ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに代わる「雑談+相談」

著者 :
  • 日本能率協会マネジメントセンター
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820731825

作品紹介・あらすじ

●「ホウレンソウ」だけではチームは回らない
仕事をする上で、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」は大切です。
こまめな報告があれば安心でき、
連絡が行き届くことで無駄もなくなり、
相談があることでいち早く問題を解決することができます。
ホウレンソウは社会人にとっての基礎スキルといえます。

ただ、ホウレンソウだけでは、
チームのコミュニケーションが機能しなくなってきています。

近年、チーム間で(とくに、上司と部下の間で)個人的な話がしにくくなっています。
働き方改革によって残業が減り、飲みニケーションや喫煙所での会話も少なくなりました。
ハラスメントに注意しすぎて仕事以外の話もしにくく、
つねに成果を求められているため、短期的な仕事の話が中心になっています。

こうしたコミュニケーションだけでは、
人を、成果を出すための道具としてしか見られなくなり、
やがてチームのモチベーションは下がっていってしまいます。
人としてコミュニケーションがとれる場を、
チームとして継続的に設けることが必要なのです。

●チームを活性化させる「ザッソウ」
具体的にいうと、それはチームにおけるコミュニケーションのあり方を
「ホウレンソウ」のステージから「ザッソウ(雑談・相談)」に上げる、ということです。

ザッソウを通して、メンバー同士が何を考え、
何を感じているのかを共有し、言いたいことを言い合える信頼関係をつくる。
それはチームに心理的安全をもたらし、メンバーのやる気を高めることにもつながります。

それに普段から雑談をしていれば、本当に困ったときに相談しやすくなります。
旧来のホウレンソウだけの状態では、信頼関係ができていないわけですから、
たとえ「いつでも相談していい」と言われていても、なかなか声をかけにくいものです。つまり話しかける心理的ハードルを下げるためにも、ザッソウは有効なのです。

それだけではありません。新しいアイデアが出ない、専門的な知識がなくて困っている……
そんな問題を解決したいとき、ザッソウでコミュニケーションをとるうちに
価値が生まれることがあります。
ザッソウは、イノベーションにつながるアイデアが生まれ、
チームの生産性を高めることにもつながるのです。

感想・レビュー・書評

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  • 2022年10月18日読了。社内での雑談・相談を「ザッソウ」と称して、「いまザッソウいい?」などと声掛けすることでチームのコミュニケーション・生産性向上が見込めるという論を提唱する本。2019年刊だがこの会社はすでにフルリモートを実現していたとのことで、コロナ後の2022年に読んでも十分参考になる。ホウレンソウのうち報告・連絡は過去の情報を伝えているだけでこれはツールを工夫すれば会議は不要、不確定な未来について話し合う「相談」をもっと敷居低く、積極的に活用することで未来に向けたチームの活動を活性化できる、という議論は非常に納得がいく。「これからうちの組織はザッソウを取り入れるぞ!」と大上段に構えるものではなく、まずは上司が忙しそうな素振りを見せず、極力雑談・相談ウェルカムな雰囲気を出してオフィスをぶらぶらする、というあたりから始めるべきなのか。

  • はじめに
     ・良いチームの条件は、気軽に雑談と相談ができること
     ・「ザッソウ」の文化を広げて働きやすい社会をつくる

    第1部 「効率化」だけでは成果は上がらない
     1.ひたすら効率化だけを求めた組織の末路
     2.これからの仕事に求められるのは「創造性」
     3.生産性と創造性には「心理的安全性」が必要だ
     4.「ホウレンソウ」に足りないコミュニケーション
     5.雑談+相談=「ザッソウ」でいこう!

    第2部 「ザッソウ」でチームの成果は上がる
     1.なぜ、今「ザッソウ」が求められているのか
     2.成果を上げる「ザッソウ」の使い方 
     3.「ザッソウ」がチームに及ぼす6つの効果
     4.働きがいと働きやすさを高める「ザッソウ」

    第3部 「ザッソウ」しやすい職場のつくり方
     1.「ザッソウ」できる職場へのプロセス
     2.「ザッソウ」が生まれやすい環境のつくり方
     3.「ザッソウ」しやすい心理的安全性の高め方
     4.「ザッソウ」できる職場をつくるリーダーの姿勢
     5.「ザッソウ」で考えるコミュニケーション術

    第4部 チームと人を変えていく「ザッソウ」
     1.「ザッソウ」がチームに果たす役割と本質
     2.「ザッソウ」できる職場にはゆとりがある
     3.チームの境界を越えていく「ザッソウ」
     4.「ザッソウ」で組織は変わり、人を変えていく
     5.「ザッソウ」あふれるチームで働く人を幸せに

  • 従来のホウレンソウ(報告・連絡・相談)に取って代わるザッソウ(雑談・相談)を提唱した本。

    雑談やモヤモヤを言語化するための「雑な相談」をしていくことで、チームの心理的安全性が高まり、成果が最大限に引き出されるというもの。多様なニーズに対応していかなければならない現代では必須のコミュニケーションだなと感じました。

    チーム内でのコミュニケーションが硬いなと感じるリーダーにおすすめの一冊です。

  •  
    ── 倉貫 義人《ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに
    代わる「雑談+相談」20190831 日本能率協会マネジメントセンター》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4820731823
     
    …… 「頭の回転」は才能ではなく努力で鍛えられる ~ 打ち合わせの
    アドリブ力を上げる4つの要素(20150917)
    https://kuranuki.sonicgarden.jp/2015/09/adlib.html
     
     ふたりの“adlib”;倉貫 義人 ≠ 阿波 雅敏
     
     Kuranuki, Yoshihito ライター 1974‥‥ 京都 /ソニックガーデン社長/1999 立命館大学大学院卒
     Awa, Masatoshi   阿波文庫 19390120 京都 /1964 Awa Library 主宰 1978 adlib 編輯工房
    https://twilog.org/awalibrary/search?word=%E9%98%BF%E6%B3%A2%E6%96%87%E5%BA%AB&ao=a
     
    …… AIがヒトを真似るより、ヒトがAIを真似るべきだ。
    https://twilog.org/awalibrary/search?word=%E3%83%92%E3%83%88%E3%81%8C%EF%BC%A1%EF%BC%A9%E3%82%92&ao=a
     
    (20211124)
     

    • adlibさん
       
       倉貫文庫 20211120 Kuranuki Library
      http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/...
       
       倉貫文庫 20211120 Kuranuki Library
      http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/day?id=87518&pg=20211130
       
      ── 倉貫 義人《ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに
      代わる「雑談+相談」20190831 日本能率協会マネジメントセンター》
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4820731823
       
      ── 倉貫 義人《管理ゼロで成果はあがる「見直す・なくす・やめる」
      で組織を変えよう 20190110 技術評論社》kindle
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B07MSDRMM6
       
      ── 倉貫 義人《「納品」をなくせばうまくいく 20140620 日本実業出版社》kindle
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B00LSQ8G4W
       
      ── 藤村 能光 & 倉貫 義人《未来ビジネス図解 働き方シフト 20201201
      MdN コーポレーション》kindle
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B08NVLR7GN
       
      ── 倉貫 義人《ザッソウ 結果を出すチームの習慣 20190830 日本能率協会
      マネジメントセンター》kindle
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B07WWK5KQK
       
      ── 倉貫 義人《リモートチームでうまくいく 20151217 日本実業出版社》
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4534053428
       
      ── 小林 奈穂/トゥーッカ・トイボネン/青野 慶久/倉貫 義人
      /竹田 陽子/木村 智浩/ナタリア・ダビドバ/大橋 一広/山口 真一
      /中西 崇文/櫻井 美穂子/チュフタイ・ハミーッド/丸山 俊一
      《智場#122特集号 創造性 ~ デジタル社会を生き抜くための個人と組織
      のクリエイティビティ 20190331 国際大学グローバル・コミュニケーション
      ・センター》制作 : 小林 奈穂/砂田 薫/安藤 久美子/武田 友希
      【Amazon.co.jp 限定】kindle
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4904305167
       
      ── 倉貫 義人/栗栖 義臣/並河 祐貴/前田 直樹
      《Redmine ~ もっと手軽にプロジェクト管理! 20090724 インプレス》
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4844327305
       
      ── るびきち/arton/大場 光一郎/高井 直人/後藤 謙太郎/新井 俊一
      /瀧内 元気/cuzic/倉貫 義人/大場 寧子/久保 優子/十河 学/舞波
      《まるごと Ruby! Vol.1 20080530 インプレス》
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4844325795
       
      ── 倉貫 義人 & 川端 光義《バグがないプログラムのつくり方
      JavaとEclipseで学ぶTDDテスト駆動開発 20040922 Be Agile! 翔泳社》
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/479810714X
       
      ── 倉貫 義人/伊尾木 将之/伊尾木 将之/長瀬 嘉秀/松本 哲也
      《実践 Ruby on Rails Webプログラミング入門 ~ 無駄なく迅速な
      開発環境 ソーテック社》
      http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4881665413
       
      (20211129)
       
      2021/11/29
  • 自分がチームを作る側の立場になり、考えるところがあり、手に取った。自分自身、雑談は色んなことを生み出すという経験があり、大切にしているが、これで良かったんだということを再認識できた。雑談配信+相談のザッソウをこれからも大切にしようと思う。

  • 報連相は時代遅れ感を感じていた。チームは段階があるのを知った。同意形成はチームが未熟の段階なのは驚いた。

  • 職場での雑談の重要性と雑談によって得られる成果や安全性など。雑談をするための環境づくりや雑談のポイントなどの記載も。
    実現するためには少人数から初めて徐々に広げるようなやり方をすれぱ浸透していくようにも感じた。

  • 新入社員の時、報連相は大事と学んだが、かしこまってしまう傾向があった。
    しかし、この本では雑談+相談を「雑相」と呼び、気軽にコミュニケーションを取ることでアイデアが浮かび、問題点と感じたら即対応できるとしている。
    時代とともに考え方も変わっていくのだなと実感した。
    今年に入ってからテレワークが日常となり、私は新入社員ともコミュニケーションに、この雑相を早速取り入れています。

  • 雑談できるチームが強いのか、強いチームだから雑談できるのか。
    タマゴニワトリ理論と同じで、どっちが先かはわからないが、
    「心理的安全性」を確保できたチームを作ることで、雑談がうまれ、相互に信頼する関係が築けるはず。

    「チームワーク⑦つの段階」を見て、自分の所属する組織の位置を把握することから。
    上の段階に登るために、何が必要なのか。
    お互いを理解したうえで、「共通のゴール」を持つところかなぁと感じつつ
    どんな位置であっても、雑談の力は有効とも感じる。

    お互いを認め合い、理解しあい、「違い」を知るために、積極的に雑談する(自己開示する)姿勢を持ちたい。

    「トップから、「雑談」を推奨していかないと、なかなかできないよねぇ。」
    と思う若手の方が多いと思うので、どれだけ相手の目線で雑談できるかがカギになりそうな気がする。

  • ホウレンソウではなく、ザッソウ=雑談・相談が大事、という著者の主張は納得。

    ただ、昨年の出版なので難しいのですが、コロナ禍にあってリモートワークが一気に普及したことを考えると、そういった勤務体系にあっても雑談・相談を促進するためのヒントがもう少し欲しかったところです。

    ザッソウを普及させるポイントとして書かれている内容はどちらかというとリアル出社を前提としている内容に思えました。著者の会社も全員リモートワークにより勤務とありますので、それにも関わらずザッソウできているということであれば、そこからの知見こそが、いままさに大事なものといえると思います。

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著者プロフィール

株式会社ソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。1974年生まれ。京都府出身。小学生からプログラミングを始め、天職と思える仕事に就こうと大手システム会社に入社するも、プログラマ軽視の風潮に挫折。転職も考えたが、会社を変えるためにアジャイル開発を日本に普及させる活動を個人的に開始。会社では、研究開発部門の立ち上げ、社内SNSの企画と開発、オープンソース化をおこない、自ら起業すべく社内ベンチャーを立ち上げるまでに至る。しかし、経営の経験などなかったために当初は大苦戦。徹底的に管理する方法で新規事業はうまくいかないと反省。徐々に管理をなくしていくことで成果をあげる。最終的には事業を軌道に乗せて、その社内ベンチャーをマネジメント・バイ・アウト(経営者による買収)することで独立を果たして、株式会社ソニックガーデンを設立。ソニックガーデンでは、月額定額&成果契約の顧問サービス提供する新しい受託開発のビジネスモデル「納品のない受託開発」を展開。その斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。

「2023年 『人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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