- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822235819
作品紹介・あらすじ
★テレビ東京系『カンブリア宮殿』出演で話題の著者による待望の新刊! ★
里山を守り、おもてなしを尽くす。
大バッシングを受けた産廃会社が、地域に愛され、
世界が注目するリサイクル会社に生まれ変わった――
崖っぷちからの“逆転"企業再生を果たした 石坂産業二代目社長・石坂典子氏が語る
業界の常識を覆し、名経営者をもうならせた「感性の経営論」。
名経営者による「見学記」も掲載!
「肩肘張らずに自然体。それでもなぜ胆が据わっているのか」
――伊那食品工業株式会社 取締役会長 塚越 寛氏
「後継者にしたい娘ナンバーワン、優しそうに見えて実は・・・」
――星野リゾート代表 星野 佳路氏
【主な内容】
プロローグ ジャンヌ・ダルクがやんちゃだったころ
【CSV編】グローバルに考え、ローカルに行動する
【リーダーシップ編】しつこいトップダウンに始まり、おおらかなボトムアップに至る
【競争戦略編】値決めは経営。安売りは断固、拒否します!
【人材教育編】「自分で考える」のは面倒くさい? 仕事の醍醐味を伝える
【キャリアアップ編】「社長=父」、この繊細にして偉大な上司の生かし方
【ワークライフバランス編】バツイチのワーキングマザーが、心の安らぎを取り戻すまで
【コミュニケーション編】社長業は、社員とのあいさつ一つから真剣勝負
エピローグ ―― 笑われてもなお、夢を描き続ける
【経営者による石坂産業見学記】
伊那食品工業株式会社 取締役会長 塚越 寛氏
星野リゾート代表 星野佳路氏
感想・レビュー・書評
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ものすごく共感できた。素晴らしい経営者が素晴らしい会社をつくる。そのロジックあるのみ。
石坂さんは産業廃棄物処理会社「石坂産業」の2代目社長です。
産業廃棄物処理というと、いわゆる3K(汚い、きつい、危険)の典型的な業種で、男性中心の業種というイメージありました。石坂さんは名前のとおり女性です。創業者の父親から社長の座を受け継いだといっても、男性中心の会社であったことから、多くの反発を生み、多くの社員が退社しました。
さらに環境問題の高まりから周辺住民とのトラブルもあり、難しい経営の舵取りが求められました。
そうした中、石坂さんはまさにタイトルにあるように「五感」を研ぎ澄ませ、真剣に仕事に取り組み、多くのアイデアを考え実行し、見事に成長させ、今では多くの見学者を迎え入れるほどの優良企業へと成長させました。
本書は、石坂さん自身がどのように取り組んできたのか、石坂さんの言葉で熱く書かれていて、とても引かれるものがありました。
なかでも関心したのは、以下の考え方です。
・価格競争をしない
ライバル会社に真似できない技術を生み出し、相手から選ばれる企業になる
・顧客にも礼儀を求める
もちろん適正なサービスあってのことですが、マナー違反には厳しく対処する
まぁ、そうは言っても相手のあることです。これらを実現するためには自分たちの企業価値を高め、尊敬されることが必要です。
そうなるまで愚直に取り組んだ石坂さんの熱意には感動を覚えました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『感想』
〇上に立つ者としての技量は、決して学歴で決まらない。人とは違う視点でものを見ることができ、恐れずチャレンジをできる人、それが著者だった。
〇ピンチをチャンスに、言葉にするのは簡単だが、実行する勇気、そして成功させる技量は誰にでもあるわけではない。
〇自分の思うようにならないからって、上司に対して文句を言っているだけでは何も変わらない。上司という立場になれるということは、優れた部分があるからだ。そのよいところを理解してこそ、必要な人材となれる。これ若いうちにはわからないんだ。自分がその立場になって本質を理解できる。
〇力があることはわかったが、やはり2代目社長となると妬みを感じる。社長の座は能力で選別されたわけではないし、チャレンジするためのお金もあるわけだ。働きだしたころの給料は少なかったと言ったってそれは普通だし、5年目で部長になっているんだからそりゃ優遇されているでしょ。
〇2代目だからこその苦労というものももちろんあるだろう。周囲の妬みの視線を浴びながら働かないといけないし、違う意味での自由はないだろうし。気を遣うことも多いだろうな。
〇従業員に対しやめてもらって結構という姿勢はよくない。従業員を守ることは社長の仕事であり、わかってくれない人をわかるようにさせるのも仕事のうち。
『フレーズ』
・いい組織とは、動かすのではなく、動くものです。(p.150)
・多くの人は、上司の考えを深く理解しないままに反発してしまいます。(略)部下や後継者という立場にあるならまず、上司や社長のいいところも悪いところもひっくるめて、完全に網羅して理解するよう努力するほうが建設的だと思うのです。網羅できたと感じたとき、上司や社長の本当の弱みが見えてきます。その弱みは、部下になったばかりのときの第一印象とは、違うかもしれません。そして、その弱みを補うようにサポートに回れば、組織の中での自分の存在感は、嫌でも大きくなっていきます。その先にきっと、上司や先代社長を超えられる日が来ます。(p.198) -
良かった!、実際にあった話だからこそのリアルと説得力。
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石坂産業2代目社長による著書第2弾(2016年)。
1冊目の『絶体絶命でも世界一愛される会社に変える!』から2年後の刊行だし、綴られるエピソードの多くが1冊目と重なっている。
ただ、語られる角度がやや異なるので、これはこれで面白い。 -
工場見学行ってみて。
目に鱗ってこんなについてたんだって思うから。 -
全編、経営に一から向き合ってきたノウハウと苦闘の乗り越え方がぎっしり詰まっています。個人的には196ページからのボスマネの具体的な考え方が大変参考になりました。会長・社長と仕事をするにあたって、どうにもそりが合わないケースもあるのですが、自身の方でどのような工夫や考え方の変容をするべきか、大きなヒントを得られた一冊です。
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上司に勧められて読みました。読みやすい文章ですが物事の本質をつくようなところもあり、考えさせられました。
本自体の話から逸れますが、廃棄物処理に文句を言う人はゴミを捨てる資格がないですね。そういった短絡的な思考に陥らないよう注意したいと思います。 -
逆境から復活させた人は強い。本質的な経営者。