Airbnb Story 大胆なアイデアを生み、困難を乗り越え、超人気サービスをつくる方法
- 日経BP (2017年5月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822255190
作品紹介・あらすじ
シリコンバレーの「エアビーアンドビー」に迫る初のノンフィクション!
あかの他人を自宅に泊めるためのプラットフォーム――。
こんな厚かましくて奇妙なアイデアを思いついた3人の共同創業者は、
美大出身のデザイナー2人とエンジニア。
カリスマでもなく、天才でもなかったが、ありったけの力を注いだ。
彼らはビジネス経験がほとんどないところから、
世界3万4000都市を超え、会社評価額9兆円の会社をつくりあげる。
投資家には断られ続け、宿泊者の暴行や器物損壊などで相次ぎ炎上。巨大ホテルや規制との闘いにも苦悩する。
それでも彼らはゴキブリみたいに死なずに生き延びて、成功を続けている。
新しい時代に世界を変えるビジネスをゼロから生んだ「エアビーアンドビー」のとんでもない物語。
<本書に登場するエアビーアンドビーを支えた言葉たち>
「雑音に惑わされるな」――ウォレン・バフェット(投資家)
「なんとなく好きになってくれる100万人より、熱烈に愛してくれる100人のファン」――ポール・グレアム(Yコンビネーター共同創業者)
「文化を壊すな」――ピーター・ティール(ベンチャー投資家)
「(うまくいかないなら)何度でもローンチしろ」――ブライアン・チェスキー(エアビーアンドビー共同創業者兼CEO)
「80%でいい」―ジョー・ゲビア(エアビーアンドビー共同創業者兼CPO)
「3人だから困難を乗り切れた」――ネイサン・ブレジャージク(エアビーアンドビー共同創業者兼CTO)
<エアビーアンドビーを襲った困難と乗り切る力>
・サービスを開始したが利用が止まって借金が残る:大統領選にちなんだデザインのシリアルをつくって借金を返す
・起業家養成スクール「Yコンビネーター」に応募するも低評価:シリアルをアピールして合格する
・ユーザーが100人から増えない:ユーザーの家を1軒ずつ訪ねて話を聞き、サービスの改善を重ねる
・エアビーで貸した部屋がゲストに荒らされて炎上:カリスマ投資家マーク・アンドリーセンのアドバイスで補償額を1ケタ増やして問題が収拾
感想・レビュー・書評
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AirBnBの創業物語を綴っている。急成長を遂げたAirBnBだからこそ、驚くような大変なこともあっただろうと、その物語を期待して読み進めた。
結果は、まずまず面白かった。会社の成長をそのまま文字にしてもそこそこの物語にもなるからだ。
しかし、あまりにもチェスキーに対して手放しで誉めすぎなのだ。
『NETFLIX コンテンツ帝国の野望』では、著者はリード・ヘイスティングスに対してどちらかというと批判的で、少なくともヘイスティングを無欠のヒーローとして描くことはなかった。
『フェイスブック 若き天才の野望』にしても、ザッカーバーグは悩み多き不完全な経営者として描かれる。今でも悩み多き経営者かもしれないが。
『イーロン・マスク 未来を創る男』で、マスクは相当にいかれたところのある男として描かれている。
『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』は、その内容について、今は離婚した奥さんから全然違うと反論されたこともあるほどだ。
『SHOE DOG』は、NIKE創業者の自伝だが、自らを無謬どころかいくつも失敗をして何とか運よく今にたどり着いたという感じで描く。
『NEVER LOST AGAIN』はGoogle Mapの元になったキーストーン社の創業メンバーが書いたが、そのときの苦悩をそのままに書き出そうとしているのが読める書きぶりだ。
描かれる主人公は、いずれも他者か自らかによらず、批判的な目にさらされている。
だからこそ、彼らの物語は面白くなっているのだ。
AirBnB - いい素材ではあるが、上記のリストに入るスタートアップの物語としてはどこか不足感が否めない。もちろん個人の感想ではあるのだが、著者が心酔しすぎて批判的な視点を持てていないので、面白く料理できていないという印象を持った。
成功譚としては相応に面白いのだが、この本とは別のAirBnBの伝記定番がいつか出てくる余地を残したなと思う。まだ成長途上の会社でもあるのだから、それはもう少し後でもよいだろう。それまでは、ネットの記事で我慢しよう。
その前に自分で使ってみないと。自分が学生時代なら使い倒していたと思う。実際、ヨーロッパ旅行のときに何度かシェアハウスを利用したが、よい思い出だ。
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『NETFLIX コンテンツ帝国の野望 :GAFAを超える最強IT企業』
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4105071211
『フェイスブック 若き天才の野望』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4822248372
『イーロン・マスク 未来を創る男』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4062196336
『NEVER LOST AGAIN グーグルマップ誕生 (世界を変えた地図)』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/481327160X
『SHOE DOG』のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4492046178詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スタートアップの創業から拡大までの詳しいプロセスを深く追ったことはなかったから、ケーススタディ的なことをして視野を広げたかったんだけど、それならやっぱAirbnbでしょってなった。
シンプルだけどちょっと風変わりなアイデアを、テクノロジーを利用してうまく拡大させた、まさに理想的なスタートアップだと思う。
そして、創業初期の話がやっぱ面白かった。シリコンバレーでも語り草らしいけど、もうこれは何十年先も語り継がれるのであろう。他にも似たサービスがあった中で、Airbnbだけが今の形にたどり着いたのには本当に様々な要因が絡んでいるんだなと思った。
でもやっぱり何回か打ち砕かれてもローンチし続けるメンタリティが一番かな。
あと、初期コンセプトから少しずつアイデアが変わっているのが印象的。顧客との向き合い、あとはメンターとの出会いが大きかったのかも。
サービスとしてもめちゃくちゃ好きだからこれからも応援したい。
スタートアップに関しても具体的なイメージが湧いた、読んでよかった。 -
危機の時に(アドバイザーたちの)コンセンサスで決めると、中途半端な決定になる。
(CEOが)右か左に決めるべきなんだ。
自分たちの価値観に沿って経営すべきなんだ。
(起業は)崖から飛び降りて、落ちながら飛行機を組み立てるようなもの。 -
Airbnbの創業当時から今までを書いた本。起業をしたいと考えている人はぜひ読んで欲しい本だった。起業したいと考えると何で起業するかという、手段と目的が逆転したような思考に陥りがちだが、この本ではコアバリュー、ビジョンを持つことの重要性が強調されていたように感じた。軸がブレないと、トラブルにも押し潰されず飛躍的に拡大できると学んだ。成長する企業にはブランド力、求心力が必要不可欠であると言うことがよく分かった。
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美大出身の2人とエンジニアの1人が、なぜ9年間で3兆円もの企業を作り上げることができたのか。起業してから今に到るまでのストーリーが語られている。
Airbnbがここまで大きくなったのは偶然なのか必然なのか。プロ経営者でもない3人がいかにしてここまでのサービスを作り上げることができたのか。時代背景にも触れながら、創業者だけでなく周りの人々へのインタビューも交えて話が展開される。ただの起業話ではない。
経営者としての話、危機管理の話なども入っており、ビジネスをするものなら読んでおいて損はない一冊である。
この本の中にはいくつかキーワードが出てくる。「金太郎飴」というワードもその一つだ。様々なことを1冊で学ぶことができる。 -
美大生二人とエンジニア一人だと最初エンジニア大変だったんじゃないかなーと
air bedとbreakfast. -
ホテル業界や、旅行業界を根本的に変えそうなビジネスモデルだと思い、遅らせながら読んでみました。
中々面白かったです。まず、ビジネスモデルが人が行き来する旅行のためグローバルが対象な上、旅行先のホストが提供するローカルながら1番旅行先で楽しめるプランが人との交流を深くするというビジネスは、単なる旅行業界が提供する付加価値とは異なると思いました。
そりゃ、短期間で成長するはずだ…。この人間の根本的な感情や心情に訴えるビジネスモデルは最強な気がします。Airbnbが益々発展すると、恐らく旅行業界とホテル業界は今以上に衰退するとおもいました。 -
不勉強でしたが、エアビーアンドビーAirbnbという会社をこの本で初めて知りました。
アイディア、コンセプトをどのように実現していくかの過程が詳細に書かれていて、苦労や大変さがよく伝わりました。それでも、読んだ後は彼らのように私もアイディアを実現したいという思いで満たされたのは、実現する事の素晴らしさの方が優っているのが分かったからです。まだまだこれからも進化が続くようです。
Airbnbを利用した旅行したいですね✈️✨ -
一言で言えば今まで読んだノンフィクションストーリー本で一番おもしろかった。自分がAirbnbに投資しているからという理由もあるからだろうが笑
ビジネスモデルの素晴らしさとは裏腹に経営者達の苦悩も知れて良かった。
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私にとって、人生のバイブルの1つです。
栄枯衰退の中でいかにサバイブする起業家でいられるかを教えてくれます。