繊細な人の心が折れない働き方

著者 :
  • ナツメ社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784816370069

作品紹介・あらすじ

人間関係、仕事のプレッシャー、周りが気になって集中できない、人に振り回される、一人になれない…、繊細な人にとって、職場は「しんどい」要素に満ちています。本書では1万人以上を救った話題の産業医が、HSPの方に向けて職場のストレスを減らすヒントや、心が軽くなるアドバイスを紹介します。

感想・レビュー・書評

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  • 産業医・精神科医である著者が繊細な人(HSP)に向けて、心が軽くなる働き方を伝えてくれる一冊。産業医という立場から導かれた職場での考え方・工夫がたくさん!マンガやイラストもやわらかいタッチで癒される。

    HSPの基礎から、職種に応じたアドバイスまで満載。あなたが短所だと思っている部分は、長所として使いこなせるんだよと見せてくれるのが心強い。コロナ禍での発刊ということもあり、仕事と私生活の境界が曖昧になりがちな在宅ワークでの工夫もあって勉強になる。

    HSPあるあるが多すぎて、まるで自分を見てきたかのような内容に驚かされる。中でも「現実に起こりそうにないケースだとしても、最悪の事態をシミュレーションせずにいられない」というのは、不安障害であるぼくにとっては最凶の組み合わせ(笑) これをなんとか乗りこなせたらなあと。

    ぼくが特に参考になると思った場所を引用しておきます。これ以外でも、というかどのページもHSPとしてすごく納得感がある話や工夫、発想の逆転にあふれているのでぜひ読んでみていただきたいです。

    p.47
    人は違っていて当たりまえですが、自己肯定感が低いHSPさんは、他人の評価軸に合わせて考えがちなので、人との違いを見つけると、「自分のほうがおかしいのだ」と、考えます。自分の敏感さを長所ととらえることができず、「なぜこんなに弱い人間なのだろう」と、自己嫌悪に陥ってしまうのです。
    人との違いに気づけば気づくほど、「自分がおかしい」という思いが強くなり、すべてを自分のせいにして孤立感を深めます。

    p.57
    不機嫌な人を見たとき、HSPさんは「自分のせいでは」と、不安になるかもしれませんが、非HSPさんは「きょうは機嫌が悪そうだから、近づくのはやめておこう」と、考えます。これが、「他人を切り離して考える」方法です。

    p.59
    わからないことがあるとき、隠してもいいことはありません。(中略)人は相談されると、頼られていると感じて承認欲求が満たされます。喜ぶ人が多いので、遠慮せずに堂々と相談しましょう。

    p.65
    ズバッと断りにくいときには、50%だけ断る方法もあります。たとえば、丸一日の休日出勤を打診されたら、「午前中だけなら大丈夫」と、半分だけ受け入れます。これは逆にいうと、50%も断れたということになるのです。

    p.91
    そこで、合格ラインを60点と設定してみましょう。合格ラインとは、自分が納得できるラインであって、目標ではありません。たとえば100点を目指して努力して、60点しかとれなかったとしても、「まあいいか」と、自分に合格点をあげるのです。

    p.92
    まず悩みを書きだし、「自分が解決できそうなこと」と、「どうしようもないこと」に分類します。「どうしようもないこと」は、考えてもムダなので、頭から消します。

    p.99
    失敗を分解すると、自分の“ほめポイント”が見つかる

    p.110,111
    HSPさんは、ひとつのことをじっくり行う「シングルタスク」向きです。(中略)
    このとき大切なのは、ひとつの作業をはじめたら、それ以外は一切考えないこと。

    p.124
    落ち込みそうになった気分を引き上げてくれる言葉もあります。
    それは、ア行とハ行です。たとえば、「きょうはうまくいかなかったな」と、落ち込んだとします。そんなときは「あはは」「うひひ」という言葉を続けてみてください。「失敗しちゃったな。うひひひ」これだけで、真剣に悩むのがアホらしくなりませんか。

    p.150
    仕事モードをオフにするには、自分の心に「オフ」の合図を送るルーティンが効果的です。デスクの上を片付け、「きょうの仕事終わり!」と、自分に声をかけましょう。その一言で、心に区切りがつけられます。

    p.166
    ストレス0を目指すのではなく、ストレスを%で考え、濃度を薄めるやり方です。

  • これは面白かったです。
    井上先生二冊目でした。気づかなかった。

    ・相手の不機嫌はあなたのせいではない(切り離す)
    ・嫌な人とは、期間限定の縁だと割り切る(期間限定思考)
    ・ネガティブな気持ちは、メタ認知する(客観的になる)

    HSPかと言われるとわからないですが、
    たぶんその気はあるかと思います。
    というか、大体の人が持っているのでは、と思います。

    最近、周りの人の顔色を窺ったりするときは、
    「これは誰の感情?」と自分に問いかけるようにしています。
    物理的に壁を作る、耳栓する、
    具体的な対応方法が本書には記載されています。
    しんどくなる前に、いくつか試してみても良いと思いました。

    私は、ぬるめのお風呂に入ること、
    一人の時間をつくること、
    時間を切り分けること、
    なるべく気にしないようにして
    他人と自分を分けて考えること、
    本書を読んで少しずつ自分の生活に取り込んでみています。

  • HSPについて、なんとなく聞いたことはあったものの、この本を読んで①自分が幼少期かなりこの気質が強かったこと②今もそれなりの強さでこの気質を実は持っていること③最近入社した新入社員がまさにこの気質であること の3つが分かりました。
    昔はこの気質を持つ自分自身が悪いように思ってしまっていたのですが、単に気質であったことが理解できて救われましたし、また同じように悩んでいそうな同僚のことをサポートする方法も学ぶことができました。
    もしかして?と思う人が周りにいる人、また自分も?と思っている方は一度読んでみることをお勧めしたいです。マンガも交えてとても分かりやすく実践的にまとめられています。

  • 内容はシンプルですが、
    「あー、これわかる。」
    「そうそう、こういう時しんどいんだよねー。」
    と共感できる部分が多かったです。
    スラスラと読み進められました。


    おそらく自分もHSPにカテゴライズできる人間なんだなと思うのと同時に、

    これまで仕事含め人間関係でやたら気疲れしたり思うように行かないことがあった原因が少なからずここにあったのかと思い、少し気が楽になりました。

    これまでは人より能力が劣っていると悲観的になりがちでしたが、「自分はそういう気質なだけであって劣っているわけじゃないんだ。」と前向きになれそうです。

  • 自分が仕事の時、やりづらさを感じていた事がそのまま文章にまとめられていて共感の嵐すぎて読んでニヤニヤしてしまった。どの項目も当てはまる事ばかり。あと10数年早くこの本に出会いたかった。20代前半の余裕が無くつらかった自分に読ませたい。
    自然と自分で対処する方法を見つけ出している事もあったり。読んでいるときはすごく楽になる気になる。あとは働く時に活かせるか。

  • ・マルチタスクは向いていないので、ひとつずつ片づけてから次に移るようにする。
    ・これがあると落ち着くというものを身近に置くとホッとできる。
    ・一人になれる場所で一息つくなど、人疲れした時はその場から離れる。
    ・働く時間を固定すると負担を軽くすることができる。
    ・ノルマを毎回達成できる人はいない、と心に刻み自分を追い詰めない。世の中の多くの人は6割達成できたらいいと考えている。6割達成できたら自分を褒め、できなくてもそんなときもあるよねと前を向くようにする。
    ・仕事がきつきつにならないよいに調整し、休息を確保する。
    ・日曜日には予定を入れないなど何もしない日を作るのもよい。


    【感想】
    今の仕事がHSPの私には向いていると思った。休みが固定で残業も少なく生活リズムが不規則になりにくい。職場の人との関わりが半分以上で多くの人と向き合う必要がない。
    向いていない仕事:接客・サービス業

  • メモ

    人は相談されると、頼られていると感じて承認欲求が満たされます。喜ぶ人が多いので、遠慮せずに堂々と相談しましょう。

    相手の反応が気になったら「なにか問題ありますか?」

    仕事をしている以上、やるべきことは決してなくならない。はじめから「全部終わらせる」ことなど考えず「できるところまでやればいい」と考えたほうがいい。

    メタ認知(鳥の目で見下ろす)

    音が遮断できない場合には、聴覚以外の感覚に神経を集中させて、気を紛らわせましょう(キーボードを打つ指の触覚)

    外界から受ける刺激のうち8割が視覚によるもの。目を閉じるだけでリラックス。

    泣くと副交感神経が優位になるのでリラックスし、嫌な気分が洗い流される。

    バタフライハグ

    6割合格主義

  • HSPの特徴、対処方法、周りの人の理解が解説されている。

  • 漫画や絵が多く忙しい人でも読みやすく、分かりやすい。
    同様の本では重複する内容が多いが役立つ内容が幾つか有った。

    以下はメモ。
    ・(×)完璧主義→(◯)6割主義
    ・バタフライハグ
    ・マインドフルネス
    ・メタ認知
    ・リフレーミング
    ・自分の取説を作る

  • 自分自身が凄く繊細なので、この本を読んで凄く共感ができた。
    繊細すぎて働くのが辛いけどこの本を読んで頑張ろうと思えた。

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著者プロフィール

井上智介(いのうえ ともすけ)
産業医・精神科医。
兵庫県出身。島根大学医学部を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動する。産業医としては毎月30社以上を訪問し、精神科医としてはうつ病、適応障害などの疾患の治療にあたっている。
「おおざっぱに(rough)笑って(laugh)生きてほしい」という思いから「ラフドクター」を名乗り、ブログやSNS、講演会などで情報発信している。『1万人超を救ったメンタル産業医の職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』『「あの人がいるだけで会社がしんどい……」がラクになる 職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』など著書多数。

「2023年 『もう作り笑いなんて必要ない! みんなのネガティブ感情のおてあて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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