- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822257279
作品紹介・あらすじ
「ガイアの夜明け」(2014年9月9日放送)、「カンブリア宮殿」(2016年4月7日放送)に登場!!
世界に誇るメイド・イン・ジャパンのものづくりを守り、
育てるアパレルブランド「ファクトリエ」。
同ブランドを立ち上げた山田敏夫さんは、自らの足で日本各地を回り、
高い技術力を持つ縫製工場を訪ねては、工場のオリジナル商品を
つくってもらい、「ファクトリエ」で販売をしています。
「店舗なし」「セールもなし」「生産工場を公開」
「価格は工場に決めてもらう」--。
山田氏がファクトリエで実践するこうした取り組みは、
いずれもこれまでの日本のアパレル業界では"タブー"とされてきたことでした。
これまで消費者の前に姿を出すことのほとんどなかったものづくりの担い手、
「工場」の存在を前面に打ち出し、光を当て、その高い技術力やものづくりの姿勢を、
一人でも多くのお客さんに知ってもらう。これがファクトリエの目指す世界です。
そして2012年の誕生からおよそ6年が経った今、ファクトリエには
多くの仲間、工場、お客さんが集まってきています。
ファクトリエのこれまでと今。
アパレル業界の「新しい当たり前」をつくろうとする
山田さんの歩みを、一冊の本にまとめました。
感想・レビュー・書評
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「メイドインジャパンのブランド化」のために突っ走る姿。想いが信念になり、共感を呼び事業が生まれる。素晴らしい。志良し!ファクトリエを応援したくなる。時代が求める行動力の見本みたいな人。清々しい。好きだ。
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■読んだ経緯
突然、メールが届いた。
「私、本を出版しました。何も成し遂げていない若輩者ですが、是非ご一読ください。」と。
著者と出会った場所は九州。全国の高校生の夢を支援する行政主導のボランティアでのこと。同い年、かたやゲスト審査員・気鋭の経営者、一方の私はスタッフ・地方金融機関のサラリーマン。全く異なるポジション。それなのに感じる“身内感”。この、嫌でも感じる山田という男が醸し出す親近感と安心感のルーツを探るため、言われるままに本書を手にした。
■心に留まったキーワード
優柔不断だからこその決断(P.34)/ネットの情報だけが全てではない、知った気になっていては気が付かない(P.44,57)/業界ストーリーテラーの不存在(P.82)/「やってあげている」から「一緒に夢を追いかけている」へのマインドチェンジ(P.91)/働き手にお金ではない価値を仕事に誇りを(P.110)/8つのコーポレートアイデンティティー(P.144)/今が青春(P.173)
■率直な感想
・僕は本書を、“山田さんの精神論発表の場”とは捉えていない。むしろ真逆で本書は、“気鋭の経営者によるビジネスモデル構築のための戦略指南図書”として十分な効力を発揮している極めて秀逸なロジカル書籍だ。
・本書には、多くの戦略図書に見られるような“読み進めるたびに様々なアドバイスが、偉そうに上から降り注いでくる感覚”が一切ない。
・それは恐らく彼の根底にあるスタンス、“無知を自覚し、在り方を磨く(無知の知)”的なものが、読み手の心の中にすーっと言葉を運んで来るからに違いない。
・一見、価値観の殴り書きのように思える言葉の裏にも、実はしっかりとストーリーが詰まっており、その端々から経営者としての“ビジネスセンス”の高さを見せつけられた次第。
・特に、シンプルなキーワードでまとめられたファクトリエのアイデンティティーは、静かでありながら、強烈で革新的な示唆を含んでいる。そしてこれこそが、山田さんが醸し出す親近感と安心感のルーツなのだろう。
1.長く使える
2.知的欲求を満たす
3.シンプルで伝わりやすい
4.工場を幸せにする社会性
5.共感を生む交流
6.長く大切に使ってもらうためのサービス
7.サプライズ
8.真面目でフレンドリーな人間性
・本書を読み進める内に気が付かされたことがある。それは、“消費者へ与えるモノは、もはやわざわざ人が作る必要がなくなってきているかもしれない。”という確信めいた仮説。世の中で求められている“価値感”の具体的なパラダイムシフトの姿だ。
・そう、ファクトリエの利用者はもはや“消費者”ではない。彼らは“理解者”として、当社製品のストーリ・文化・価値を周囲にシェアしている。ストーリーテリングすらもはや、作りて側の行為だけではないのだ。
・“価値とは何か。”僕はこの疑問への解を『語れるものであるか否か、誰かの矜持に触れられるか否か』であると本書から学び読了した。
・仮に本書から得た学びが、「よっしゃ、勇気をもらった!俺も起業頑張る!」と言った“雰囲気とテンション”だけだった人は是非、もう一度本書の言葉に触れてみて欲しい。
■本書から得た気付き(読み手の自己解釈)
・過去の経験を学びに変えられる柔軟性、“無知ゆえの知”こそがベンチャー企業成長のエンジン。
・秀逸なコーポレートアイデンティティーが組織の集中力(エッセンシャル思考)を加速させる。
・精神的帰属場所としての企業と、全てのステークホルダーをストーリーテラーへと成長させる仕組みが自社バリューチェーンを強化する。
■どんな人におすすめ?
・起業を志す人
・経営者(特に小売り業)
・チームビルディングに悩むリーダー -
幸運にも経営者(著者)の方と話す機会があったことで読みました。
心を動かされる経営者には皆共通していることがあると思っていて、それは芯が通った誰もが理解できる信念があり、加えて利他の精神があること。山田さんからもそれがよくわかる本でした。加えて、会社の理念に伴って、社員の役割も明確化していることが印象的。
そして「誰がアパレルを殺すのか」を以前に読んだときにも思ったことだが、これからは食べ物だけではなく服についても大量生産・大量消費(廃棄)が疑問視されていく名は必定だと思う。服を作るのにあんなに水が必要というのは初耳でした。幸い年を重ねて服への趣味や考え方も変わってきたので、これからも買う服はしっかり考えていきたいと思わされました。 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1350590 -
人間の平均飲料水1人1日約1.5ℓとして、Tシャツ1枚作るのに約5年分の2,720ℓ、ジーンズ1本分の綿を生成するのに約20年分の1万ℓ以上の水が必要。
ファッションはあらゆる産業の中でも2番目に多く水を消費し、世界の排水量の20%を占めているんだとか。
ファクトリエの山田さんの素晴らしい人柄と熱意と行動力がひしひしと伝わる一冊。 -
食品については、作り手を支えることと安心して食べるということで、日本のもの、できれば地場産品を、という気持ちで買い物をするのに、洋服のことって、あんまり考えたことがなかった、と思う。手元にある洋服のタグを見たら、たぶん外国製がほとんど。
梨木さんの「やがて満ちてくる光の」にあった、着る物を「慈しむ気持ち」のこと、ボーダレスジャパン の起業の考え方、新疆綿のこと、いろんなことに思いがつながっていく。
素敵!という衝動も愛しているけれど、その素敵がどうやって生まれてきたかも楽しめるお買いものをしたいなあ。
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ファクトリエの創業物語‼️代表者の波瀾万丈な企業物語だけではなく、アパレル業界の抱える本質的問題も記されていて、教養書としても良著です‼️ -
「熱狂」が口コミを生む、など、確かにと思うものづくりとそして販売への流れなど、面白かった。ショップも見てみたくなる。
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信念で突き進んでいる姿に強い刺激を受けた。ファクトリエの真面目なブランドイメージは山田さんそのものなんだな。強い想いがあってこそ人は共感していく。
アパレルの世界はなんでこんなに透明性が低いのだろうとずっと疑問だったけれど、ブランドイメージや技術の流出を防ぐため、工場は契約を結んでいるブランドから関わっていることを口止めされているなんて知らなかった。とはいえデザイナーが物凄く力を持っている業界。デザインを工場に託して共にものづくりをして商売の軌道に乗せるなんて並大抵のことじゃない。。猛スピードで失敗すること、64の曼陀羅など、実践できそうな例も沢山ありました。 -
今や 検索で「ジャパンメイド」の服を探すのは簡単ではない
山田氏が 英語が得意で留学先にフランスを選ばなかったら。フランスでスリにあわなかったら。
グッチがバイト先として山田氏を採用しなかったら。などなど。
ひとの巡り合わせと彼の泥臭い行動力で今のファクトリエはあることがわかる
勉強ができて優秀なタイプがこういう本を書いても響かないが、山田氏は不器用で(本人が書いている)そうではないので共感がもてる
工場ツアーに参加してみたい
安い服というのはちゃんとした労働環境で作られていないということ
現場である工場を大切ににして仕事に見合った適性価格で取引することで最高のものづくりをしていてとても素晴らしいと思う
日本の縫製工場存続のためにも日本製のものを吟味して買いたい