Who You Are(フーユーアー)君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる
- 日経BP (2020年4月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822288815
作品紹介・あらすじ
『HARD THINGS』著者、ベン・ホロウィッツ第2弾!
数々の困難を乗り越えた起業家が、武士道、ハイチの指導者、
チンギス・ハンなどに学んだ最強文化のつくり方
起業したときにシリコンバレーの大物たちが異口同音に教えてくれたことがある。
「企業文化に気をつけろ。なによりも文化が重要だ」
偉大な文化があっても、偉大なチームをつくれるわけじゃない。
プロダクトがダメなら、文化が優れていても企業は失敗する。
それでも文化を気にすべきなのは、人間の記憶に残るのは会社の業績でもなく、賞をもらったことでもなく、時にはプロダクトでもなく、会社の気風や気質だからだ。そこからみんなの純粋な目的意識が生まれる。
■逆境を越えて偉大な文化をつくった歴史上のリーダーから学ぶ
<本書に登場する人物>
人類で唯一奴隷革命を成し遂げたハイチの指導者、トーサン・ルーベルチュール
700年も武士による支配を可能にした日本の侍
世界最大の帝国を1000年前に築き上げたチンギス・ハン
殺人の罪で刑務所に入りギャングたちを統率した男、シャカ・サンゴール
■死の淵から生き延びた著者の経験に加え、スラック、ツイッター、フェイスブックなどのスター経営者の経験から引き出したテクニック
・ショッキングなルールをつくれ
・完璧を目指すな
・人のまねをするな
・言行を一致させる
・自分が何者なのか自問する
・悪い知らせを歓迎する
感想・レビュー・書評
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たいていの本は成功した話を後から分析して紹介するものが多い。一方で本書が素晴らしいのは次々と深刻な困難に直面した著者が、うまくいかないときにどう考えたのか、切り抜けたのかを紹介しているところ。数ある偉人の話の中でも特にミシガン州の刑務所でギャングの集団を率いていたサンゴールさんの話が興味深い。例えば子分の歯ブラシが盗まれた話。なぜ盗まれたのか?あなたがボスならどうする?盗んだ犯人はボスを試している。それを放っておけば次はもっと大事なものを盗んだり、殺したり、商売を乗っ取ってもいいと思い込む。かといって犯人を殺したらいくらなんでも厳しすぎる。ならどうすればいいか。正しい答えなどない。その集団の今の姿、その行動、これからなりたい姿によって答えは変わってくる。あなたの行動がその集団の文化になる。
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今年のベスト3に入る本だと思う。
とても良い本。
歴史から学ぶ企業文化の大切さ。
数々の歴史のストーリーがとても面白く、読みやすい形となっている。
ベンチャー企業にとってバイブルとなるべき本と思う。 -
今私の所属する会社の文化はしっかりとした基盤が築けているように思う。
それはワンマン経営でここまでの企業規模にしてきたからできたことであって、これから先、今のこの企業文化を残すため、トップは企業文化の根幹をリーダーたちにしっかりと伝えているシーンをよく目にする。だがしかし、山一證券の破綻や東芝の上場廃止など、企業文化はリーダーが変わり、時間の経過と共に変化していく。時代に合わせて、変化が必要なケースもあるが、文化が変わってしまうことで、企業経営そのものが危ぶまれるケースもある。それが今の私の懸念事項かなぁ(´-ω-`) -
組織論に興味があるのでとてもおもしろかった。
個人のありかたと組織への影響の相関が強くあったり、なかったり。
結局組織はむず!!と思ったけども、「文化の方が印象に残る」というのには大変共感した!
組織を思い出す時に、実績より職場の人がかけてくれた言葉や雰囲気だったりするなぁ、と。 -
企業文化とリーダーシップの関係がぼんやりと理解できたと思う。リーダーの言葉では無く行動、一つ一つの意思決定そのものが文化を作っていくと腹落ちした。
そして意思決定もなぜその決定を下したのか、ということを突き詰める大事さも感じた。 -
有名な方の本ですね、付せんをいっぱいつけました。
・意思決定の過程では必要があれば反対し、決定したあとはコミットする
・誰も見ていないところでどう行動するか、が企業文化
・インテルでは、従業員に大量のSOを配布。セイムボードの考え方
・組織の誰もが「どうして?」と思うことに対してどう答えるかで文化が決まる
・人の脳は、聞くよりも読む方が何倍も速く新しい情報を吸収可能。計画を文書にすることで一段深く詳細を共有可能
・文化は一度の判断ではなく、長年の様々な行動が積み重なるうちに自然に出来上がる決まり事
・武士はわかっていたように、行動は理念にまさる -
企業文化とは、トップがいないところで社員がどんな判断をするか。これが企業文化。つまり、社員が意思決定に使う際の前提条件。これが企業文化。
p.21 一度基準以下の行いを放置しておくと、それが新しい基準になる。企業文化も同じで常に変化する必要がある。
p.54 エリート集団を作るためにしたこと。
→服装を整える。また階級を表すワッペンをつける。こうすることでエリートとしての意識が強くなり、自分の目的を強く意識できる。
p.71 ショッキングなルールをつくる
→文化の土台となるようなルールを作る。そのルールを作るには以下のポイントがある。
1.記憶に残るもの
2.なぜ?とといたくなるもの
3.文化に直接影響するもの
4.ほぼ毎日使うもの。
例:
・5分前集合に遅れれば、定刻できても罰則する。
・会議でパワーポイントの禁止(Amazon)
p.66まで読了 -
様々な歴史的人物のエピソードから、企業文化とは「信条」のようなものではなく、行動そのものを決定づけられる「文化」なのだということを説いている。また「文化」を築くのは行動であり、一度決めたらそのままで良いというものではなく、絶えず具体的な行動をもって示していかなければならないということだ。
ネットフリックスがDVD郵送事業からネット配信事業への転換を意思決定したときに、DVD郵送事業の幹部を会議室から追い出したというエピソードを読んだ。これは、イノベーションのジレンマに対し、既存事業の覇者が打てる唯一の対抗策として、トップマネジメントが指揮を取り、既存ビジネスから隔離した形で、自らゲームチェンジ起こすこと、という戦略と同じことだろう。 -
『HARD THINGS』著者、ベン・ホロウィッツ第2弾であり、会社の文化づくりに言及されている。文化の重要性はもとより、文化のつくりかたについての考察が興味深い。ストーリーに下記の人物を挙げていてリーダーとしての教養にもなる。
・奴隷革命を成し遂げたハイチの指導者、トーサン・ルーベルチュール
・700年も武士による支配を可能にした日本の侍たち
・世界最大の帝国を築き上げたチンギス・ハン
・殺人罪で刑務所に入りギャングたちを統率した男、シャカ・サンゴール
〇文化は自分で語れる人材がつくる
・「正直言えばみんなと同じ気持ちだが、上がNGを出した」「部長の〇〇さんが言うから、やってくれ」こんな人材では文化が腐る
・意思決定の段階での議論は自由だが、決まったことにはコミットできる人材が文化つくる。そうした人材こそリーダーにすべし
〇disagree and commit
・意思決定プロセスがどのようなものであっても「反対しコミットする」ことを厳格なルールとするべき
・どのような管理職、役員のような階層であっても一度決定されたことは必ず尊重する責任がある
・会議で反対するのはいいが、そのあとは最終決定を尊重する。尊重するだけではなく、決定の理由についてはっきり説得力のある説明ができなければいけない
・「みんなの気持ちはわかるし、正直言えば私もみんなと同じ気持ちだが、上に逆らえなかった。」。この発言は企業文化を決定的に傷つける
〇文化に100%全員があった行動をする大組織なんて存在しない
・完璧を目指さなくてよい、うまくやれ。目標はうまくやることだ
・偉大な文化があっても偉大な企業になるわけではない、しかし物事がうまくいかなかったときのよりどころになるのが文化だ
〇文化の作り方
・うまくいっていることを続ける
・ショッキングなルールをつくる。文化に対する「なんでだ?」に答えることで文化が決まる
・リーダーが価値観や文化の背景にある「なぜ?」にことあるごとに答える事が重要
・服装を整える。服装がふるまいを決め、ふるまいが文化を育てていく
・物語を話せ
・リーダーは言葉通りに行動せよ
〇NOへの聞き方
・聞きたいことを順に聞くな。準備した質問を聞くな。相手の一番大切なことは何か注意して深く聞け
・お互いが味方になるか、敵になるのか、そんなことを考える必要はない。相手にとって良いものを提供できるように考えよう
〇リーダーは全員に好かれない。大失敗を避ける工夫をすればよい
・とはいえ、どこを直すべきかは把握する
・そのために自分の反対意見を言う人物をそばにおく
・自分の苦手分野は宣言しておく