数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784815606022

作品紹介・あらすじ

複素数を基礎の基礎から解き明かす。

第1章「二乗の広がり」では、「数を二乗するとどうなるか」というやさしい問いかけに始まり、数が持つ性質を調べていきます。数の大小を比較したり、正負の数の掛け算を学んだりしながら、数の基本的な性質に親しんでいきます。また、簡単な二次方程式や二次関数をグラフを通して学びます。

第2章「計算の形」では、平面上に点を描きながら複素数を学びます。実数と虚数で似ているところや違うところを調べながら、複素数を理解していきます。計算のルールを機械的に覚えるのではなく、図形的な意味を確かめながら学ぶので、深い理解に繋がっていきます。複素数平面と極形式の関係や、複素数と三角関数の関係についても直観的に確かめます。

第3章「水面に映る星の影」では、共役複素数について学びます。正五角形という具体的な図形を使って共役複素数の意味と役割をとらえ、計算と図形の関係を体験していきます。

第4章「組み立てペンタゴン」では、正五角形を定規とコンパスで描きます。単に図形を描くだけではなく、数の操作と代数的な意味を一つ一つ確かめながら進みます。それによって方程式、三角関数、ド・モアブルの公式、1のn乗根、行列といった多くの数学的概念の相互関係を学びます。

第5章「広がりを求めて」では、複素数という「二次元の数」を拡張することを試みます。「三次元の数」や「四次元の数」を作る試行錯誤を通して、交換法則、結合法則、分配法則などの数の法則を再確認します。さらに行列を使って数を表現することと、四元数の構成を行って、本書は幕を閉じます。

感想・レビュー・書評

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  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/571452

  • 三角関数と表裏一体に見える
    不思議と思うのは理解が足りないのか

  • 新しい世界
    新しい数字を定義する
    虚数、
    その虚数から複素数の世界。
    定義することで数学がはじまる
    矛盾なく世界が新しく生まれる。
    定義した数字を
    グラフにしたり
    式にしたり
    いろんな世界を飛び回るように
    遊びまわるように、
    四次元の世界へ。

  • こっちのほうがついていける
    最後の研究は数年暇潰しになりそう

  •  数学ガール秘密ノートで自分にとっての最後の1冊を読み終わりました。今回は「複素数の広がり」という副題となっています。複素数は高校の数学で習いましたが、「2乗すると-1になる」というそれまでなかった概念が導入されたということは理解していたと思うのですが、それで何が便利になるのか、どういったことに使われるのかについては教えてもらえなかったと記憶しています。

     数学ガールでは用途については特に説明されていませんでしたが、複素数を常に図形で表してみたり、実数との違いについて丁寧に説明したり、共役複素数という互いに虚数部分の絶対値が等しい複素数について図形で確かめながら説明がなされ、「嘘」の概念ではなく、実際に図形上確認のできる「実際の」数値的概念であることが理解できるようになっています。
    a+biの共役複素数はa-bi
    a-biの共役複素数はa+bi

    また複素数を三角関数で表現できることも確認した上で、複素数の積は加法定理を介して偏角の和と単位円に対して絶対値をもって図形上表現できることも学びました。

    その後、先生からのメッセージで「正五角形を複素数を介して図形上表現」し、テトラちゃんの希望から、その頂点を「実際の複素数」で表すといったことも行いました。

    最後に複素数に対して3次元数、4次元数を表現することができるのかどうかを証明していきます。そこではまず3次元数は矛盾があることを証明しました。また4次元数はテトラちゃんの「ベクトルで表現する」というアイディアとその方針では一部の矛盾を内包していることを確認します。しかしそのアイディアを生かして積の交換法則を回避した複素共役を利用した数式の変換で表現できることを仲間と一緒に証明するのです。

  • 36年前は複素数平面は高校数学の範囲外だったので、複素数を平面上にプロットし、極形式で表現する辺りからとても興味深く読み進めることができた。後半の三元数、四元数への展開も面白かった。

  • 複素数は交流電力のときに必ず出てくるから高校でやったけど、これが最後行列までいくとは思わなかった。

  • 2021-08-05
    複素数の話なんだけど、読み進めていくと四元数の話になって、その辺から最近ボチボチ勉強してる群論に繋がってきて、ワクワクします。
    個人的に伏線回収って気持ち。

  • 本編より易しめに扱った「秘密ノート」でも、後ろ半分くらいはたいていついて行けなくなりますが、はじめのユーリのあたりで、「普通にわかる範囲の算数・数学」から、各巻のテーマの世界へ緩やかにつないでくれるのがありがたいです。

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著者プロフィール



「2023年 『数学ガールの秘密ノート/数を作ろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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