昭和モダン建築巡礼 西日本編

著者 :
制作 : 日経アーキテクチュア 
  • 日経BP
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本棚登録 : 113
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822204884

作品紹介・あらすじ

行きたくてもなかなか行けない地方都市の名建築、イラストとウンチクをたっぷり添えてリポート。坂出人工土地、小原流家元会館ほか計29施設。1945〜75年に建てられたモダニズム建築を西から東へと巡礼。

感想・レビュー・書評

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  • 文章、イラスト、写真で構成されている本です。
    ページを開くと左側にイラストや写真が、右側に文章が配置されています。
    全体的に余白が多く、キッチキチした感じがなく目に優しいです。
    文章は建築物の様式とか構造とか専門的なことばかりでなく、建築家の人柄やその土地のこぼれ話などもあり、決して建築の玄人向けの内容になっていないのも良いです。
    地元(島根県)の美術館で菊竹清訓氏の展覧会が開催されることを知り事前に勉強しておこうと、図書館で借りてきて読みました。
    本書で菊竹氏の建築としては、「都城市民会館(宮崎県)」と「東光園(鳥取県)」が紹介されています。
    巻末には本書の執筆者である磯達雄氏と橋爪伸也氏(大阪市立大学都市研究プラザ教授※2006/10/30発行時)の対談が掲載されています。菊竹氏も関わっていたメタボリズム建築運動のことも話題にのぼり、これからの建築の見方や楽しみ方の参考になりました。

  • 行きたいところは色々あるけれど
    とりあえず
    予習して 想像を膨らます

    まずは西日本から

  • 戦後(岩国だけ戦中にややかかっている)からバブル前までに建てられたモダニズム建築をイラストと写真と文章で紹介するガイドブック、西日本編。
    比較的大きな建築を扱うため、官庁のハコモノや美術館などが多い中、桂のカトリック教会なども紹介されていて、ちょっと他では見ない建築ラインナップが楽しい。
    イラストと写真両方で解説されると、行ったことのない建築でも雰囲気や構造が理解しやすく、楽しめる。
    とはいってもマニアックな建物が多く、価値を感じる人は少数派なのかも。そのためレッドデータブック扱いの建物も多く、取り壊しの危険性を常にはらんでいるみたいだ。
    昔の建築家は自由だったんだなぁ、としみじみ思ってしまう。

  • 日本26聖人殉教記念施設、東光園、坂出人口土地、大原美術館分館、箕面観光ホテル

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00032987

  • 見てなかったり、見過ごしていたり
    京都タワーとか、大阪にいたときに
    一回行けばよかった

    目次
    都城市民会館―「キメラ」としての建築
    日南市文化センター―プレイバック南方幻想
    海星学園中央館―ナガサキから世界を眺めて
    日本26聖人殉教記念施設+大隈記念館―人間になった建築たち
    佐賀県立博物館―不可侵の十字架
    北九州市立中央図書館―隠された文字を読む
    岩国徴古館―戦時下のファンタジー
    東光園―空に浮かぶ客室
    津山文化センター―コンクリートの「第三の道」
    海のギャラリー―「対」へのこだわり
    坂出人工土地―「人工」の上昇と下降
    瀬戸内海歴史民俗資料館―階段は「海」である
    大原美術館分館―実現されたユートピア
    甲南女子大学―つけまつげをした“男装の麗人”
    小原流家元会館・豊雲記念館―美しきダジャレの魅力
    大阪府総合青少年野外活動センター―キャンプ場の「camp」な屋根
    桂カトリック教会―インドで考えたこと
    国立京都国際会館―うしろの正面だあれ?
    希望が丘青年の城―アポロ時代の夢のかたち
    那覇市民会館―トロピカルアジアの片隅で

  • 村野藤吾展を見に行くために予習として
    この本では、甲南女子大学が紹介されています
    イラスト解説も面白いしいい本です(^_^)
    本文解説も良かったです!
    どうしてウルトラセブンの解説が??
    …って所もありましたが(;^^)ゞ

    戦後の貴重な建物が
    どんどん建て替えられていくのは惜しいです
    メンテナンスとか経営とかいろいろあるんだろうけどな

    ところで、村野藤吾の建築といえば
    梅田吸気塔に代表されるらしく
    「やわらかな」という表現がされていました
    建築家には珍しく家具にもこだわりを見せて
    椅子や扉の取っ手も展示がありました
    椅子かわいいんですよ足が短くって
    取っ手など鉄部も、くにゅっと(^_^)

  • たまに見る日経アーキの中でも気になっていた連載が単行本化された。
    著者たちが昭和モダンと呼ぶ建築は1945年から75年にかけて建てられた所謂「モダニズム建築」である。昭和に直せば20年代から40年代までの30年間、日本の復興期~高度成長期を体現する遺産としての側面もあるこれらの建築たちが、今まさに耐用年数を迎えつつあり、「何の話題にもなることなく」ひっそりと壊され始めていることに危機感をもったことが本書の執筆動機とのこと。
    一方で「何でも保存すれば言いというものでもない」という著者は「その建物があるうちに少しでも使ってあげるのが大事」と、建築への愛あふれる言葉を述べる。
    実際、宮沢の達者すぎるイラストと、磯のこだわり感ある若干こじつけ気味の文章を目にすると、ものすごく現地へ足を運びたくなってくるから不思議だ。
    今から東日本編が楽しみです。

  • 日本の近代建築は力強くって魅力的なものが多い。
    戦前の名作は保存されるようになったものの、戦後の名作は一般人には理解しにくいのか、老朽化とともにどんどん壊されていくという「戦前の建築が残り、戦後の建築が消えていく」という逆転現象が、現在の日本で起こっている。
    それを危機に思った筆者二人が、主に1950〜70年代に建てられた名作建築をターゲットに見学しに行き、ここはこうだとかウンチクをイラストや写真と共に紹介してくれるおもしろい本。

    2年前、全くと言っていいほど建築を知らなかった僕は、建築MAPに載っている建築を片っ端から見ていくことにした。その時好きだったのはなんといっても分かりやすい安藤建築、そして日本の伝統建築。戦前、戦後のあらゆる建築も好き嫌いなく見ていたものの、何がいいのかさっぱりわからず、見とれることもなくすぐ別の建築を探しに行ったものだった。
    それが、今ではこんな本を思わず買ってしまうくらい好きになってしまったのはどういうことだ。
    なんといっても、あの力強さがたまらない。そして、メタボリズムの夢ある建築。今からみると本当に微笑ましい。それが資本主義の原理によってどんどん消されていっているなんて悲しすぎる。まだまだ見たい建築はたくさんあるというのに。

    昭和モダン建築巡礼の東日本編はきっと買います。
    本の最後に、ポストモダンの建築巡礼もやってみようと思っていると言っていたので、それがすごく楽しみ。ポストモダンは僕らからするとやっぱりツマラナイ建築なんです。理解ができないんです。ポストモダン建築の見方を教えてほしいです。

  • もっと写真が欲しいですね、折角の良いところを写真で残してほしいです。未来への夢があった建築にばんざい。

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著者プロフィール

文:磯 達雄(いそ・たつお)
建築ジャーナリスト。1963年埼玉県生まれ。名古屋大学工学部建築学科卒業。88-99年『日経アーキテクチュア』編集部勤務。2000年に独立。02年から編集事務所フリックスタジオを共同主宰。現在はオフィス・ブンガを共同主宰。桑沢デザイン研究所非常勤講師、武蔵野美術大学非常勤講師。著書に『昭和モダン建築巡礼』『ぼくらが夢見た未来都市』『ポストモダン建築巡礼』『プレモダン建築巡礼』など。

「2023年 『日本のブルータリズム建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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