逆転の競争戦略 第3版: 競合企業の強みを弱みに変えるフレームワーク
- 日本生産性本部 (2007年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820118473
作品紹介・あらすじ
ただの"検索ポータル"ではないグーグル。富士フイルムから「フイルム」が消える日。ウォークマンは、なぜi‐Podに先行を許したのか。豊富な事例とともに、強みと弱みのパラドックスを活用する方法を提示。
感想・レビュー・書評
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リーダーが追随しにくい挑戦者の戦略:①企業資産の負債化 ②市場資産の負債化 ③論理の自縛化 ④事業の共喰化
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競合が持つ資産を無力化する戦略。チャレンジャーにとってリーダーが追随したくても出来ない戦略こそが逆転の戦略。
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「使える理論」の言葉通り。『ストーリーとしての競争戦略』もこの本の内容に近い。
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経営戦略系の教科書ですが、企業の実例が多数掲載されていて、とても読みやすいです。リーダーが追随しにくい挑戦者の戦略として、リーダー企業の持つ企業資産(企業内に蓄積してきたもの)・市場資産(ユーザー側に蓄積してきたもの)と、リーダー企業が否定しにくい競争優位の源泉・リーダー企業が追随したくない新たな競争要因の追加、という2軸で整理し、四つの戦略それぞれの方法論を語る章は、非常に納得感があって判りやすい。リーダー企業と言えども、たえず革新を続けなければ、虎視眈々とその座を狙う挑戦者に市場を奪われる、ということに気付かされる一冊です。
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業界二番手、三番手企業がトップシェア企業と戦うための指南書。事例も多くとても有り難い。
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多くの業界で市場全体のパイが増えることは望み難い状況下、二番手以下の企業はかつてのような「リーダー企業のものまね」を繰り返す消耗戦に決別する必要がある。
かつてはそのようなフォロワー戦略でいくばくかの「おこぼれ」を得ることが出来たが、もはやそれは「消耗戦」にしかならず、そうなればシェア上位企業が圧倒的に有利。
では、二番手以下の企業はどのような戦略を取るべきか?と言えば、一言で言うと「リーダーが追随しにくい戦略」である。
本書では、そのような二番手以下の企業が形勢を逆転するためにとるべき打ち手を、状況別に、豊富な事例とともにフレームワークで整理してくれている。
もちろん一読しただけで有効な打ち手に考え至るほど甘くはないが、大変に頭の整理&思考訓練になった(気がする)。
読んでおくべし。 -
市場地位に応じた戦略の定石という有名な考え方がある。
その中で、チャレンジャー企業の戦略の定石は「リーダー企業のまねできないことをする」と述べられている。
それはもちろんそのとおりだが、これだけでは、
「リーダー企業のまねできないこと」をどう考えたらいいかがわからない。
この本はその具体的な事例と、考え方、フレームワークを示してくれている。
例えば、チャレンジャー企業とるべき、「リーダー企業のまねできない」戦略の考え方は次のようなものだ。
■「攻撃の対象」と「攻撃の方法」の2軸で考える
「攻撃の対象」と「攻撃の方法」の2軸で考えることで、リーダー企業はチャレンジャーの差別化に対して追随しにくい(同質化できない)状況を考えることができる。
「攻撃の対象」とは、リーダー企業のもつ「企業資産」と「市場資産」の2つである。企業資産とは、例えばリーダー企業が構築してきた販売チャネルといったものである。市場資産とはすでに抱えている顧客基盤や企業に対するイメージというものである。「攻撃の方法」とは、リーダーがすでに持つ企業資産や市場資産を否定するような、リーダーができない(can’t)戦略を打つという攻め方、もう一つは、リーダーとしてはできないことはない(『can’t』ではない)が、安易に追随すると企業資産や市場資産と不協和が生じるためできれば追随したくない(won’t)な状況を生み出す攻め方である。
■2x2で4つの戦略が考えられる
「攻撃の対象」と「攻撃の方法」の2軸でマトリクスを考えると、
リーダーの市場資産を狙って『can’t』で攻める「市場資産の負債化」、
企業資産を狙って『can’t』で攻める「企業資産の負債化」、
市場資産を狙って『won’t』で攻める「論理の自縛化」、
企業資産を狙って『won’t』で攻める「事業の共食い化」
の4つの戦略が考えられる。
「市場資産の負債化」の例としては、エッソが他社カードで割引という戦略を打ち、リーダー企業の顧客ベースを無価値化した例がある。 また、最近のインターネット証券会社は、従来の証券会社の店舗という「企業資産を負債化」した例である。アサヒ・ビールがスーパードライを出した時に、キリンはラガービールの味を否定するような製品を出すことを躊躇わせ、対応が遅れたという、「論理の自縛」に陥った例であり、J&Jの歯の汚れをよく落とす小型歯ブラシはリーダーのライオンにとっては歯磨きの消費量が減るという「事業の共食い化」 が起こるもので対応を追随を躊躇わせた。この様にリーダー企業が追随できない戦略を考えることでリーダーを攻撃することが可能である。 -
市場地位に応じた戦略の定石という有名な考え方がある。
その中で、チャレンジャー企業の戦略の定石は「リーダー企業のまねできないことをする」と述べられている。
それはもちろんそのとおりだが、これだけでは、
「リーダー企業のまねできないこと」をどう考えたらいいかがわからない。
この本はその具体的な事例と、考え方、フレームワークを示してくれている。
例えば、チャレンジャー企業とるべき、「リーダー企業のまねできない」戦略の考え方は次のようなものだ。
■「攻撃の対象」と「攻撃の方法」の2軸で考える
「攻撃の対象」と「攻撃の方法」の2軸で考えることで、リーダー企業はチャレンジャーの差別化に対して追随しにくい(同質化できない)状況を考えることができる。
「攻撃の対象」とは、リーダー企業のもつ「企業資産」と「市場資産」の2つである。企業資産とは、例えばリーダー企業が構築してきた販売チャネルといったものである。市場資産とはすでに抱えている顧客基盤や企業に対するイメージというものである。「攻撃の方法」とは、リーダーがすでに持つ企業資産や市場資産を否定するような、リーダーができない(can’t)戦略を打つという攻め方、もう一つは、リーダーとしてはできないことはない(『can’t』ではない)が、安易に追随すると企業資産や市場資産と不協和が生じるためできれば追随したくない(won’t)な状況を生み出す攻め方である。
■2x2で4つの戦略が考えられる
「攻撃の対象」と「攻撃の方法」の2軸でマトリクスを考えると、
リーダーの市場資産を狙って『can’t』で攻める「市場資産の負債化」、
企業資産を狙って『can’t』で攻める「企業資産の負債化」、
市場資産を狙って『won’t』で攻める「論理の自縛化」、
企業資産を狙って『won’t』で攻める「事業の共食い化」
の4つの戦略が考えられる。
「市場資産の負債化」の例としては、エッソが他社カードで割引という戦略を打ち、リーダー企業の顧客ベースを無価値化した例がある。 また、最近のインターネット証券会社は、従来の証券会社の店舗という「企業資産を負債化」した例である。アサヒ・ビールがスーパードライを出した時に、キリンはラガービールの味を否定するような製品を出すことを躊躇わせ、対応が遅れたという、「論理の自縛」に陥った例であり、J&Jの歯の汚れをよく落とす小型歯ブラシはリーダーのライオンにとっては歯磨きの消費量が減るという「事業の共食い化」 が起こるもので対応を追随を躊躇わせた。この様にリーダー企業が追随できない戦略を考えることでリーダーを攻撃することが可能である。 -
3/29(土)
非常に面白いです。リーダー企業へ逆転した事例を豊富に扱い、そのパターンをきれいに整理しています。戦略を考える上で知っておいて損のないフレームワークだと思います。