キッシンジャー超交渉術

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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822255831

作品紹介・あらすじ

キッシンジャーの「戦略的交渉術」を徹底分析した初の本

「世界最高のネゴシエーターは誰か?」
 この質問を1375大学の国際関係学に携わる1615人の学者にしたところ、最も多くの支持を集めたのがヘンリー・キッシンジャーでした。辛口の作家のウォルター・アイザックソンでさえ、キッシンジャーを「20世紀で最も重要なアメリカの交渉者」と評価しています。
ネゴシエーターとしてのキッシンジャーの輝かしい実績は、誰も否定できません。東西冷戦下、世界が憎悪に満ちあふれ、一触即発だった時代、キッシンジャーは中国、中東、ソビエトと、一見不可能に思えるような交渉をいくつもまとめてきました。
 90歳代の今でも、キッシンジャーは外交の重鎮として活躍し、バラク・オバマからドナルド・トランプ、ウラジーミル・プーチン、アンゲラ・メルケル、習近平まで、多岐にわたる世界の指導者から意見を求められています。
 キッシンジャーがどんな活動をしてきたかは自身の伝記や他の研究者・作家が、これまで数々の作品を世に送り出しています。ところが驚くべきことに、キッシンジャーの交渉術に関しては、これまで詳しく分析されてきませんでした。

 著者3人は、ハーバード・ビジネススクール、ハーバード・ケネディスクール、ハーバード・ロースクールの教授で、交渉の専門家・研究者。ハーバードを代表する三つの大学院の英知を結集して、キッシンジャーの交渉を徹底分析し、エッセンスを抽出したのが本書です。キッシンジャーは本書に自ら序文を寄せただけでなく、長時間にわたるインタビュー取材に全面的に協力しました。外交政策や政治に関心のある読者だけでなく、交渉に関わっているあらゆる職種に役立つ内容になっています。
 パワフルで視野が広く、目的からぶれず、粘り強く、硬軟使い分け、一見関係のなさそうな状況に活路を見いだしてゲームの流れを変えたり、時に隠密行動や嘘を器用に使いこなすキッシンジャーの交渉アプローチは、政治やビジネス、日常生活でタフな交渉をしなければならない人々に、大変参考になります。

感想・レビュー・書評

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  • 多国間の外交交渉って、スゲ~大変なんだな〜ってことがわかる本でした
    社内の交渉が、とっても気楽に思えてきました
    今後から楽になりそうです

  • アメリカの名を背負って「南アフリカの不当な白人支配を終わらせる」とか「ベトナム戦争の停戦と米兵の安全な撤退」とか「冷戦真っ最中にソ連と中国と交渉する」とか、どれも想像すらつかない。こんな交渉を当事者として行ってきた人についての、その交渉術についての研究。事例の成り行きもそこからの教訓も興味深い。日経の本というのもあって書き方はちょっと硬めだが、自分がこの交渉の当事者だったと思って読むと得るものを大きいと思う。自分の普段の”交渉”の気がちょっと軽くなるかも?!

  • キッシンジャーは1923年、ドイツ生まれ。
    ハーバード大学で教鞭を執った後、1969年、ニクソン大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官に任命され、1973 年には国務長官に就任。ソ連や中国などとの数々の重大な交渉に関わった。

    キッシンジャーの交渉事例から、例えば、次のような教訓を引き出すことができる。
    ・ズームアウトとズームインを繰り返す:
    自らの戦略の確認(ズームアウト)と、面前の相手の観察(ズームイン)を繰り返しながら、目指す方向に向けて交渉を進める。

    ・基本的前提を何度も見直す:
    交渉のテーマなどについての基本的前提が正しいかどうか、何度も検討、確認する。

    ・交渉のテーマに精通する:
    交渉の分野について十分な知識を持つ。または、その分野に精通した人をチームに加える。

    ・長期的な視点に立つ:
    将来に多大な利益をもたらす合意を達成するために、長期的な視野に立って戦略を考える。

    ・広角的な見方を取り入れる:
    交渉相手だけでなく、広く他の関係者や問題を見渡し、取り込むべき相手や問題を見極める。

    ・現実主義になる:
    合意を得るために最低限必要な条件が整っているかどうか、慎重に評価する。

    ・交渉の要素を不変と見なさない:
    交渉の状況を有利に変えるために、関係者や要素を加えたり除外したりする。

    ・戦略的に考え、臨機応変に行動する:
    交渉の状況に変化が生じた時は、戦略を見直し、臨機応変に行動する。

    ・表現力を磨く:
    言葉を巧みに組み立てたり、あえて曖昧にしたりするなど、状況に応じて表現方法を変える。

  • 東西デタント、ベトナム戦争など
    20世紀の超重要外国交渉を仕切った
    キッシンジャーの交渉術。

    とりあえず、会って腹を割って話せば
    なんとかなるさ、と思っている楽天家には
    厳しい内容。

    キッシンジャー、スゲーと思いつつ、
    こんな責任重大な交渉の責任を
    全部押しつけられながら、
    外野(アメリカ国内)から、
    足を引っ張られる境遇に同情を禁じえない…。

  • ・戦略と関係構築
    ・基本的前提
    ・テーマに精通
    ・長期的視点
    ・広角的な見方
    ・相対的価値コントロール
    ・カオスコントロール
    ・表現力

    ・建設的曖昧さ、と言う表現に納得。いずれも頷くしかない内容

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