斜陽 (ぶんか社文庫)

著者 :
  • ぶんか社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784821153190

感想・レビュー・書評

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  • 明治からの「貴族」、江戸時代は元下級武士、もしくは百姓だったのかもしれない見かけだけの位に疑問を持ち、それが心身共に崩壊していく様の小説だ。アヘン、麻薬中毒で悩んだ弟の生き様、離婚から半生を母の介護で過ごし自分の思いを我慢してきた姉、小説にある「今の世の中で一番美しいのは犠牲者です」と言う言葉が印象に残る。

  • よかったなぁ。とてつもなくよかった。太宰は昔「人間失格」を読んで以来。
    独特の暗ーい雰囲気に我慢できなくて、途中で読むのをやめてしまった。そんなこともあって太宰の作品にはなんとなく苦手意識があったけど、この「斜陽」はとても好きになれて、本当に読んでよかったという気持ちになった。どことなく暗い文章なのに、とても綺麗と感じたのは何故だろう。

    『恋、と書いたらあと、書けなくなった。』

    この一文を読んだときの感動や鳥肌は絶対に忘れられない。

  • これまでに読んだ太宰治の作品の中で一番好きかも。

    太宰治はもちろんだけど、昔の名作と言われている作品って、時代が違っても楽しめる。
    やっぱり物事には普遍性があって、人間の本質は変わらないものなのかもね。

    個人的に気になったことは、主人公の女の人の子供が本当にあの小説家の人の子供なのかということ。
    でも最後の彼女のあの頼みを聞くと本当なのかなぁ、とは思うけどね。

    そしていつの世も、女の人はワルに憧れるのね。
    マイ・チャイルド。

  • 表紙が板野友美でかわいい
    内容とは程遠いwww

    自分の国語力の不足か、文章からの情景があまり浮かんでこなかった。
    とくに、語り手、主人公の「私」の存在が半ば透明なようにも思えた。

    戦後、生きることは、革命と恋愛のため。
    思想は無力だ。

    麻薬中毒で自殺したの弟の「僕は死んだ方がいいんです。僕は生活能力がないんです」という手記にたいそう胸にせまるものがあった。

  • 青空文庫にて

  • 教科書以来、初めてきちんと読んだ太宰でしたが、
    凄く面白かったです。
    太宰治はご本人のイメージの所為か、
    あんまり良い印象を持っていなかったのですが、
    読まず嫌いは良くないなと思わされた1冊。
    弟さんと、かず子の手紙に件が特に印象的です。
    今も昔も、こういう繊細過ぎて世界に適応できな人も居て、
    辛い中でも逞しく何かを見出していく人も居て、
    そういう所は人って何年たっても変わらないのかしら。

  • 深く悲しい物語。
    だけど、主人公にはそことない強さが伺える気がする。
    人間って弱い生き物ですね。

  • 没落


    その二文字に向かって確実に歩を進める四人。

    しかしこの物語には何か美しい、儚いものを感じてしまう。


    終わりの美学
    破壊の美学

    その存在を確信する作品

  • 74

  • 切なくて物哀しい...

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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