CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド
- 日経BP (2018年6月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (668ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822255749
作品紹介・あらすじ
ソフトウェア開発者として成功するために知っておくべきノウハウ・スキルを網羅したキャリアガイドです。
ソフトウェア開発者として成功したい――。そのような願いは自然なものです。
本書は、成功するために必要なスキルの種類とその身につけ方を全60章、約650ページにわたって具体的に解説します。
米アマゾンでは圧倒的な高評価(365以上の五つ星)を獲得している、
「一人前」のソフトウェア開発者になるための指南書です。
■「解説」から抜粋
本書『CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド』は、ソフトウェア開発者というキャリアで成功するためのさまざまなスキルについて解説している書籍です。技術者向けの書籍ではありますが、特定の技術に関する解説はほとんどなく、主に「技術そのものをどう取り扱うか」のような「メタ技術」を取り上げている書籍です。
(中略)
本書で紹介する「メタ技術」の発想から考えると、このような状況にこそ、キャリアを「ハック」するための大きな余地があるのではないかと思います。良い組織、悪い組織が混在しているなかで、その状況をうまく利用して自分のキャリアを高めるスキルというものは確実に存在しており、本書が解説する「メタ技術」を応用することで、そのスキルを発見し自分のものにすることができる可能性は相当高いと思います。
――まつもとゆきひろ(Matz)
■目次(詳しくは、以下の目次をご覧ください)
第1部 ソフトウェア開発者になる方法
第2部 就職する方法
第3部 ソフトウェア開発の必須知識
第4部 ソフトウェア開発者の仕事
第5部 キャリアの伸ばし方
解説 by まつもとゆきひろ(Matz)
感想・レビュー・書評
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これからソフトウェア開発者として生きていきたい人、社会人としてステップアップしたいひと、独立したい人、それぞれのフェーズで役立つ考え方を学べると思う。
分厚いが通しで読むのではなく、自分にとって必要だと感じるところ、興味を持てたところを読めば十分なので、構える必要はない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
650ページというページ数にまず圧倒されるが、よし気合い入れて読むぞと思い、読み始める。サブタイトルにもあるように、エンジニアのキャリア全般に関わる内容が隅から隅まで網羅されていて、これ一冊読めば十分すぎると思えるほどの充実した内容。巻末の注釈にて、「本文の意見に同意しているわけではない」と書かれている箇所があり、訳者や編集者の態度が明確化されている点に好感が持てる。そんな注釈珍しい。ところどころそのような尖った考えが本文には書かれているが、それを差し引いても余りある読書体験だった。『SOFT SKILLS』は既読だけど第2版が出ているみたいなので読んでみたい。
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(この休職期間に元気づけてくれた本)
翻訳本らしい日本語ではあるものの,口調がそもそもおもしろいので楽しんで読める!
抜粋ではないが,おっ!と思った箇所を紹介(括弧書きは自分と照らし合わせて):
1. 自分が作るソフトウェアが何をすべきか理解せずにすぐにコードの中に飛び込みがち
(最近は作るようになってきた)
2. アジャイルであろうが事前設計は必要で,2x4の木材を無作為につなげないでしょ?とも記載あり
(何も言えないです...だんだん作るようにはなってきている)
3. データ構造とアルゴリズムの理解が気の毒なくらい低いソフトウェア開発者が多すぎる
(私もこの一人で,この分野はちゃんと学習する必要性を痛感した)
4. todoリストを完全にやりきることは絶対になく,人間として可能な範囲を超えがち
(自分自身,バックログを詰め込みすぎてやられている原因である)
5. プランを立てることが重要で,立てないということは失敗するつもりであるのと同じ
(これですね...まさに!)
6. ソフトウェア開発者は全員ブログを書くべき
(かなり不定期だが書いていて,一応,平均毎日20アクセス)
7. 就職先に応募するなら1日5件以上は出せるはず
(今のところ休職してはいるけど転職はしない予定,のはず)
8. 定刻に顔を出すとは10分前には準備完了のこと
(5分前くらいならできているかな)
9. スクラムプロセスでできていない理由を延々と述べるな[スクラムバット(but)]
(その場合,事前に管理者と認識あわせするような世の中になってきている)
10. コードをまだ書いていない段階でテストケースとそのシナリオを作れ
(テストケースを書いたことがなくて問題になっている)
11. 何十年も前に書かれたVB6アプリケーションのメンテナンスをするわけではない
(数年前に書いたVB6のアプリケーションのメンテナンスをたまにするし,むしろWin10でのVB6アプリが動かなかった解決策を記載したブログ記事のアクセス数が最も高いぞ)
12. 本の中ではインド人の中に入ったという例だが,グループごとに壁を作るな
(現状は社内にほぼ日本人しかいないが,大学院生のときは中国人グループとも仲良くやってた自信あり)
13. チームにはリーダーの癖が多く染みつく傾向がある
(残業は多かったかも? いや,それは課長の癖かな)
14. 昇級,昇格,昇進を望むなら要求以上のことをしろ
(休職以前はそうだったけど,これからどうなるかわからんな)
15. 人脈作りにイベントに顔を出そう,でも酒を飲まなければ人と話せないというように酒の力を借りるな
(酒は飲むけど酒の力を借りてはいないはず!)
16. スキルアップにも具体的なプランを立てろ,なければ始まらないのと一緒だ
(積読,積ICは確かにいっぱいある...プランかあ)
17. 今の職場に安定を感じても安心しすぎるな
(新しい学びがなければスキルと知識は陳腐化してもし倒産したら無価値な人間になりかねない)
18. 何かを選び専門家になろう
(最近はできていないなあ...)
19. 組込システム,イェーイ! ロックだぜベイベー!
(重荷が大きいのも事実だよね,ネットワークアップデートの世の中といえど)
20. 知識を蓄積すると共にシェアせよ
(他の人が躓かないように社内シェア,公開して問題なさそうならブログ化してます)
21. セミナー等に参加するなら時間と金を注ぎ込んだ分,何かを引き出せ
(確かにそのとおりで,ドブに捨ててることもあったかもしれない)
22. 個人でのサイドプロジェクト(モノづくりや書籍執筆)はとにかくやり遂げろ,世に出なけりゃ価値は0%
(はい,そのとおり! ゴミが転がってるよお)
ということで,時に読み返すべ基本となりました. -
非常に有益な内容
ふとこういったシチュエーション時どうすればいいか
忘れた時とかに定期的に読み返す必要を感じる本 -
完全キャリアガイドの名に恥じない網羅性を誇る1冊
具体的な方法論の部分で考え方の違い(あるいは環境の違い)があるものの、根本を貫く思想にはとても参考になる部分が多かった。
加えて軽妙な文体で読んでいて飽きが来ない。 -
うむ
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解説にもあるように、日本とは異なる状況下での振る舞い方について書かれているので、そのまま適用できないこともある。
ただ、現実的に取れる手を列挙してくれているので、キャリアガイドの名に恥じない内容だと思った。
一方で、本書の(特に対人面での)内容を素直に受け入れられない気分もある。
そこまで合理的に振舞えない、というより、振る舞いたくないという感情面の抵抗感が拭えない。
多分、利害を見据えて打算的に振る舞う、というのが、自分の目指すところとは違うのだろう。