- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822251840
作品紹介・あらすじ
『ダ・ヴィンチ・コード』、『ミレニアム』シリーズ、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』――。ベストセラーが売れるのは偶然か? それとも黄金の法則が存在するのか? テキスト・マイニングの最新技術を駆使して「秘密のDNA」を探り出した、文学界騒然の注目作。
「人間の創造性の秘密の一端を、データとアルゴリズムを武器に説き明かした。」(統計家・西内啓)
……andやdoという単語が、ベストセラーではそうでない本にくらべて2倍の頻度で登場する。一方、veryやpassionの使用頻度は半分程度だ……『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を分類してわかったことは、BDSM(性的虐待に対する嗜好)は確かに刺激的かもしれないが、それ以外の要素は決して奇異なものではない。鞭や目隠しはカムフラージュであり、コンマや動詞の使い方にいたるまで、ベストセラーの何たるかを深いところで理解している作家が物語を紡いで大成功を収めたケースにほかならない……。(本書より)
感想・レビュー・書評
-
最新の自然言語処理技術と機械学習を用いて、「ニューヨーク・ベストセラーズ」にランキングされるために必要な小説の要素を分析した一冊。使われている技術は(基礎研究としては)特にこれといって新奇性のあるものではないし、分析の結果判った「ベストセラーになる要素」も特にこれと言って奇妙なものはない。しかし、基礎研究成果の丹念かつ有意義な応用という意味では非常に興味深い。著者たちはコンピューターが小説を書くことに関してはまだまだ懐疑的だが、良い小説を判定できるのであれば、良い小説を書くところまではもうあと 1ステップだという気がする。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
AIを使ってベストセラーとそうでない本を自動的に文章から分類するアルゴリズムを作ったという話。どんな特徴を持つ本をAIはベストセラーと判断したかという結果よりも、AIを用いて文章から本の良し悪しを見分けるという発想が面白いと思った。
-
クリストファー・ブッカー 7つのプロット
トピック構成
プロット
文体
キャラクター -
ベストセラーコード、得れる文章、を見極める驚異のアルゴリズム
-
ベストセラーとなる小説にアルゴリズムは存在するのかをITを使って突き詰めた本。それらしい法則が提示されるが、自分は腹に落ちたわけではない。むしろ、日本語で書かれた小説の場合はどうなのか気になった。言語に関係ない法則(三幕構成にすること、規則的な力強い鼓動があることなど)もあるのだが、それを導いた経緯が説明されないので、なんとなく研究者自身が欲しい結果ありきで結論を出しているかのように誤解してしまう(そのようなことはないのだろうけど)。根拠が乏しいので、納得できないのが残念なところ。とはいえ、その分野の研究は面白そうだ。日本の小説をターゲットにした本を読みたい。
-
「ガール小説はこれからも買いだ」
英語で書かれたベストセラーをAIで分析し、何か共通の要素がないかを探した研究。なんと、『フィフティシェイズオブグレイ』にも『ドラゴンタトゥーの女』にも『ハリーポッター』にも通じる共通要素があるというのが斬新。
中でも、第5章にあるノワールな”ガール”についての分析が興味深い。ヒロインは自らの行為主体性を自覚し、何かを必要needし、何かを欲しがってwant自信をもって実行する。実際、needやwantという単語がベストセラーにはそうでない本と比べると多く含まれるのだと分析している。確かに受け身なヒロインより、自分でどこかに旅立って問題に直面する話の方が面白いものね… -
使われている単語によるセンチメント分析(感情の上下)を行っている。その分析結果に基づき、物語の流れと、センチメント(感情)の起伏の上下をグラフ化(プロットライン)しており、グラフを見ると、著者らの主張がわかりやすい。
-
アメリカ限定のテキスト解析?の話なんで読んでない本がいっぱい出てくるのが痛恨なんだけど、もう一個一個の解析結果が面白すぎて。流石にデータの話なんで一気読みとはいかないんだけど、その分じわじわ味わいながら読んだ。確かに日本版もぜひやって欲しい。