承 井上雄彦 pepita2

著者 :
  • 日経BP
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本棚登録 : 84
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822260835

作品紹介・あらすじ

書籍「pepita」で建築家・ガウディの足跡を辿った漫画家・井上雄彦が、次に目を向けたのは「遷宮」。創造の種(pepita)をはぐくむ糧を探しに日本各地を旅した。神宮司庁の河合真如広報室長、出雲大社の千家和比古権宮司、建築家の藤森照信教授との対談を掲載。奉納墨絵の制作過程をつづる。pepita第2弾・起承転結の「承」の巻。

感想・レビュー・書評

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  • さすがバガボンドを描いた人だ、と。僕はバガボンドは単行本で追ってるだけですが、武蔵が田んぼをやる場面はグサグサ刺さりました。そのテンションで伊勢神宮について描写しています。お伊勢さんを歩いたことのある人なら鳥肌ものじゃないでしょうか。出雲大社、諏訪大社も訪れる。
    伊勢、出雲、諏訪で井上雄彦がそれぞれ対談しているんだけど、読んでて涙が出た。表現者としての最前線にありながらバガボンドの沢庵和尚のような。完全にコントロールできない偶発性を求めてバガボンドを筆で描いていたり、表現者として共感する部分もありながら尊敬の一言。
    そして、というかやはり、頼りなさや弱さなどのフラジャイルな要素を大切にしているのがわかる。松岡正剛のフラジャイルを読んだあと、たしかに僕の世界は変わったようで、何か読む度にそれを実感する。

  • 魂が消えてしまう「魂が消える」から「たまぎえる→たまげる」
    稲は「命の根」が約まったものともいわれている。
    ブルーノ・タウトは「桂離宮は泣きたいくらい美しい」って名言を残した。

  • 伊勢神宮
    感じるということが気持ちいい

  • ガウディ展で購入

  • 本屋で本を買い、取寄せを頼んでいるときにカウンターにあった本書に気付く。「あの~。これも買います。」
    井上さんの漫画はバカボンドしか知らないが、これ程の画力の漫画家は過去にもいなかったと思う。

    伊勢、出雲、諏訪の宮司さんへのインタビュー。深遠な話をされているのだけど、伝わりにくい。
    建築探偵&建築家の藤森照信さんとの鼎談にキリスト教も儒教も、仏教も、イスラム教も神様は言葉の中にいる。神道は言葉になるものは本物ではない、みたいな考え方があると、話されている。日本の神の話がどうしても言葉では伝わりづらいのは仕方がないことかな。
    式年遷宮の総棟梁氏へのインタビューやお白石持行事への参加ルポも含め、写真や井上さんのスケッチもあいまって、ジワジワ伝えわってくる印象。

    DVD付き。藤森さん宅の玄庵の襖絵が気になる。龍と笛を吹く子供の絵。本間利依氏の作とのこと。高過庵や空飛ぶ泥船も登場。

  •  いまや、単にマンガ家というよりは<求道者>の域に達しつつある著者が、「内部を再発見」すべく、伊勢神宮の式年遷宮を契機に、伊勢神宮、出雲大社などを訪れた。
     神宮へ奉納する墨絵『承』や著者の言葉が深い所から生まれてきたことが分かる。また、4人の関係者、建築家との対談・鼎談も、密度が濃い。
     神宮司庁の河合真如広報室長との対談では、人が森や社、自然とどう関わってきたから始まり、自然科学的な知見まで取り込みながら、生命の根源にまで深まっていく。
     出雲大社の千家和比古権宮司との対話では、「ばんじまして」という夜の時間のはじまりの挨拶を巡って、闇の時間であるカオスについての考察へと向かう。(「こんばんわ」という挨拶の中にも、その名残があるのかもしれない)
     建築家である藤森照信氏とは、創造する二人の間で濃密な時間が流れる。話題は日本から世界へと広がり、やがてガウディにも及ぶ。そして、万物に精霊が宿るという原始的な自然信仰、生命信仰への原点回帰の重要性が熱く語られる。附属のDVDに収録された映像からは、藤森氏の手になる<高過庵>の空間の面白さも伝わって来る。
     さらに、式年遷宮に3回関わった宮大工宮間熊男氏を加えた会話では、「神さんの住まわれる御殿を造るんだから、見えない所にも気を配る」というさりげなく語られた職人の言葉が重く響く。
     著者は、こうした多くの人との会話からエネルギーを吸収して、「大人の鑑賞に耐えうる」新たな創造へと向かうに違いない。それが、『バガボンド』などの作品に、どのように結実するのか楽しみになってきた。

  • 10月19日より奉納墨絵「承」を特別公開
    遷宮の年 伊勢・出雲 原点を探る旅
    奉納墨絵「承」特別公開

    伊勢神宮 式年遷宮広報本部では、井上雄彦が伊勢神宮に奉納する墨絵「承」を特別公開する。
    併せて、書籍+DVD「承 井上雄彦 pepita2」に収載された直筆スケッチや伊勢取材時の様子を記したパネルも展示。
    期日:2013年10月19日(土)~2013年11月4日(祝)
    場所: 神宮内宮参集殿
    http://itplanning.co.jp/topics/131002

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    「「pepita」でサグラダファミリアをはじめとするガウディ作品に触れた漫画家・井上雄彦が、次に目を向けたのは「遷宮」という日本の伝統行事だった。2013年5月に出雲大社が60年振りに式年遷宮し、10月には伊勢神宮が20年振りに遷宮を迎える。
    著者・井上雄彦は、ガウディの足跡を辿る旅の最後に「何かを創るときの源は、まだ見ぬどこか遠くへ探しに行かなくても、そこかしこにあるはずだ」と気づいた。今度は自分の生まれ育った国で、創造の種(pepita)を見つけよう。見慣れた場所で。毎日通る道で。縁を感じた時には、旅にも出かけよう。そうした思いに辿り着いた。
    2012年6月から著者は伊勢、出雲、諏訪などへの取材を敢行。連載漫画の執筆の合間を縫って、創造の種を育むための「糧」を探し続けた。5度にわたって足を運んだ伊勢神宮は、「自分の内側へと向かわせる空気に満ちている場所」だと著者は語る。
    本書はpepitaの第2弾として、自然や歴史、先人たちから「承ったもの、承=創造の糧」を書き下ろしの絵やスケッチ、エッセイなどで綴っていく。また、取材時に出会った「師範たち」との会話や対談風景を収録。古来から繰り返されてきた「遷宮」という営みに秘められた、日本人の根底に流れる「承の心」を解き明かしていく。

    《本商品は書籍+DVD(計79分)で構成されます》
    著者による書き下ろしの絵、スケッチ、絵入り写真、エッセイ等で約80ページを構成。約120ページは著者と神宮司庁の河合真如広報室長、出雲大社の千家和比古権宮司、第61回神宮式年遷宮の際に棟梁を務めた宮間熊男棟梁、建築家の藤森照信教授との対談や取材時の写真などで構成する。
    DVDは、取材旅行や対談の様子を綴った新進気鋭の女流映画監督・船曳真珠によるドキュメンタリーと、外国人映像ディレクター・ゴンザロ・ロブレドによる映像、作画風景などで構成する。

    《伊勢神宮奉納画 「承」の縮小版を収録》
    著者・井上雄彦が、本書の発行に合わせ長尺の墨絵「承」(幅約180cm、高さ約22cm)を描きます。本書では、この長尺の墨絵「承」を観音開き形式で縮小して収録・掲載します。
    ※墨絵「承」の原画は、伊勢神宮の式年遷宮に合わせて、神宮に奉納されます。
    ◎pepitaプロジェクトの関連動画をyoutubeでご覧いただけます。
    こちらからご覧ください。
    http://www.youtube.com/user/pepitaProject

    ◎ケンプラッツでさらに詳しい情報をご覧いただけます。
    こちらからご覧ください。
    http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/books/knp/20130911/631834/

    ◎その他、最新の関連情報が続々アップ!
    公式facebookもぜひご覧ください。
    https://www.facebook.com/pepita.book
    INOUE TAKEHIKO ON THE WEB | 10月19日より奉納墨絵「承」を特別公開
    http://itplanning.co.jp/topics/131002

  • 前作ではガウディの足跡を追ったが今作のテーマは「遷宮」。伊勢、出雲を巡り自然と歴史を探求する。前作に比べスケッチ、イラストの量が少なめだが、神宮へ奉納する墨絵が味わい深い。付属DVDも見応えあり。次作は何処へ向かうのか?

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著者プロフィール

1967年生まれ、鹿児島県出身。北条司氏のアシスタントを経て、1988年『楓パープル』でデビュー。 90年から連載を開始した『SLAM DUNK』は累計1億部を超える大ヒットとなった。98年より「モーニング」にて宮本武蔵を描いた『バガボンド』を大人気連載中!! 車椅子バスケを描いた『リアル』は「ヤングジャンプ」にて不定期連載中。

「2014年 『バガボンド(37)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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