バッテリーウォーズ 次世代電池開発競争の最前線

  • 日経BP
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822251222

作品紹介・あらすじ

スマートフォン、電気自動車、ドローン――先端ハードウェアのキーデバイス「リチウムイオン電池」をめぐり激化する開発競争をリアルに活写する、全世界注目のノンフィクション!

感想・レビュー・書評

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  • シカゴ近郊のアルゴンヌ国立研究所のバッテリー・ガイたち。電池のスタートアップ企業園ビアの歩み。モバイル機器、電気自動車とともに重要度が増す電池開発競争。

    進んでいる日本の遅れている米国とか、外国人研究者家族が日本で暮らす困難とか、さりげに出てくる日本の描写が、新鮮でした。

  • ようやく読了。物語の店舗は速く、登場人物もたくさん出てくるので、関係性の把握が難しい。しかし、確かなことはリチウムイオンバッテリーをスマホやPC、ドローンなど身近な電子機器に浸透している。しかし、ひしひしと感じたのは、安全に、安定した高出力の電池はまだまだ開発途上であるということ。一般的には日の目を見ないバッテリーだが、科学者たちの飽くなき研究の積み重ねでここまでの電池ができている、ただただ「すげーなー」の一言だ。iPhoneのバッテリー消耗はやーよなんて言っている自分を恥ずかしく思う。

  • 超絶読みにくい。電池産業と電気自動車に興味があればお読みください。
    しかし米国の電池産業では、日本は技術泥棒で韓国はパートナー扱いなのね。

  • 160402 中央図書館
    どうも、何が面白いのかよくわからない。優秀な電池というのは素晴らしいものだが、電気自動車を爆発的に普及させるだけのブレークスルーは、まだ得られていないのは確かだ。

  • アメリカにおけるバッテリー開発の競争がかなり激しいということは、何となく分かったが、本に出てくる人達は、結局のところ開発が上手くいかなかったようだ。何とも後味の冴えない話しだ!

  • 読みづらいのは翻訳のせいか?

  • 日本経済新聞社


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    この一冊バッテリーウォーズ スティーヴ・レヴィン著 米蓄電池ビジネスの過剰な熱気
    2016/1/17付日本経済新聞 朝刊

     2008年のリーマン・ショックで世界経済がメルトダウンしたとき、人類は次世代電池に夢をみた。電池の進歩で、20年に電気自動車とハイブリッド車の市場規模は780億ドル(約10兆円)になると予言された。太陽光発電をそこに貯蔵できれば、売り上げはさらに数百億ドル増える。石油が不要になり、都市の大気汚染が消え、世界が地政学的に揺らぐとも伝えられた。その後、どうなったかに答えるのが本書である。







     蓄電池の原理は至って単純。放電のときに正電荷を持つリチウム原子が、負極から正極へと移動する。だから、リチウム原子を反対に正極から負極へ移動させれば蓄電ができる。基本的に電池の性能は、電極に使う素材、リチウム原子が通る電解質の種類の組み合わせで決まる。開発競争では、容量を増やし、安全性・安定性を高め、量産コストを下げることを目指した。 米アルゴンヌ国立研究所は、ニッケル・マンガン・コバルトを組み合わせた複合素材を突破口に、次世代電池に挑む。その技術に着目した新興企業エンビアは、同研究所とライセンス契約を結び、商業化に動き出した。エンビアは、電池の経済性を1年半で半分以下のコストにする野心的な目標を掲げる。多数のベンチャーがエンビアを買収して将来、高値でさやを抜こうと活動した。オバマ政権が15年までに米国内で100万台の電気自動車を走らせると宣言したことも、熱気を後押しした。


     ところが、技術進歩は早々に壁に突き当たる。充電を繰り返すと、電圧が下がる放電電圧の劣化が起こったのだ。課題は時間が経過しても十分に解決されなかった。この種の停滞は例外ではない。電気自動車には原油下落で燃費の節約分だけでは高価な車体価格を回収できないというハードルも立ちはだかった。多くのベンチャー投資が、研究開発の次の段階に移行できずに資金不足に陥って頓挫する。


     物語はアルゴンヌ研究所が曲折を経て、米エネルギー省のコンペで勝利し、共同開発のパートナーになって一歩を踏み出すところで終わる。まだ次世代電池は発展途上だとしても、開発への期待は過剰だった。リーマン・ショック直後の電池開発の熱狂には、従業員、サプライヤー、株主、政府、市民に対し、前向きなモチベーションを持たせる建前があったという。翻って、わが国でも経済停滞を抜け出す便法のようにイノベーションが多用されているからこそ、私たちは反面教師としてこの事例に学ぶ意義がある。




    原題=THE POWERHOUSE


    (田沢恭子訳、日経BP社・2000円)


    ▼著者は米国のビジネスニュースサイト「QUARTZ」のワシントン特派員。新アメリカ財団フェロー。ジョージタウン大准教授。




    《評》第一生命経済研究所首席エコノミスト 熊野 英生


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  • つまらなかった。

  • アメリカのLiB開発の話。細かいところは分からないところも多く、カタカナを覚えられないこともあり、スムーズには読めなかったが、自国・他国へのステレオタイプの差など面白かった。日本を愛する普通の日本人としては、日本は知財を守る側侵害される側という認識だが、まったくそんなこともなく。一方のアメリカのアメリカ観も日本からのものとまったく異なる。
    本題についてはこれからにもよるけど、特に日本で報じられてないように感じたのはどうなんだ…

  • 次世代エネルギーを巡る熱い戦い。
    化石燃料からの脱却を視野にいれ、電気自動車のシェア争いなども絡む。

    アメリカの視点で見ると日本は研究の商業化が上手いらしい。
    国立研究所は基礎研究ばかり重んじている。
    新しい発見ばかりありがたがって、過去の改良は軽蔑して見る。
    研究者は概して起業精神がなく、失敗を恐れる。
    日本の報道などのイメージとは異なる。
    自国に対しては誰もが厳しいのだろうか。

    結局本書では電池の未来は未知数として終わるが、かなりエキサイティングだった。
    ベンチャーはなかなかハートの強さが求められるようだ。

    かなり楽しめた。
    電池のニュースに注目したい。

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著者プロフィール

スティーヴ・レヴィン2012年に創設された話題のビジネスニュースサイト「QUARTZ(クォーツ)」のワシントン特派員として、エネルギー、テクノロジー、地政学に関するトピックスを中心に執筆活動を続けている。グーグルのE・シュミットCEOが会長を務める無党派シンクタンク新アメリカ財団(NAF)のフェロー。ジョージタウン大学では准教授として安全保障学を教えている。著書に『ザ・プーチン 戦慄の闇』(CCCメディアハウス)、『The Oil and the Glory』(Random House)など。

「2015年 『バッテリーウォーズ 次世代電池開発競争の最前線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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