大野耐一の現場経営

著者 :
  • 日本能率協会マネジメントセンター
3.76
  • (11)
  • (11)
  • (10)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 125
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820715825

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • トヨタかんばん方式の生みの親「大野耐一」さんのエッセイ集。
    語り口調で文章構成されているので、ところどころ長文になっていたりして、読みにくいところがありますが(笑)、大野さんのスピリットがひしひしと伝わってきます。
    昭和57年に書かれている本なので、中で語られているトピックはとても時代を感じさせるものですが、そこから導き出されているメッセージは今でもまったく色あせない、まさにバイブルといわれるものだと思います。

    よく言われている
    「動く」と「働く」の違い
    「自動化」と「自働化」の違い
    のみならず、
    「可動率」と「稼動率」
    「生産技術」と「製造技術」
    「原価計算の落とし穴」
    などなど、さまざま示唆を私たちに伝えてくれます。

    ちょっと面白いところは
    (1)売価ー原価=利益
    (2)利益=売価ー原価
    (3)売価=原価+利益
    の考え方。

    (1)は売価はお客様が決めることで、もう決まっているので、利益を取るためには原価を下げるしかないという考え方
    (2)は利益を取るためには付加価値をあげて売価を上げる考え方
    (3)は利益がこれだけほしいから売価を決めさせてもらう考え方
    として、数式をとらえていて、大野さんのメッセージでは(1)の考え方をとるということ。
    こういった伝え方は面白いです!

    さらに整理整頓について
    「整理」はいらないものを捨てること
    「整頓」は速やかに必要なものが出せるようにすること
    きれいに区分けして並べているのは整理整頓ではなく、「整列」!!
    これは耳が痛い

    ざっと目次からメッセージを拾っただけでも
     失敗は目で確かめる
     量産は安いという錯覚
     ムダな動きは働きではない
     理屈に合ったことが”合理化”
     仕事は部下との知恵比べ
     知恵は困らぬば出てこん
     頼りになる親方になれ
     改善には順番がある
     標準時間は一番短いのでいい
    などなど!

    これはとってもお勧め!
    製造業に携わる人は一度は読むべし

  • しゃべり言葉で、そのまま書いてあるので、読むのに骨が折れるが、もちろん読む価値は大きい。大野さんが実践で鍛えあがた理論は、ソフトウエアエンジニアである私にとっても大いに参考になった。

  • トヨタ生産方式の神髄がわかってよかった。
    語り口調には少々時代錯誤な部分もあるが、大事なのはそこではなく、トヨタ生産方式が何を意図して、どういう成果を期待して作られているかである。原価低減をしなければいけない理由、工場などで誰でもできるような工夫、それらの本質を抽出して、時代の流れにうまく乗りながら利用していくことが大事。

  • ストップボタン
    大量生産≠安価
    働く≠動く
    次工程の人が取りに行く
    部下と知恵比べ
    決められたこと、決めたこと

  • トヨタ生産方式の祖である大野氏が思いを吐き出している。
    全体的にまとまっていないので、書物としては読みにくいが、著者の思いは伝わってくる。
    今でこそトヨタ生産方式として有効性を認められているが、当時の現場の反発は強いものだったろう。
    そこを辛抱強く改善してきたというのが、今のトヨタの強みか。

  • ジャストインタイムや自働化について、第一人者の言葉でそのままで語られていて、うまくまとめられた本とは一味違い面白い。

    特にトヨタ生産方式の産みの親が、トヨタ生産方式は本来中企業に使うと効果的。大規模生産になると使わなくても安くできる、と考えているところが興味深い。

    そのほかにも
    ・会社全体の製造原価を下げる(部門毎数字の操作や部分最適ではなく)
    ・「必死に動いた」と「働いた」は違う(日本人は動きで仕事を判断しがち)
    など、なるほどと思わせられる部分がある。

  • 大野さんと言えば、「トヨタ生産方式」が有名ですが、私としてはこの本もそれに負けないくらいの良書だと思います。

    「トヨタ生産方式」がその理論についての解説であればまさにこれは大野さんのトヨタ生産方式への「思い」が詰まった一冊です。

  • 大野氏の思想としては、

     利益 = (1)売上 - (2)原価

    において、(1)売上は固定されている。
    そのため、いかに(2)原価を低減するか、というものだと思う。

    原価を低減するためには、

     a. 必要なものを必要なだけ必要なときまでに
     b. いかに安く作るか

    を考える。

    a.にためには、
     a-1. 在庫を持たない
     a-2. 不良品を出さない

    a-1とは、ジャストインタイム方式をさす。
    つまり、後工程が必要なものを必要なだけ作るようにする。
    これにより無駄な在庫がなくなる。

    a-2とは、品質管理。
    一作業員であっても、不良や異常を検知すれば、
    生産ラインを止める。
    止めることで、不良を量産せずにすむ。
    この後、徹底した改善を加える。

    bのためには、
     b-1. 作業を改善する
     b-2. 作業工程/設備を改善する

    b-1とは、現在の作業をいかに効果的・効率的にするかを考える。
    b-1の結果、それでも、b-2が必要であれば、
    工程や設備を見直す。
    b-2は、本当に価値があるのか、需要は十分なのか、をしっかりと
    考えた上で実行する。

    b-1にあたり、
     ・困らせる
     ・標準時間 = 一番早い時間
    にすることが有効。

    うーん。
    うちのボスが
     ・本当に価値があるのか
    にこだわる理由がわかった気がする。

  • このご時勢だからこそトヨタ方式に興味あり、カンバン方式の祖の大野さんの本を。

    ・錯覚にとらわれるな
    ・機械につかわれるな、自働化
    ・整理、整頓、清掃、清潔、躾
    ・失敗は目で確かめる
    ・機会損失をおそれるな

  • これもバイブルです。

全11件中 1 - 10件を表示

大野耐一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×