです。

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90330088

    (推薦者:共生システム理工学類 永幡 幸司先生)

  • 音響学者による音という景色を探訪する読み物。無音、下水管、砂漠、それぞれのそこにしかない音とな何か。

  • <閲覧スタッフより>
    著者が音との出会いを求めて世界中を旅し、多岐に渡るスポットからの”驚異的な音”と向き合います。音に対しての著者の熱い探究心が伝わり、とても興味深いです。普段何気なく過ごしていても存在する、音への意識や音の意味について改めて気づかせてくれます。
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    所在番号:424||コツ
    資料番号:10234534
    --------------------------------------

  • 邦題は商業主義的に付けられたもので、内容を(原題も)反映していない。
    邦題を元に内容を予測して読むと、かなり「あれ?」となりガッカリすると思う。"The Science of ..."とある通り、科学的下地を前提にしているので、オカルティックだったりはしない。
    筆者の文章に "音に関してネット検索しても、欲しい情報は驚くほど少ない" とあり、その通りだと思うが、そもそも "音に対しての関心・感度が下がっている" と再認識させられる。
    内容的に "へー!、そうなんだ!、面白い!!" と思える部分は少なくない...のだが...眠くなる...。
    如何にもな冗長な比喩やジョークは多くないのだが、雑学的に・まるで日記のように、筆者がメモっておいた情報を一気にタイピングして流し込みました!的なまとまりの無さ。
    細かなプロセスを長々と書いてみたり(まあ、それを楽しみたい人も当然いるのでしょうが)、個人的な関係や雑感が散々混じり込んだり、かと思うと中学生でも知って・理解していそうな科学的基礎の解説が入ったり...疲れる。
    散々読み飛ばしながら、やっと読了した。

  • 請求記号 501.24/C 89

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著者プロフィール

イギリス・マンチェスターにあるソルフォード大学の音響工学教授。
英国音響学会より2004年にティンダル・メダル、2009年に音響工学の普及貢献賞を受賞。BBCラジオやディスカバリーチャンネルなどのテレビ番組にも数多く出演し、音響について一般向けにわかりやすく解説している。

「2020年 『コンピューターは人のように話せるか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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