砂金 (愛蔵版詩集シリーズ)

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  • 日本図書センター
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820595953

感想・レビュー・書評

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  • 図書館。
    詩集は読みかたがわからなくて苦労するが、琴線に触れるものはいくつかあった。後半の散文詩はやはり読みやすく、印象にもよく残った。
    色のイメージがとても鮮烈で良かった。

  • 同シリーズの『若菜集』とあわせて入手。これまた装丁がいい。カバーの質感と鈍い照り映え方がとてもシック。

    まるで濃く重い色彩の油絵のような手ごたえ。固めの漢字が多く、振り仮名まで添えられて、余白の多い紙面はますます黒い。歌われるものも死と喪失のイメージが強くて、言葉を目と耳で追っていくうち、自然と息を潜めていたような気がする。ひっそりと絢爛な陰鬱さが少し怖かった。
    リズムの面で私には物足りないものも多い中、「凧」「錶」「薔薇」あたりには惹きつけられた。物語りのようなところがよかったのかも。これだけは知っていた「かなりや」の美しさも、あらためて文字で触れると格別。
    衝撃的だったのは「トミノの地獄」。忘れ難い。

  • 声に出して読むと凶事が起こると言われる「トミノの地獄」が読みたくて図書館で借りた。全部の詩がピンと来るわけではないけど、とても好きな詩が何編か。「石階」「黒子」「かなりや」「小人の地獄」。「石階」は吉岡実の「僧侶」を連想させられました。散文詩では「曠野」「領土」「温室」すべて良かった。ソログープの影絵のような心地良い悪夢の雰囲気で気に入った。

  • 唄を忘れた金糸雀は、赤い緒紐でくるくると縛められて砂の上――。
    歌謡曲のヒットメーカとして知られた著者の詩集。

  • 皆川博子氏の作品とセットで。
    得体の知れない恐怖を越えて初めて、揺るがない安寧が見える気がする。

  • 大学の廃棄図書でもらいまいした。勿体なーい。

  • この美しさは一体なんなのだろう。燦々と陽のひかりを浴びる美しさでは決してない、むしろ月がうすぼんやりと照らすその向こうの美しさなのだ。ぞくりとする妖しさがある。それでいて目には色が浮かぶ。艶のある深い色味がどこかもの哀しく、失うことが怖くなる。
    西條八十は己を「心象の記録者」だと言う。その「記録者」って表現がとても誠実で、まっすぐで、こちんこちんで、私は大好きだ。

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著者プロフィール

1892年東京生まれ。早稲田大学卒。高踏的象徴詩をつくる一方、大正期の代表的童謡詩人でもあった。「東京行進曲」「東京音頭」「蘇州夜曲」などの作詞でも知られ、少女小説や評論でも活躍した。1970年没。

「2023年 『あらしの白ばと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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