中国に立ち向かう日本、つき従う韓国

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822274146

作品紹介・あらすじ

韓国はなぜ、中国と一緒になって日本を叩くのか?米国から離れて中国ににじり寄るのか?「北の核」に心を躍らせるのか?ガラリと変わる東アジアの勢力図を読み切った日経ビジネスオンラインのトップコラムを書籍化!池上彰氏らとの特別対談も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 2105.8.152015.8.23

  • この本は、平成25年刊行で、その当時の韓国情勢等を説明したものです。
    現在と情勢は違うものの、韓国人の本質や気質、中国の戦略等を知る上では非常に参考になりました。

    要するに、そもそも韓国は長い歴史において中国に支配されていた経験から、本能的に中国からの報復が怖いという恐怖と絶対にかなわないという上下意識を持っている。
    だからそういう前提でつき合う必要があるということ。
    なお、著者はあくまで情勢を説明しているだけで、著者の主張があまり明確ではないのは残念。

    【参考図書等】
    ・朝鮮半島201Z年(鈴置高史)
    ・モノづくりこそニッポンの砦 中小企業の体験的アジア戦略(伊藤澄夫)

    【引用】
    協定署名をドタキャンされて驚く日本に対しては、「慰安婦で韓国の要求を受け入れず、軍事大国化を狙うお前が悪い」と居直った。そうすれば、「反省と謝罪が足りないので韓国との関係がうまくいかない」と常に主張する日本のリベラル派がそれをオウム返しにしてくれるだろう。事実、その通りの展開を見せた。(P41)
    韓国では日本から名実ともに独立したことや強国になったことを世界に示すには旧宗主国の日本を卑しめ、おとしめる「日本たたき」が一番手っ取り早いてと考えられがち。李明博でなくても竹島に上陸する大統領は出てきたでしょうし、それ以外の日本たたきも本格化するでしょう。(P72)
    安住財務相も韓国への批判が高まると「スワップ打ち切りによる報復」をいとも簡単に掲げた。これほど露骨にこぶしを振り上げられれば韓国も、「そんなものは要らない」というしかありません。(P133)
    大統領の「竹島上陸」を実行した韓国に対し報復するのなら、スワップではなく貿易ですべきでした。「金で借りられる友人のいない韓国」は、日本に見捨てられたら中国側に行く以外にありません。(P154)
    いずれにしても、「日本は作ろうと思えば(核兵器を)いつでもすぐ造れる」という潜在能力を維持しながら、しかし造らないという選択をしているんだという姿勢でいるから、とりあえず周りの国とうまく行っていて、アメリカとの関係も悪くないわけです。(P217)
    「日中の間で、韓国が中国を選んだ」という外交的な驚きもあった。しかし、韓国に対する違和感を決定的にしたのは「韓国も中国と同じ、自国の法律さえ簡単に曲げる国なのだ」という政体への驚愕だった。(P235)
    いずれにせよこうなってくると、日本側ができることは2つしかありません。1つは、「韓国側にとって魅力的」な提案を事前にきちんと考えて交渉することです。ただし、この場合は、日韓関係において日本側が譲歩することも必要になるかもしれません。もう1つは、いっそのこと日韓関係の改善自体から距離をおいてしまうことです。どちらに進むにしても、日韓関係の中では大きな選択になるでしょう。(P254)
    中小企業にとって海外進出は生死をかけた一大事業です。進出先の政治状況や国民性、税法、労働法などを徹底的に調べるのが基本です。(中略)でも、中小企業だからこそ政治に感心を持たざるを得ない。大手のように政府が守ってくれるわけではないのです。(P265)
    韓国の変化は「強大化する隣国の言うことを聞かざるを得ない」という地政学的な要因から来ています。大統領が誰になろうと韓国は中国接近を続ける半面、米国とは疎遠にあり、日本とは敵対していくことでしょう。(P274)

  • 1

  • プロローグ 中国の空母が済州島に寄港する日
    第一章 「中国」ににじり寄る「韓国」の本音
     1 米国に捨てられてきた韓国の覚悟 
       「中国に屈従か、核武装か」と韓国誌は問うた
     2 中国から“体育館の裏”に呼び出された韓国
       韓国もホントは嫌な中国とのFTA
     3 「日本と軍事協定を結ぶな」と中国に脅かされた韓国
       朝鮮半島で米中の“激突”が始まった
     4 「尖閣で中国完勝」と読んだ韓国の誤算
       「従中卑日」に動くも「黄海のEEZ」で中国から脅し
     5 【対談】漂流する韓国を木村幹・神戸大学大学院教授と読み解く
       韓国は「米中対立の狭間でうまく泳ぎ切れる」と考えている
    第二章 「日本」を見下す「韓国」の誤算
     1 「7番目の強国」と胸を張る韓国のアキレス腱
       自己賛美の後は少子高齢化に気づいて困惑
     2 「日本病に罹った」とついに認めた韓国
       株安、低成長、不良債権ー大嫌いな日本を追う不愉快な真実
     3 【対談】『老いてゆくアジア』の大泉啓一郎氏に聞く
       日本より重い「日本病」に罹った韓国
     4 【対談】真田幸光・愛知淑徳大学教授と「金融」から読み解く
       通貨の命綱を中国に託した韓国
    第三章 「米国」と離れる「韓国」の勝算
     1 韓国、「ミサイルの足かせを外せ」と外国に刃向かう
       離米従中にまた一歩、“不平等条約”は破棄か無視
     2 「明清交代」を受け入れる韓国人
       米中二股外交に踏み出す
     3 中国包囲網目指し、米朝が野合する日
       “ミャンマーの春”で動き始める新グレートゲーム
     4 【対談】池上彰さんと語る朝鮮半島、そしてアジア
       国際政治は再び地政学の時代に戻った
    第四章 『妖怪大陸』を見つめる日本の眼
     1 韓国は中国の「核のワナ」にはまるのか
      「中韓協商を結べば北の核は抑えてやろう・・・」
     2 【対談】木村幹・神戸大学大学院供述と「バククネの韓国」を読む
       「いっそのこと韓国とは距離を置くか・・・」
     3 【対談】「反日国家に工場を出すな」と主張し続けた伊藤澄夫社長に聞く
       中国とは絶縁し東南アジアと生きる
    エピローグ 結局は「中国とどう向き合うか」だ






    2014.06.20 読了

  • 過剰反応する韓国の反応を見ながら日本の明日を考えるというスタンスで韓国の反応を通じて中国との距離感を考える本。プロローグと第四章の扉に濃縮されている。しかし、韓国は利害計算ではなく『時代精神』によってあっち(北京)のチームに戻っていくのかねえ・・・まあ、たしかに法治すら定着しなかったわけだからなあ・・・

  • 献本頂く。

  • 麻布Lib

  • 台頭する中国に対して、日本はいかに対抗すべきなのか。地政学的な観点から、その関係図の中に韓国をはさむことによって「見えてくるものがある」とする著者。韓国を『ゲゲゲの鬼太郎』のねずみ男にたとえ、「肝腎な時は妖怪側―中国に付く」とするのだが……いささかならず悪意があるたとえだと思う。韓国が中国と米国を天秤にかけ、うまいことやっていこうと考えるのなら、それもまた戦略の一つであり、ことさらおとしめるよりは、そういうものと理解すればいいだけではないだろうか? 主張が一本調子のため、1冊を読み飽きる気もするが、池上彰との対談はおもしろい。

  • 今現在の東アジアを取り巻く状況を知るには、うってつけの本。韓国の不可解な言動も歴史を元に考えればすぐに理解できる。

  • 韓国の行動の意味がよくわかる

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