無葬社会 彷徨う遺体 変わる仏教

著者 :
  • 日経BP
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822238568

作品紹介・あらすじ

「多死時代」に突入した日本。今後20年以上に渡って150万人規模の死者数が続く。
遺体や遺骨の「処理」を巡って、いま、“死の現場”では悩ましい問題が起きている。
首都圏の火葬場は混み合い「火葬10日待ち」状態。
遺体ホテルと呼ばれる霊安室ビジネスが出現し、住民運動が持ち上がっている。
都会の集合住宅では孤独死体が続々と見つかり、スーパーのトイレに遺骨が捨てられる---。
原因は、地方都市の「イエ」や「ムラ」の解体にある。その結果、地方で次々と消える寺院や墓。
地方寺院を食う形で、都市部の寺院が肥大化していく。
都心では数千の遺骨を納める巨大納骨堂の建設ラッシュを迎えている。だが、そこに隠される落とし穴----。
日本を覆い尽くさんばかりの「無葬社会」の現実。
現代日本における死のかたちを通して、供養の意義、宗教の本質に迫る。
ベストセラー『寺院消滅----失われる「地方」と「宗教」』の著者、渾身の第2弾。

【目次】

(第1章) 彷徨う遺体と遺骨
 火葬10日待ちの現実
 遺体ホテルが繁盛する時代
 増える献体、捨てられる遺骨
 超高齢社会が招く孤独死の悲劇
 孤独死現場を「リセット」する人たち

(第2章) 変わりゆく葬送
 葬儀のない葬儀場
 都心のビルに一万基の遺骨
 日本海に浮かぶ散骨島
 理想の墓が新潟にあった
 無数の遺骨を集めて仏像に
 お坊さん便、食えない僧侶を走らす
 仏具屋が見る「寺院消滅」

(第3章) 縁を紡ぐ人々
 孤独死を防ぐ縁のかたち
 路上生活者を供養する僧侶
 難民キャンプに図書館を
 地域再生と寺院
 都市と地方の寺院をつなぐ

(第4章) 仏教存在の意義 ~原始仏教研究者・佐々木閑氏に聞く~
 日本仏教の特殊な成り立ち
 今を生きる人のための仏教
 社会の受け皿としての仏教
 「律」の精神で現代日本を見直すと
 本質ではなく、かたちが変わってゆく
 (資料) 現代社会における葬送データ

感想・レビュー・書評

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  •  お墓についての話から、後半は仏教の話へ及ぶ。
    3/19読了

    この前に読了した墓じまいと始めはそっくりだった

  • 無葬社会 彷徨う遺体 変わる仏教。鵜飼秀徳先生の著書。葬儀の仕方や亡くなった人の弔い方は時代の流れとともに変化していって当然。亡くなった人だって生きている人たちの負担になることは望んでいないはず。無葬社会でも彷徨う遺体が出てきても、生きている人たちが幸せならそれでいいのかも。

  • (前著)寺院消滅
    ふむ

  • レビュー省略

  • 火葬場が不足し、おいつかないインフラ。
    また人間の火葬に加え、ペット葬も増えている。

    待機児童が話題だが、遺体も待機している状態。
    日本は、超高齢社会といわれているが、筆者は多死社会と言い換えている。

  • 前作『寺院消滅』の続編。前回は、いわゆる地方都市などの過疎による寺院と人々のあり方を論じていたが、今作は、都市部においての、葬式の現状や、仏教のあり方、また、現代的価値観と葬式についてのルポになっている、

    今後の筆者の取材にも期待。

  • 葬儀、墓、死の現状が事例とともに紹介されている。三男で、田舎から都会に出て住んでいるので、墓の問題は少し気になっており、興味深く読ませてもらった。
    お骨の処分に困ってわざと置き忘れる位なら、最初から引き取らなければいいのではないかと思うが、そうはいかないのかな?世間体だけの問題か?

  • Amazonでお坊さんを手配してもらうシステムや遺骨を宅急便で送って供養してもらう送骨など変わりゆく葬送に、あまり驚くこともなくむしろ少子化に伴い受け継ぐ子も居ない独居老人も増えている現代では変わってゆくのが当然とも思えてくる。
    火葬のみの直葬も増えているということ。
    自分自身も死後のことには興味もなく子ども達に面倒をかけずに簡単に済ませてもらっても全然かまわないと思う。

  • 多死時代の到来と葬送の変化。孤独死が増え、派手な葬式は少なくなり、地方の寺院は存続困難、都会の永代供養墓が人気。互助会や仏教界に多少の動きあり。

    世の中に起きている変化を再確認。昔には戻れないのだから、今後どうなっていくか、まだわからない状況。

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著者プロフィール

正覚寺副住職、元「日経おとなのOFF」副編集長

「2019年 『ビジネスに活かす教養としての仏教』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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