MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822255275

作品紹介・あらすじ

「この本を読むと、決算がドラマになる」(ひふみ投信ファンドマネジャー 藤野英人氏)

「数字が読めない」と悩むのはもうやめよう。
MBAに行くよりも簡単に、企業の実力を読み解くスキルを身につける方法がある。
いつ使うか分からない英語を勉強するよりも、今すぐに仕事に応用できるスキルがある。

それは「決算を読む習慣」。決算を読む習慣こそ、最強のビジネススキルだ。

数字を正しく読み解くスキルは、時代が変わっても常に必要とされる一生モノ。

本書は、財務・会計を専門とする人以外を対象に書かれたものだ。
財務・会計の専門知識は不要。必要なスキルは「四則演算」のみ。

1社15分の決算分析で、業界・会社の実力を読み解く「方程式」で、世界で通じる最強のビジネス教養が身につくように設計されている。

第1章:決算が読めるようになると何が変わるのか?
第2章:ECビジネスの決算
第3章:FinTechビジネスの決算
第4章:広告ビジネスの決算
第5章:個人課金ビジネスの決算
第6章:携帯キャリアの決算
第7章:企業買収(M&A)と決算
終章:決算を読む習慣をつける方法


<日米の有名・成長企業37社の「決算分析事例」を掲載>

ー掲載している「決算分析」の例ー

・Yahoo!ショッピングの「eコマース革命」に学ぶ、ECの収益モデル
・競合他社の斜め上を行く、Amazonという異端児
・SquareとPayPalに見るスマホ時代の決済・送金ビジネス
・「AbemaTV」やZOZOTOWNの「ツケ払い」はうまくいくのか?
・Teslaが今後提供する可能性があるFinTechビジネスとは?
・Facebookがスマホで超高収益になった理由は?
・LINEの将来は広告ビジネスにかかっている!?
・動画配信の王者Netflix「5つのすごいポイント」
・音楽ストリーミングのSpotifyとPandora、未来が明るいのはどっち?
・クックパッド&食べログ、次の伸びしろはどこにある?
・ドコモ、KDDI、ソフトバンクにとって「格安携帯キャリア」は脅威になるのか?
・楽天のM&A戦略、今後の「減損リスク」はどれほどあるのか?

感想・レビュー・書評

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  • 他の決算書類分析の本よりも、より事業形態や業界構造を踏まえて決算諸表を説明しています。

  • 決算書学習シリーズで手にとった一冊。決算書そのものではなく、業界ごとの動向や各企業のビジネスモデルがメインで書かれている。決算書をもとにこういったところまで見れるのかという点が学べた。著者は趣味のレベルで決算書を読んでいるようで、自分もその感覚で決算書を読むことを日常の中に組み込んでいきたいと思った。

  • 元楽天の執行役員である著者がIT企業を中心に決算分析について書いた一冊。

    ECビジネスやフィンテックやアプリなどITやメディアに関わる様々な企業の決算資料から現状や今後を具体的な数値を使って詳細に解説されており大変勉強になり、かなりのファイナンス・リテラシーが身に付きました。
    各章の初めに概略や各節ごとにまとめが載っていたり、馴染みの薄い用語には解説があったりと親切な構成になっていながらも決算に精通する著者ならではの鋭い視点での分析が書かれており、知識が増えるだけでなく刺激も受けました。

    ます、全体を通してYoYで各社の事業の動向が如実に確認できることを感じました。
    また、ECビジネスにおけるアプリからの購買率の高さアメリカでのテレビ事情や動画ビジネスにおけるポイントは参考になりました。

    ビッグデータの活用で保険事業のリスクの把握など従来のビジネスの手法が大きく変わることやAmazonやNetflixやT- mobileの戦略やソフトバンクのARM社へのM&Aの展望などは楽天で執行役員として第一線で活躍してきた著者ならではの決算資料を基にしたITに関する見識は非常に今後において重要になるものであると感じました。

    すぐにできるものではありませんが、本書で展開されている決算資料から未来を予測することはビジネスにおいて武器になるだけでなくこれからの時代の先を読むうえで欠かせない知識だと感じた一冊でした。

  •  シバタナオキさんがnoteで続けていらっしゃる「決算が読めるようになるノート」をもとに,加筆修正されて書籍となったものです。シバタさんがシリコンバレーにいらっしゃるということもあり,ECビジネスや,FinTechビジネス,携帯キャリアのビジネスなどの実例を通じた決算の読み方が詳しく解説されており,とても参考になります。
     個人的に決算に関わるような業務にも関わることになったので,いいタイミングでこの本を読むことができました。この内容をベースに次につなげて行きたいなと思っています。そして,今回で終わりではなく,今後の動向のシバタさんの分析も楽しみです。

  • 複数社の決算書、決算報告を並べて比較してみると見えてくるものがある。それを勉強にもなるという事で、社内報告していたらしい。技術経営学という、財務諸表を見ながら何が有効な打ち手なのかを分析する学問を駆使して、読み解く。

    面白いが、少しだけ残念なのは分析が通信、メディア、TEC系に偏っている事。著者が楽天OBだからか。ユニットエコノミクス、ARPUアープと呼ばれるユーザあたりの売り上げ、EBITDAにYoY、マルチプル。とりあえず、横文字を覚える事。

    株を買う人にも良いだろうし、企業を経営する人にも良いだろうし、事業に投資する人にもオススメできる本だ。

  • 皆さんは、普段IR資料というものにどれくらい見ているだろうか。

    私は、法人営業をやっていたころ、上場企業にお邪魔するときは、事前準備の一環として、決算説明会資料に目を通すようにしていた。

    説明会資料は多くの会社でパワーポイントの資料にまとめてくれてあり、非常に分かりやすい。少し目を通すだけで、業績の推移や来期の戦略などか分かるようになっている。

    本書は、元楽天の役員が、在籍当時のルーティンを活かして、書籍化したものである。

    在籍当時のルーティンとは、月曜の全社員の前で役員が発表するトピックスの原稿を作ること。そのネタとして、競合他社の決算情報を分析し、役員に提出していたそうだ。

    また、コンテンツ投稿サイトである「note」に決算分析の記事を投稿していたところ、好評となり、出版に至ったそうだ。

    本書が、決算関連という少しお堅い分野の書籍の中でも、人気を博したことは、冒頭に彼のブログの読者だった人が、決算分析をやってどんなビジネスマンに変身できたか、を紹介したことにある。つまり、どんなメリットがあるかを明確に提示した点がわかりやすい。

    一例をあげると、とある広告代理店の営業マンは、コンペの勝率の非常に高い営業マンになった。なぜか?クライアントに提案をする際、競合企業の決算を分析し、ここの指標で負けているので、この部分を広告宣伝で強化しましょうという、提案をしていたからだそうだ。

    本題の中身だが、ビジネスモデルごとに、重要な指標を紹介した上で、具体的な社名を上げて、決算の詳細を分析していく。なぜ好調なのか?今後どんな戦略をとっていくのか。決算資料を読み込んでいくことで、それが手に取るように分かるようになる。

    詳細については、本書を参照して欲しいが、具体的に何をすればいいのか。紹介しておきたい。

    ・決算説明会資料を読む(目安は15分程度)
    ・重要だと思う数字を把握
    ・競合他社の決算資料も確認し、違いをあぶりだしていく
    ・各社の戦略を把握する

    著者も言っていることだが、私はこれを日々の仕事に具体的に活かしていくことが大切であり、一歩抜け出すコツになると思う。

    分かりやすく言えば、自分のクライアント(お客様だったり、上司だったり)のために
    決算資料を読んで情報を読み取るということになるだろう。

  • タイトルからしてこの本の主眼は、会計を知らなくても、財務諸表をこの様に分析することを推奨し、そうすれば会社の中身が良く理解できますよ、と啓蒙する書である。
    しかし、私はECビジネスを展開する日米の主要企業が、いかにして利益を出し、これからも出そうとしているのかを分析したレポートとして読んだ。
    ヤフー、楽天、LINE、アマゾン、アリババ、フェイスブック、ネットフリックス、DeNA・・・これら企業の収益の源泉はなかなか複雑で、元楽天の執行役員だった著者が決算を見るからこそ判ることが、随所に散りばめられている。
    アマゾンは物販と思っていたら、クラウド事業だし、ヤフーショッピングの利益は7~8%なのに、利益を吹き飛ばすポイント5~10倍キャンペーンを何故頻繁に行うのか、ネットフリックスが世界でどれほど会員を増やす努力をしているか、ネットビジネスは今までTVと同じく広告業だったが、これからはFinTechで金貸しこそ収益が大きく見込める事業で、ショッピングの信用情報を掻き集められるアリババ・ヤフー・楽天がこれからどれだけFinTechで利益を出していけるのか・・・等々、非常に面白く大変参考になった。
    ※昨日日経にアリババが展開する3・1・0事業ローンの記事が出ていた。スマホから3分で申込をして、AIが1秒で与信をして、人手を介することは0だという。そして即時にアリペイ口座に入金されるそうだ。これからは農業ローンに注力するらしい。中国では毎年1,000万人が貧困から脱出しているとの事だし、東南アジア各国にも進出中。今後アジアでどれだけFinTechが拡大されるのか期待したい。

  • 売れているというので、読んでみました。

    「決算書の読み方」の手ほどきかと思ったら……
    ちょっと違いました(笑)。

    「決算書を通して見る、各業界のビジネスモデル」
    といったところでしょうか。

    とはいえ、それはそれで
    面白い切り口だな、と思いました。

    やはり、事業の結果は決算書が物語ると思います。
    どのような職種の方でも、自社および競合する会社の決算書は読める方が良いですので、ビジネスマンは一読することをお勧めします。

    一般的な「決算書の読み方」スキル本苦手だと感じた方でも、本書なら読めるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    株式投資目的で決算書を読むことが多い私の視点では、M&Aに関する「のれん代」の記述が秀逸だと思いました。

    また、米国の会計基準と日本の会計基準の違い、そして国際会計基準について。この辺りの説明はとても分かりやすかったです。個人投資家さんに読んで頂きたいです。

  • 経理・財務以外の担当者に教える決算の読み方の著でした。

     決算を分析するときには、競合他社と比べると良し悪しが明確になります。決算は難しいものと思い込まず、他人の家計簿を覗く程度の軽い気持ちを持つと読み易くなります。まずは「決算説明会資料」から読むことがお勧めです。

     四半期決算を熟読するよりも、1年分の決算を流し読みする方が、強調した数字や隠した数字を発見できて有用です。ビジネスモデルごとに異なる「方程式」があり、その数式を埋める数字について、四半期ごとにチェックすることで分析していきます。

     「ECビジネスの決算」では、アマゾンのように直販型では、仕入値を下げるために、大量仕入が有効になります。楽天のようにマーケットプレイス型では、取扱高が増える程、商品が増えて場の魅力が増すために、初期は手数料を無料から始め、取扱高が増えてから手数料を設定する手法が有効になります。Yahooショッピングは、中国のEC最大手アリババを参考にし、出店料も手数料も無料にすることで取扱高を増やす起死回生の一手を繰り出し急成長しております。この際の収入源は広告収入だけとなり、収入源の取扱高に占める割合(テイクレート)は3%と抑えられたものでした(アメリカのeBayは9%。楽天は7%)。

     「FinTechの決算」では...

  • 思っていたものとは違った。
    決算書の読み方というよりも、
    読む切り口をこう捉えると面白くない?という提案みたいな。

    当初の目的とは違ったが、決算書を読みたいなと思わせてくれた

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