宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶 (SB新書)
- SBクリエイティブ (2020年12月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784815605223
作品紹介・あらすじ
日本一壮絶な宇宙への夢をかけた挑戦 !
2008~9年に行われた第5期 JAXA宇宙飛行士選抜試験。
その試験でファイナリスト10人まで残った宇宙船技術者が、本気で宇宙飛行士を目指した挑戦のものがたり。
宇宙飛行士の採用基準は、忍耐力? 体力? 語学力…?
壮絶な選抜試験の舞台裏は、夢を追い地道に努力する若者たちが互いに刺激し合いながらも、己自身と戦う場だった!
そこで求められたものとは?
12年間語ることができなかった「選抜試験への挑戦」、「そこで出会った同志たちとの熱い絆」、
そして「挫折からの長きに渡る葛藤」を赤裸々に描くことで、夢を追うことの美しさと悪魔性の両面を描きだす。
宇宙への夢をかけた本気の挑戦を、筆者の肩越しに覗き見ているかのような臨場感で追体験できる。
大人気漫画『宇宙兄弟』に負けないリアルがここにある!
感想・レビュー・書評
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宇宙や宇宙飛行士への情熱が本から伝わる!
油井飛行士や山崎飛行士のような、夢を叶えた人の本は読んだことがあるけど、”夢破れた”側の本にはどんなことが書いてあるのだろうと不思議な気持ちで読んだ。
宇宙飛行士選抜試験や受験者について、想像すらできなかったことが細かく楽しく書いてある。
著者の気持ちや失敗話も盛り込まれ、一緒に受験しているかのような気持ちになる。
みなさん優秀で能力が高くて、日本にもこんなに素晴らしい人たちがいるのかと圧倒されるとともに、誇らしくもある。
著者が合格しないと分かってから、油井さんがチーム全員で折った折鶴(これも試験の課題)を宇宙に持っていき、クーポラに飛ばした写真を見ると、あまりの美しさと仲間の太い絆にジーンとした。
宇宙に夢を抱く人、大人になってから夢を実現しようとする人、夢破れた人、空気が澄みだして星が綺麗だなーなんて思う全ての人に、情熱が届く一冊!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
素晴らしかった!!
『本気の失敗には価値がある』
まさにリアル『宇宙兄弟』の世界でした。
宇宙飛行士選抜試験は日本で唯一、宇宙飛行士として生きる夢に挑戦できる場所。
ストレス負荷下での過酷な試験、人間ドックの三倍の精密な医学検査、JAXA閉鎖環境試験など、その内容は想像を絶するものばかり!
必要なのは、宇宙飛行士として生きる「覚悟」と、ミッションを共にする仲間と築く「信頼」。「人間力」が問われるという。
『宇宙という「共通言語」でつながっている様々なバックボーンを持った仲間が集まっている。―-将来の月面有人探査を思い描きながら、様々な分野のエキスパートと語り合える贅沢な時間を満喫した』
『根っこでつながる同じ夢を持った同志』
ファイナリスト10名の絆、油井さんとの折鶴のエピソードが素敵。読みながら緊張や興奮、悔しさが伝わってきて何度も胸が熱くなりました!
貴重な裏話もたくさん知ることができて嬉しかったです。
21年秋 第6期宇宙飛行士候補選抜があるとのこと。受験者の方に声援を送りたい!
著者は「こうのとり」 のフライトディレクターとして活躍、現在は新型宇宙船開発に携わっているそうです。
今後の日本の宇宙科学分野の発展を祈ります。 -
2023年1月のはじめ。
たまたまつけたTVでやっていた宇宙飛行士選抜試験の番組。思わず見入ってしまった。息子の顔が浮かび、思わず録画した。
熱い。情熱。好奇心が最高潮に刺激された年始だった。
そこからこの本を見つけて、ようやく読み終わった。率直に、こんな宇宙に近い世界があるんだ、というワクワクと、宇宙飛行士という夢に懸けて努力して努力して結果を受け止めて昇華するまでのエピソードに、胸が熱くなった。
30代、読むべき。
『大人になったら限界が見えてくる、選択肢が狭まる。だからこそ、“本当に自分がやりたかったこと”に向き合う必要がある。それを具体的な目標に変えて…夢破れても、夢の実現方法を変える。』
宇宙兄弟を熟読し始めた小2の息子に内容をかいつまんで話す。息子の特性を鑑みると、知れば知るほど宇宙飛行士には向いてないんじゃないかと思ってしまう気持ちもある。でも、「月に行ってみたいんだよね」と話す彼の顔がすごく素敵だから。
今はその気持ちを大切にしてほしいなと思う。
未来はわからない、今のその気持ちの延長線上に未来がある。私も同じようにワクワクしながらいたい。宇宙は途方もなくわからなくて、楽しい。 -
図書館で借りて。しかし買おうかな。
この回の試験については他の方の体験談も既に読んでいたので、違う視点からの感想としても楽しめた。
油井さんの第一印象が顔色が悪い!とかで率直なのが笑えた。(激務で本当にお疲れだったとのこと)
ご本人にとっては深刻な悩みだとは思うが、乗り物酔い体質なのもちょっと面白く感じてしまった。 -
著者ご本人にお会いする機会もあり、漫画宇宙兄弟が好きなこともあり一読。宇宙飛行士選抜試験の最終選抜に残った方だからこそ書ける臨場感。
参加者同士の雰囲気や合格まであと一歩と迫った不合格者の気持ちの変化は普通のビジネスマンとなんら変わることもなく、多くの人が自分自身の日常に置き換えて読めるかも。 -
油井さん、大西さん、金井さんと一緒に受験し、惜しくも最終試験で涙を飲んだ。IHIで「こうのとり」のフライトディレクターを勤める。
ライバル同志のはずが合否を問わず固い絆で結ばれる。単なる美談ではなく、それほど苛酷な試験であり、互いを認め会うのだろう。リアル「六太」だ。
それにしても、かなり悔しいだろうにここまで赤裸々に書いてしまえるとは、凄い精神力だと恐れ入るしかない。それくらいのメンタルでないと宇宙飛行士なんて目指せないんだろうな。
次の募集がいつになるか分からないが、後に続く若者に期待しかない。 -
リアルに勝るものはないとはこのことだと思う。宇宙飛行士って、想像に容易く、ほとんどの人が知る存在だが、その認知以上にそこまでに到達するまでのドラマがあることを改めて感じた。そして、人類全体の希望を背負っている存在だとも改めて感じた。昔、人間が船を作り海を渡り、新たな大陸を発見する、そしてその後無事に戻れたらラッキー、というような時代と似ていると感じた。我々人類は宇宙という新たなステージに向かって少しずつ努力と前進をしており、その最前線に宇宙飛行士がいる。もちろん地球から支える人々も多くいる。そういった人達の存在が未来を創造していくのだと改めて感じた。勉強になった。
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火星の人を読んで、宇宙飛行士の資格みたいなものに興味がわいてこちらに辿り着きました。
作者の生々しい声に、おんなじ人間なんだなという気持ちと、やってる事出てくるワードにやっぱり超人集団なんだなというドリーム感を味わいました。
全力でなにかに打ち込む
同じ夢を持つ仲間に会える
内容だけではなく合否がある
挑戦だけではなく、その後の12年の葛藤を描くなんてすごいですよね。リアルを感じる本でした