ジェフ・ベゾス 果てなき野望

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  • Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249816

作品紹介・あらすじ

インターネットに大きく賭け、買い物や読書の習慣を大きく変えてしまったアマゾン創業者、ジェフ・ベゾス。本書は、その奇才の生い立ちから現在までをベテランジャーナリストが追った物語である。フィナンシャル・タイムズ紙、ゴールドマン・サックス共催ビジネスブック・オブ・ザ・イヤー2013受賞!

感想・レビュー・書評

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  • オンラインショッピングにおいて、今でこそ当たり前のシステムを構築したAmazonの凄さを知れた一冊。
    英語からの翻訳のためか、文章が若干読みにくいので、訳者あとがきから読む方が頭に入りやすい。

    ◆Amazonシステムの例
    ①「すぐ購入する」ボタン
    1クリックで購入できるシステム
    ②配送無料 
    配送日数に長くし、トラックの余裕が
    ある時に届けることで無料化に成功。
    ③物流ネットワークのソフトウェアを
    構築し、注文から発送までにかかる
     総コストを下げた。
     出荷時間は従来3日かかるところを、
     4時間に短縮。

    ◆ビジネスにおいて参考にできそうなこと
    パワポ使わない。6ページの意見書で要点をまとめる。クリティカルシンキングを育むのに散文形式が良いとベゾス氏。

    ◆ポイント制による実績評価。
    遅刻-0.5、無断欠勤-3、病欠-1、6ポイント貯まるとクビ。

    ◆ジェフベゾフの愛読書
    ・カズオ・イシグロ 日の名残り
    ・私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ
    ・会長からのメモ 機知とユーモアの経営
    ・人月の神話
    ・ビジョナリー・カンパニー
    時代を超える生存の原則
    ・ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則
    ・Creation Life and How to Make It
    ・イノベーションのジレンマ
    技術革新が巨大企業を滅ぼす時
    ・ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か
     リーン・シンキング改訂
    ・ブラック・スワン 不確実性とリスクの本質
     →ブラックスワンについて
    講釈の誤り。耳障りの良い簡略化しすぎた話にしてしまう人間の性質。関係のない事実や出来事の間に因果関係を見出してしまう。

  • アマゾンの創業者の考え方や生き様はとても参考になる。強烈すぎる性格、意思の強さ、常識に囚われない戦略。ただの物流会社、倉庫業だと思っていたが全然違う。日本ではこういう経営者はまずいないだろうし、これからも現れない。自分の今後を考え悩まされる。自分の小ささを痛感した。
    長期的目線やぶれない姿勢は持ちたいと思った。

  • 革命的とも言えるkindle(電子書籍リーダー)の生い立ちが知りたくて読み始めた。
    Amazonはベゾス氏の独特のビジネス戦略がある。最低限の価格で他社が容易に参入出来ないようにする事である。その為にAmazonを取り巻く会社はどこも青色吐息である。それは日本でヤマトを始めとする運送業界が混乱した状況を見てもわかる。しかしそれはAmazonのダイナミックなスケール感、つまり売上があるからこそ出来る芸当なのだ。
    本国アメリカではkindle発売に伴って電子書籍は最大9ドル99セントでしか売れないようにしたが、アメリカでの大混乱を横目に見ていた日本では全くそんな事は無いようだ。
    本書ではkindleに関する情報はかなり少なく1章程度でしか取り扱っていない。kindleについて知りたくて本書を読むことをオススメしない。

  • Amazon創業者ジェフ・ベゾスの自伝的物語である。この手の企業事例本は色々あるが、この本はAmazonという会社の話よりもジェフ個人の話に割かれた部分の多さが目立つ。それだけジェフの個性は際立っているし、彼の信念や考え方がAmazonを創っていったのだろう。

  • ブクログで誰かの本棚を見てるときにコレがあって、読みたくなり即、図書館に予約。
    翌日には届いて、今読んだ。
    文章がちょっと読みにくいかな。あんまり面白くない文章。

    アマゾンは利益率が低いところが強みだそうだ。
    ベゾスはそれを「ジョブズの失敗を繰り返さない」と表現してる。
    i-phoneは利益率が高い優良な商品だけど、そのために、みんなが安いアンドロイドへ流れてゆくから。

    セルゲイ・ブリンもラリー・ペイジもザッカーバーグもラリー・エリソンもマイケル・デルもスティーヴ・バルマーも、みんなユダヤ系だけど、ベゾスってどうなんだろう?

    この本って、人種的なこと書いてた?

    実の父がサーカス団員だったとは書いてるけど。
    実家はプロテスタントでバプテスト派???
    ・・・・ユダヤ人じゃないってこと?

    まあ人種についてウンヌンするのは、上品ではないかもしれないが・・・・気になる。
    IT業界で成功した頭の良い人を見ると、つい「ユダヤ系なのかな?」って思っちゃう。

  • ベゾスもやはりパラノイアだった。
    時代を代表する個性的な企業を率いた経営者には、MSのゲイツ、インテルのグローブやアップルのジョブスといったように偏執的な人が多いが、やはりこの人も同じだった。
    今まであまり外に聞こえてこなかったAmazon CEOのジェフ・ベゾスの人となり、著名記者ブラッド・ストーンが徹底取材して書いており、とても興味深い伝記に仕上がっている。
    内容は本書の解説を書いている滑川氏の連載記事(文末にURL)にあるので省くが、驚いたのはその偏執ぶりが今までの経営者よりも徹底しておりかつ広範囲に及ぶこと。
    USAらしからぬ長期的展望に基づき赤字も辞さずに方針を貫き、かつマーケットまでそれに従わせてしまうこだわり方。
    競争相手やパートナーに対してさえも、自社に有利となれば徹底的に利用する飽くなき姿勢。
    アマゾン・マーケット・プレイスに出店したパートナーの売れ行きが良いと自社自身が同じ商品を売り出したり、ザッポスやダイアパーズに仕掛けたように相手を追い詰めて軍門に下して飲み込むさまなどは、読んでいてぞっとしてしまうほどのやり口だ。
    Kindleで電子書籍に乗り出すときも、ほとんどの大手出版社を的に回しながらも強引に包囲網を崩していく巧みさには本当に舌を巻く。
    最近の大河ドラマに例えてみれば、さながら半兵衛や官兵衛のような戦略眼を持ちながら、信長の非情さを持ってして実行に移す経営者と言ったところだろうか。
    その上、社内には徹底的な倹約を説き、PowerPointは使わせず、ある意味恐怖政治的な経営のもとで多くの社員が耐えられずに辞めていく様は、信長以上の非情さにも感じてしまう。

    当初は小売だけにFocusしていたようなアマゾンが、エコシステムのプラットフォームへと進化していくきっかけが、あのティム・オライリーから薦められたAPI整備というのも興味深かった。
    ここからさらに進化したのが、いまやクラウド界を席巻するAmazon Web Services(AWS)である。
    元々AWSは、アマゾンの小売プラットフォームが能力を余分に持っているので、その分をレンタル用のリソースとして始めたものだというのが、技術者の間でもよく言われていた話だと思う。
    しかし本書によると、自社のプラットフォームの柔軟性を実現するために、コンピュータリソースを徹底的にプリミティブな要素・コンポーネントに分解して、それを管理するソフトウエアを作り上げていくことでAWS事業の可能性が提示されたことがきっかけであり、これに対してベゾスは「この事業も必要だからだ」という回答でGOを出したらしい。
    我々外部の者が考えていたよりも、随分と積極的に踏み出した事業だったということだと感じる。
    元々ソフトウエアのエンジニアとしても極めて優秀だったベゾスとしては、その長期的な展望を見抜く素質・性格のもとにAWSの事業性を確信したのだろう。
    技術領域で生きてきた者としては、このあたりの記載には大いに興味をそそられたものである。

    フィナンシャル・タイムズ紙とゴールドマン・サックスが共催する「ビジネスブック・オブ・ザ・イヤー2013」を受賞したということからも、本書は米国でも大きく注目されたらしい。
    今やハイテク業界に無くてはならないエコシステムを創り出したアマゾンの成り立ちとCEOの人となりは、業界で生きる者にとって興味を引きつけてやまない内容である。
    それをいまだ絶頂期であるこの時期に書物にしたことは、我々読者にとってもたまらない贈り物である。

    http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140117/258370/?P=1

  • いつの間にか生活の一部と化したAmazon。何かを買う時は、Amazonでチェックをするということが日常となった。しかし、Amazonという会社、ジェフ・ベゾスという人物については、全くと言っていいほど知識・情報を持っていなかった。対照的に、Apple、スティーブ・ジョブズは多くのメディアで取り上げられていたため、Amazonよりも情報を持っていた。
    本書を読むことで、謎であったAmazon、そしてジェフ・ベゾスについて知ることができる。今後、さらにAmazonが自分の生活に深く関わってくることになるのだろうと思わせる内容である。

  • 1ページの内容が濃く、ページ数も多いため
    読むのに時間が掛かってしまった
    そして人の名前が出てきても誰が誰なのか全然わからん

    かなり昔から電子書籍やAWSなど考えていて
    本当の天才なんだなと感じた

    利益率が低ければ競合が減る

  • これだけの企業をつくった人物の物語であり、やはり通常では考えられない思考と行動力の持ち主であった。買い物という人々が何気なく行なっている日常を根底から覆してしまうようなイノベーションを起こすには、誰も考えつかない大胆な発想と信念がなければできない。
    以下、備忘しておきたい一文。
    「必要な人材はこれから雇えばいい。難しい道なのはわかっている。どうすればいいのかはこれから学ぶんだ」

  • 1782

    だが、本当のエブリシング・ストアを立ち上げるのは無理だ―少なくとも最初からは。そう考えたベゾスは、コンピューターソフトウェア、事務用品、アパレル、音楽など候補となる製品を20種類リストアップした。結論は「書籍が一番いい」だった。理由はいくつもあった。まず、 書籍というのは差別化と縁のない商品で、どのお店でもまったく同じ本が買える。だから、商品 の質を心配せずに買い物ができる。書籍の世界にはイングラムとベイカー&テイラーという2社の取次があるため、たくさんの出版社にひとつずつ当たる必要がない。また、重要なポイントと して、書籍は300万点以上も存在しており、書籍のスーパーストア、バーンズ&ノーブルやボーダーズでさえもすべての在庫を持つことは不可能である。

    アマゾンは金融工学の会社から生まれた

    社名は、暫定的にカダブラを使い続けていた。1994年月末、辞書の「A」で始まる部分をじっくり検討したベゾスは「アマゾン(Amazon)」をみつけ、これだとひざを打つ。世界最大の川、すなわち、世界最大の書店だ。そして、朝一、ガレージで新しい社名を発表。ほかの人の意見など聞きたくもないという感じで、1994年11月1日には新しいURLを取得する。 ベゾスはアマゾンという名前がとても気に入っていた。「この川は単に世界最大というだけでなく、けた外れに大きいのです。ほかの川などまるで問題になりません」

    高校時代の友だちは、皆、ベゾスはとんでもなく勝ち気だったと言う。ベゾスは校内の最優秀生徒賞を科学で3回、数学で2回受賞したほか、フロリダ州の科学研究コンテストでも「イエバエに対する無重力の影響」という論文で入賞した。幼なじみのワインスタインによると、680 人の学年でトップとなって卒業生総代になるのだと宣言し、順位を上げるのに有利な優等課程をたくさん取ったりもしたらしい。 みんなの興味は、誰が2番になるかに移りました。

    デジタル音楽でアマゾンが後れを取ったのは、ベゾスが音楽に興味がないからだと言う友人や同僚が多い。高校時代のベゾスは、マイアミのラジオ局のコールサインを覚えて音楽に詳しいふりをした。同時多発テロ後、ミネアポリスのターゲット本社から戻る気うつな旅をしたとき、 ベゾスは、どれでも同じだという感じでコンビニの特売棚からCDをひとつかみ買って車に乗ったらしい。これに対してスティーブ・ジョブズは、音楽を呼吸するように生きてきた人物だ。ボブ・ディランとビートルズが大好きだし、歌手のジョーン・バエズと付きあっていた時期もある。アップルの戦略はジョブズの個人的興味が根底にある。アマゾンも同じで、ベゾスの興味関心が戦略に 大きな影響を与えているはずだ。ベゾスは単なる本好きというレベルではない。すべてを丹念に吸収するのだ。

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著者プロフィール

ブルームバーグニュースのシニアエグゼクティブエディター。ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』(日経BP社)の著者。15年以上にわたり、シリコンバレーについて報道してきた。カリフォルニア州サンフランシスコ在住。著者のウェブページは、http://www.brad-stone.com/

「2018年 『UPSTARTS』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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