実戦マーケティング思考 「論理思考&イメージ発想」スキルを鍛える7つのツール
- 日本能率協会マネジメントセンター (2009年3月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820717447
作品紹介・あらすじ
「具体性」と「一貫性」がマーケティングのキーワードです。「具体性」とはつまりイメージ発想のことであり、「一貫性」とは論理思考のことです。「7つの思考・発想スキル」でアイディアが具体的になる、説得力がアップする。
感想・レビュー・書評
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経営戦略・マーケティングの勉強を始めたので、読んでみた本。
この著者の本は分かりやすくて、実戦向き。
ただ、著者独自のやり方なので、
御勉強した事とどどのうにリンクさせるかは
自分の中での課題です。
自社の強み(アセット)と顧客のKBF(売り文句)と
結びつけるあたりは、授業で学んだこととリンクして
大変良かったです。
B to B向けのマーケ本が最近出たようですので、
そちらも読んでみようと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Debate界の大OB、佐藤義典さんの最新著書。
所謂ロジカルシンキング本でも、発想力本でもなく、論理的思考とイメージ的な発想を組み合わせた思考法が紹介されている。
とても有用なスキルが平易に理解しやすく書かれており、素晴らしい本だと思う。 -
この人の本は3冊目だけど、やっぱりわかりやすくて実戦的。でもこれに近いことを無意識のうちにやってたんだな。何度も読んで頭に染み込ませて、普段の仕事でも自由に使いこなせるようにしたい。
[private]この人の本は本当に分かりやすいな。何度も読んで頭に染み込ませて、普段の仕事でも自由に使いこなせるようにしたい。
戦略BASiCSよりは、「ドリルを売るなら〜」で書かれていたような思考の過程を寄り分かりやすく解説した本。論理の一貫性と肌感覚的具体性をアタマの中でキャッチボールさせるというのはたしかにそのとおりで、本当に頭の切れる人はこういうことを何も意識せずにパパッと閃いていくんだろう。それをこれだけ分かりやすく説明するところがこの人の真骨頂かな。でもあとがきで、考えることはとてもとても大切なので、考えることについて考えて考えた結果がこうした本になっている、みたいなことをあとがきで書いていたが、これを読むとなるほど、そのとおりだよなあと思わされる。
でももともとこういうような考え方をしていたんだということを気がつかせてもらったところもある。分類とグルーピングや時間軸に沿って物事を再現ドラマ風に想像してみたり、など。いくつかの思考フレームワークにも触れられていたが、そういう包丁をたくさん持っていて、材料によってすばやく選択してさばいていけるようになることが大切。
目標設定でロジカル・シンキング講座をやらなきゃいけないこともあり、これを読んで広い意味ではこれもロジカル・シンキングだし、マインドマップだって分類&グルーピングの思考ツールであることに改めて気がつき、少し講座の内容が見えたような気もした。[/private] -
顧客の
・利用場面
・静止画
・動画
・つぶやきイメージ
をイメージしながらコンセプトを考える
その他一般的なフレームワークもしっかり書かれていて、良書だと思った。 -
マーケティングの勉強にもなりながら、すぐに使える仕様になっているのはありがたい。
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良書。論理的に整理して考えることと、具体的なイメージを用いて発想することのバランスを取る方法について書いている。収束と発散の技法。世の中には実現性のあるアイデアを次々と思い浮かぶアイデアマンと呼べる人がいるが、こうしたものは才能ではなくてスキルだ。スキルを習得すれば誰にでもアイデアは出せるのだと著者は言う。
「アイディアというのは、切り口を変えて何回も何回も考えると、無限に出るものです。アイディアを出すのは才能ではなく、このようなスキルや方法の問題です。」(p.200)
ポイントは論理思考とイメージ発想を明確に区別して行うこと。そしてイメージ発想をいかに具体化するかにあるだろう。論理思考は正確性を確保するが、具体性や肌感覚に欠ける。イメージ発想はその逆。この二つは相互補完的に働いて、具体的で納得性が高いが論理的にもしっかりしている結果をもたらす(p.21-25, 72-75)。
本書は論理思考とイメージ発想を交互に紹介していく。それがそのまま論理的で具体的なアイデアの作り方になっている。論理思考は要素分解(構造、四則演算、フレームワーク)とプロセス分解からなる。要素分解はロジックツリーになるようなお馴染みのもので、プロセス分解はフローで表されるようなもの。プロセス分解は要素分解と違って時間が入るため、具体的な場面をイメージした後で行ったほうが良いものとされている。このように、イメージ発想から論理思考へ至るルートが重要だ。要素分解は何通りもやり方があるが、課題に対して意味のある分解の仕方である必要がある。それを探るためにイメージ発想が役に立つ(p.98-101)。
イメージ発想は静止画、つぶやき、動画という三つの方法が取り上げられている。本書はマーケティングの本なのでこれらは具体的な消費の場面に即していて、分かりやすい。静止画はどのような消費者を想定するかで、属性や身なりがイメージされる。つぶやきはその消費者が何を考えているか、どのようなニーズを持っているか。動画はマーケティングで言うAIDMAのように、どのようにして消費者が消費の場面に至っているかをイメージする。ただしAIDMAそのものに対しては、プロセスの切り方が使いにくいとして別のものを提唱している(p.152f)。ここでのポイントは具体性。いかに消費の場面の言葉で考えられるかが重要となる。例えば自社の強みを「長時間営業」と捉えれるのでなく「いつでも開いてる」と捉えるなど、実際の消費者の言葉でイメージするのがポイントだ(p.110-125)。
論理思考とイメージ発想を紹介した後は、うまくそれらを組み合わせる方法としてモーフォロジカル・アプローチという新規なものが紹介されている。これは各構成要素ごとに発想して多くの要素を用意しておき、それらを組み合わせることによって新しいアイデアを生むアプローチ。例えば4つの要素からなるものがあるとして、各要素で5つの発想ができれば、アイデアは5の4乗で625通りになる。この中には例えば「酒を飲む時 × 子ども」のような意味をなさないものもできるが、それは消せば良いのだ。ちなみにマーケティングといえば4Pだが、著者によれば4Pは戦術に関するもので、戦略をどうするかが先に来るべきだと(p.205f)。たしかにどんなニーズに応えようとしてどこをターゲットとするかが決まってから、4Pが考えられる。
収束と発散の思考方法をうまく使い分けるという点では、前に読んだ『思考を広げる まとめる 深める技術』があったが、こちらはマーケティングの場面に特化して書かれていてより直接的でよい。技法としてはマーケティングに限らない。自分の範囲から言えば、プロジェクト管理文書を作るときには、旧来のものを参考にしつつまず論理的に何が必要かを考え、そして実際にそれを使っている場面をイメージして補足していく。その時には実際に管理文書を扱う現場の人間や、回覧されていくステークホルダーの立場で考えることが重要だ。こうしたやり方は本書に書かれていることと方向を同じくしているだろう。 -
アイデアの整理のために再読。分かりやすい。ただ、慣れの問題かもしれないけれど、フレームワークとかは当てはめようとしすぎると、それが目的化してしまう気がするので参考程度にしたい。
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考え方を考えるための本。
このかたの本はさくさく読めてしまう。
それだけに、自分の生活を観察して、この考え方を取り入れていくことを日々意識していかなければと思う。
私は、マーケティングの分野に入りたてだが、
イメージ思考とグラフの取り入れかたに関して、特に学ぶものが多かった -
さらっと流し読みしてみたけど、これはどちらかというと「アイディアの出し方」に近いものがある。
新商品のコンセプトや、既存店の売上減少要因をフレームワークを活用する事でより幅広くアイディアってだせますよ!というくらいの本。
個人的にはアイディアを出す際、フレームワークにとらわれ過ぎると自由な発想ってしなくなるので、オススメしないです。 -
佐藤義典氏の著作は2冊め。一冊目は「ドリルを売るなら穴を掘れ」という小説仕立てのマーケティング本。この本はMBA仕込みのマーケティング解説本であり、すぐに実践できる手引書である。なんといっても適時適切に例示・解説が加えられた変わりやすい文章であり、構成である。これはマーケティングの範疇を飛び越えた「思考」とか「考えること」をわかりやすく説明しているものといえるであろう。