図解 実戦マーケティング戦略

著者 :
  • 日本能率協会マネジメントセンター
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820716501

作品紹介・あらすじ

マーケティング戦略は数値で検証する!数値に基づいてマーケティング戦略を立案するツールが戦略ピラミッド。数値化することで、あなた自身、あなたの組織のマーケティング目標が具体的に共有することができるようになる。MBA流マーケティングを身近な題材でやさしく、わかりやすく解説します。

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  • 憶えておきたい。

    著者独自のマーケティングツールBASiCS。
    商品をいかに売るか。
    B 戦場
    A 資産
    S 強み
    i 語呂
    C 顧客
    S 売り文句

    ディフュージョンモデル(購買者の5タイプ)
    革新者 リスクを取って最初に買う人
    初期採択者 革新者の動向を見て、早めにトレンドに乗る人
    前期多数者 普及してきたタイミングで買う人
    後記多数者 ちょっと遅れて買う人
    遅滞者 最後の最後に買う人、または買わない人


    フィリップ・コトラーの3つのバイアス
    選択的注意 聞きたいことしか聞かない
    選択的歪曲 都合のいいように解釈する
    選択的記憶 憶えたいものだけ覚える


    売り文句殺し文句の天国型と地獄型
    天国型→儲かりますよ
    地獄型→損しますよ
    ニーズが広くて浅い領域(マス)に進出する場合は、地獄型が効果的。保険のCM。
    深くて狭い領域(高級ブランド)には天国型。ハーゲンダッツ、BMW。

    FUD(Fear, Uncertainty and Doubt)
    大衆が信じていることに反するような情報を広めることで、大衆の認識に影響を与えようとする戦略的試み。
    Fear 恐怖
    Uncertainly 不確実性
    Doubt 疑い

  • 【読書メモ】

    ●戦略の極意。戦わずして勝つ。そのためには…「勝ちやすい戦場を選ぶ」

    ●戦場は顧客の頭の中に存在する。「お客さまの選択肢の束=戦場」

    ●同じ商品・店・品揃えであっても、戦場によって「強み」が違ってくる。

    ●差別化は顧客の頭の中で行われる。・・・Asset(資産)は会社の中にある。強み・差別化ポイントは顧客の頭の中にある

    ●絞って絞ってナンバーワン
     →「ナンバーワン」になれるセグメントがなければ、「○○○でナンバーワン」の○○○を作ってしまえばいい。それでも難しい場合は「日本三景戦略」。

    ●あなたの強みを評価するセグメントを選ぶ

    ●伝わらないものには価値はない

    ●顧客が知らないことであれば、伝えるだけで価値が上がる。

    ●Selling Message(売り文句)によって、集まる顧客が変わる。

    ●Selling Messageの2つの必要条件
     1.戦略的であること
       →説得して買っていただく「正しい買い物だった」と思っていただく。
     2.印象的であること
       →注意を喚起し、衝動買いを促す

    ●独自性のチェック「広告の製品名を他社製品と入れ替えてみる」

    ●パッケージ1つをとっても、デザインで決めるのではなく、「どの棚に置かれるのか?競合は何か?差別化ポイントは何か?」とBASiCSを使って戦略的に決めていく。・・・Selling Messageは、Battlefieldにある商品が何か、顧客の頭の中で競合している商品は何か、によって強く影響を受ける

    ●Asset(資産)を、強力・魅力的なSelling Messageを通じてお客様に伝えた結果、Strength(差別化ポイント)として伝わる。

    ●(自社と競合他社のBASiCSを見比べる場合は)自社と競合の中間に「将来」という欄を作る。

    ●SWOT分析は戦略を評価するツールとしては使いやすい。機会・強みをフルに使い、脅威・弱みは早めに対処しておく。

    ●マインドフローの7つの関門
    ・認知:ターゲットに届く媒体でわかりやすいメッセージを
     →認知率、ターゲットが接触する媒体は?

    ・興味:ニーズ喚起
     →感じている不満・不便、不満の強さ、ベネフィットは?

    ・行動:行動の手間の削減、地図、行動手順説明、HP訪問促進
     →行動の障害は何か?その大きさは?オファーは?

    ・比較:競合優位性の説明、販売員トレーニング、販促ツール充実
     →競合と比べての強み・弱み、商品特徴は伝わっているか?

    ・購買:決断促進、購買抵抗提言
     →購買の障害は何か(お金、来店のため、持ち帰りが大変)、それを減らしているか?

    ・利用:利用促進、用途提案
     →使いにくい点はないか、使い方はわかりやすいか、用途は伝わっているか?

    ・愛情:継続的コミュニケーション、コミュニティづくり
     →愛着を感じられているか、口コミ・リピート促進策はあるか、仲間はいるか?

    ●マインドフロー(Webサイトの場合)
    ・認知:SEO、名刺、バナー広告、レターヘッド
    ・訪問:短く、わかりやすいURL、Flashを使わない
    ・理解:読みやすい文章、レイアウト、ナビゲーション
    ・比較:競合優位性を伝える・価格を載せる
    ・購買:クレジットカードなどで払いやすくする
    ・リピート:ありがとうメール、クロスセル


    ●ニーズの広さに対して、購買・ブランド選択に、より強いこだわりを持つ商品・サービスが、ニーズが「深い」商品です。

    ニーズが深い=ブランドロイアルティが高い
      =リピート率が高い
      価格感応度が鈍い

    ●(ニーズは)深めることのほうが広げることより難しい。…男女間で広さの違いがある場合にはまず、その差を埋めることが効率的

    ●ニーズの広さ深さチャートの使い方
     1.経年変化を追う
     2.競合との比較をする
     3.方向性を決める
     4.新規参入する場合
     5.商品間の投資戦略判断


    ●ニーズを深める手法
     1.こだわり商品を作る(ex.iMac)
     2.考え方・ポリシーにこだわる(ex.さわかみ投信)
     3.品揃え・商品選択基準にこだわる(ex.スターバックス)
     4.顧客教育(ex.スターバックス。顧客接点でこだわりを伝える)
     5.コミュニティを作る(ex.ハーレーダビッドソン)
     6.購買を習慣化する(ex.コンビニ、スタンプカード)
     7.内緒で少しオマケする(ex.コロッケのおまけ)

    ●ニーズを広げる手法
     1.今のターゲットと違う人に売る(ex.男性化粧品)
     2.認知・興味を喚起する(ex.キシリトールガム)
     3.使いやすくする(ex.Windows)
     4.用途を広げる(ex.アーム&ハンマーの重曹)
     5.デザインを良くする(ex.ババシャツ)

    ●ニーズを広げる時は「地獄型」で不安訴求を行う。…しかし、ニーズを深めようとする場合には、不安訴求・地獄型はタブーです。バラ色の世界、天国にいる心地よさを見せてあげないといけません。不安訴求をするとブランドを破壊します。…高級ブランドは不安訴求をしないのです。

    ●FUD
    ・Fear:恐怖「こんなにまずいことになりますよ」
    ・Uncertainty:不確実性「よくわからない将来にそなえませんか?」
    ・Doubt:疑い「それ、本当に効果ありますか?」

    ●売上を上げる方法は5つしかない
    ・新規顧客の増加
    ・流出顧客の減少
    ・購買頻度の増加
    ・買上点数の増大
    ・1点当たりの商品単価の向上

    ●客数をヨコ軸に、客単価をタテ軸にとったチャートを作り、経年変化を追って、戦略立案の材料とする。

    ●5原則の数値目標を立てる。5原則の数値目標を定期的に計測し、継続的にしつこく追いかけ、効果測定を行うと戦略が現実で実現される。

    ●水漏れ分析

    ●いきなり売りにくい商品は売らない。あげる商品→売れる商品→売りたい商品へという流れ(フロー)を作る。

    ●あげる商品にはコストはかけない。あげる商品がなければ、診断サービスや商品の選び方情報冊子などを作り出す。

    ●売れる商品=ニーズが広く、浅い商品。売りたい商品=ニーズが狭く、深い商品

    ●人間は、聞いたことより読んだもののほうが、信じやすいのです。「本に書いてあること」は、「聞いたこと」よりも信憑性を高く感じます。

    ●典型的な戦略構築プロセス
     1)現状分析
      →すべてのツールを使う
     2)戦略構築
      →BASiCSで全体の方向性を決め、マインドフロー、広さ深さ分析で、戦略を具体化
     3)目標設定
      →BASiCSで整合性をチェック
     4)優先順位決定
      →マインドフロー、売上5原則で数値目標を立て、優先順位を決定
     5)戦術策定
      →BASiCS(特にSellingMessage)、広さ深さチャート、プロダクトフローで戦術を作る
     6)効果測定
      →マインドフロー、売上5原則で効果測定を継続的に行う

  • マーケティングを戦略ピラミッドの5つの要素から実践するフローを解説。

    末尾には実際に筆者がこのピラミッドを用いてコンサルした化粧品会社の事例も記載。

    初心者にとってはそれぞれのピラミッドの要素がシンプルな構造なため、考え方が非常にわかりやかった。

    戦略BASiCSは、いわゆるSTPやSWOTを凝縮してシンプルにしたver、売上5原則やマインドフローはプロダクトを作った際の基本の考え方かと思うので、さらりと読みましたが、ニーズを深めるには?広めるには?での戦略の違いやプロダクトフローのあげる〜売りたいまでの流れは、改めて認識し、ポイントで施策を打つことが大切だなーと改めて痛感いたしました。

    2020.4.30

  • マーケティング戦略を「戦略BASiCS」という独自理論によって解説しているが、同時に基礎的な知識も身につけられるという秀逸な本。

  • マーケティング戦略の考え方を5つのツールでわかりやすく解説している本。そんなに難しい内容ではないので、担当になりたての人でも読めますが、基本的なことを把握してから読んだほうがより理解が深まると思います。

    この本を読んだら実践しなくては意味がありません。事例なども掲載されていて、読みこめばどんどん深く理解できていくと思いますが、自分の立場などに置き換えて考え、成果をあげることが重要です。

    一読後は、
    ツールを実際に自社サービスに当てはめてみる→検証・実行→再読して新たな発見
    という流れを繰り返して、戦略を研ぎ澄ましていくのが理想的。応用の効く内容なので、長く使うことができる本です。

  • 実践的なマーケティングの組み立て方がわかる、デジマ登場以後も有益な思考だと思う

  • マーケティングの基礎の考え方を説明する本
    システムまで落とし込んでいて分かりやすい

    戦略BASICS、戦場、資産、強み、顧客、売り文句
    戦場、機会が多く脅威が少ない、資産強みを活かせる、参入しにくい、スイートスポット
    資産、つながり、ブランド、スキル、ノウハウ
    強み、他社との相対的なもの、独自性
    顧客、セグメンテーション、ナンバーワンになれるか
    売り文句、強みと独自性、顧客理解

    マインドフロー、認知、興味、行動、比較、購買、利用、愛情
    ニーズの広さ深さ、多くの人、ロイヤリティ、リピート率、農耕型と狩猟型
    売り上げ5原則、新規顧客、既存顧客、購買頻度、購入点数、単価
    プロダクトフロー、あげる→売れる→売りたい

  • 戦略Basicsとマインドフロー。
    Battlefield, assets, strength, customer, selling messages.
    戦略とは、とにかく絞ることが大事。
    顧客を絞り、いらない層と分ける。
    このようなフレームワークを使うことで、頭が強制的に思考を始める。
    身の回りのマーケティングネタに気づくマーケティング脳を作り上げる。
    とにかく数値化して数字を追う。
    資産は強みを支えるもの。
    戦場は顧客の頭の中にある。
    ナンバーワンになれない場合はなれるようなセグメントを作る。

  • 地道なデータ収集が大事なんですよね。

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著者プロフィール

マーケティングコンサルティング会社、ストラテジー&タクティクス社代表取締役社長。米国ペンシルバニア大ウォートン校MBA(2022FT紙ランキング世界1位、経営戦略、マーケティング専攻)。中小企業診断士。大手通信会社、外資系メーカーのブランド責任者、外資系エージェンシーの営業ヘッド、コンサルティングヘッドを歴任。実戦的で効果の高いコンサルティングには定評がある。豊富な現場経験と理論体系に基づく企業研修(経営戦略、マーケティング、企画力など)はわかりやすく実戦的と好評でリピート率が極めて高い。2万4千人が購読する無料メルマガ「売れたま! 」(www.uretama.com)の発行者としても活躍中。

「2022年 『弱みで勝つ!マーケティング戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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