- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784815809959
作品紹介・あらすじ
ペリーはまず沖縄にやって来た。――19世紀、次々と現れる列強の、布教をふくむ開国要求にさらされ、「鎖国」の防波堤とされた琉球の人々。彼らはいかに対応したのか。幕府や薩摩藩の姿勢は? 東アジアの変動のなか、外圧と内圧の狭間におかれた〈境域〉の経験から、琉球と欧米との交渉過程を初めてトータルに描く。浦賀中心では見えない、新たな開国史。
感想・レビュー・書評
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ペリーが浦賀に来航した時、事前に琉球に寄港していることは知らなかった。ペリーは、琉球をいわば前線基地として活用し、琉球を拠点に小笠原探検を経て、浦賀に向かうというルートを取っている。
琉球はその地理的位置から、日本に先立って海外列強の艦船の来訪を受けており、また、二重朝貢先である清のアヘン戦争(1940)における苦境を見て、早くから国際情勢の変化、対外関係の困難さを知る立場にあった。
「独立国」としての琉球王国は、条約締結を求める米英仏蘭との交渉を行う必要があったが、その内容については、薩摩藩、幕府の思惑によっても左右されるものであった。
琉球のような小国が圧倒的武力を背景とする列強の要求に対峙し、かつ、国内の意見調整、薩摩と幕府という厄介な相手とも駆け引きを行いながら、自国の利益を守ろうとすることは、全く困難な道であったことと想像される。
沖縄出身の歴史家による、心の籠った研究。著者の上原さんはもう岡山大学を退職された隠居の身なんですね。76歳になってこのような大部の書を上梓されるのは、やっぱり沖縄に対する愛情と郷里の置かれている現状を憂う気持ちの表れなんでしょう。 -
沖縄の外交史。圧巻の内容である。ペリーの浦賀来航に先立ち、王国、薩摩、幕府の意向と各国とのせめぎ合いが詳細に記されている。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/759388 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
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東2法経図・6F開架:219.9A/U36k//K