2050年 衝撃の未来予想

著者 :
  • TAC出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784813271116

作品紹介・あらすじ

苫米地英人が提示する「2050年」社会構造、政治、経済、戦争、ビジネスほか、気になるテーマを世界・日本両面から徹底的に紐解く。

感想・レビュー・書評

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  • 個人的に、この本を読んで、これから最も必要になることは、

    自ら、思考し、考えて、実行する時間を如何に作り出すことかなと思いました。
    当たり前だろ!、と思いますが、その行為が相対的に重要になるだろうな思いました。

    また、「考えない時間」というのも増々大事になると思いました。
    思考する時間と思考しない時間を、如何にバランスよくとるかが、
    これからの自分の人生で最も大事なことになると思いました。

    数年前から、AI時代に必要とされる能力は何か、
    消える職業や消えない職業などの議論が盛んにおこなわれていますが、
    多くの内容は、不安を煽るだけで、参考になるものは少ないと思いました。

    特に、今はスマホと24時間「つながる生活」です。
    膨大な情報が毎日垂れ流されている中で、
    如何に効率的に自分にとって有利になる情報を得るか、
    が、個人的に大事と思っていましたが、実は、それらから、如何に距離を置いて、
    著者のいう「やりたいことをやれ!」を実行するのが、
    人生のゴールを実現する上で大事なことだと思いました。
    なぜなら、やりたいことをやる上で、今の社会は、あまりに雑音が多いからです。

    そもそも、思考しなければ、自分にとって、何が重要で、何が重要ではないのか、
    わからないわけで、それを阻害する環境は、スマホだけじゃなく、メディアもそうでしょう。
    ちなみに日本人のテレビ視聴時間は、平均年間1200時間です。
    一日の平均活動時間(寝る時間と食べる時間を除く)は13時間といわれているので、
    年間約100日程テレビを見ている計算になります。15分おきに3,4社ほどの商品CMを見てる
    ので、年間19200回CMを見ていることになります。
    スマホの場合、テレビ以上の視聴時間があるでしょう。考えるだけで、恐ろしいと思います。
    人生の貴重な時間を年間100日、10年で3年分、テレビやスマホに使っているわけですから。

    より良い人生を築く上で、その手段として「つながらない生活」が、
    ますます、大事になっています。その中で、思考する時間を、より増やし、
    やりたいことをやる上での生産性を上げのが大事だと思いました。
    ただ、毎日、思考する時間とうのは、有限だと思います。
    ぶっ続けで10時間も、思考することはできません。
    つまり、何に対して、思考するのかが、今まで以上に大事になるということです。

    また、思考する時間と同じくらいに、「思考しない時間」=頭を空っぽにする時間、
    あらゆることに「反応しない時間」を持つことが大事だと思いました。
    それは、休むことであり、運動かもしれませんし、瞑想かもしれませんし、遊びかもしれません。

    少なくとも、英語やプログラミングを学べば、
    AI時代に対応できる!という、これがあれば、なんとかなる論や、
    やはり、公務員になることが一番良い職業の選択!
    というのは、2050年の未来を考える上で(それは、自分の人生をこれからどうしたいかということで)、
    本質からずれているなと、はっきりわかりました。
    大事なことは、可能性は無限だけど、時間は有限で、
    その制約の中で、何を思考し、実行するかでしょう。

  • 著者はフルブライト留学生。私よりはるかに頭脳明晰な方だと思うのだが、読み終わった印象は、トンデモ本。
    2050年に平均寿命が110歳、120歳という時代になっていてもおかしくないとか、2050年には公務員も官僚も政治家も人工知能に置き換えられ、一つの国が一つの人工知能網で成り立つとか、そんなことあり得ないでしょ。赤ちゃんが死ななくなって平均寿命が伸びるのと、老人が死ななくなって平均寿命が伸びるのとは訳が違うし、今のなんちゃってAIを過大評価しすぎ。シンギュラリティが来ちゃう派なの?
    資本主義が民主主義を飲み込むといった話は、現時点でもそうなので、そういうディストピアはありうるとは思うが、それも陰謀論に毒されすぎのように思う。
    また、では2050年に向けてどうするかという点に関しても、ほとんどの人には役に立たない。新しいものを生み出すために自分がやりたいことをやるって、そういうことができる人が何人いるのだろう。自分がやりたいことをやるというだけなら、いくらでもそういう人はいるだろうが、それで新しいものは生み出せない。大抵の人は消費して終わり。だって、資本主義にどっぷり毒されているから。お金のために働いてはダメなんて書いてあるが、そうしないと死んじゃう人が圧倒的多数派。好きなことをやって、パラダイムシフトを起こすような爆発的な生産性を実現する?できたらいいよね。食うに困らない金持ちのボンボンの発想だと思う。

  • 筆者のかなり偏った考えに基づいた内容となっているが、将来を予見するには、このような自分とは異なる考えを持つ方の考えも取り入れて、総合的に自分の頭で考える必要があると感じた。
    当然ながら、全ての考えが相容れないわけではなく、共感できるところもあり、また共感できなくてもそういう考えもあるなあと思えるだけでも読んだ価値があると思う。
    子供達には、大学時代には専門性よりもリベラルアーツを大事にする大学選びをすることや、自分との向きい方や人工知能がより発達する将来に向けた仕事との向き合い方も一緒に考えていきたい。
    また今後のロシアの動きにも注視していきたい。

    ・一般に生産性を上げるために行ラべきとされている努力は、ほとんどが方向性を誤っているのです。人間にしかできない生産性、それは効率化や最適化だけではたどり着けない、まったく新しい何かを創造したり表現したりまるごとです。これは言い換えれば「自我」の領域を鍛えるということ。人間にあって人工知能にないもの。それが「自我」であり「煩悩」です。つまり、前章で繰り返した「やりたいことをやれ」とは、自我を鍛え、人間としての本来の能力を発揮しろ、という意味でもあります。
    ・逆に言えば、「いらない仕事=誰かの代わりにやる仕事」とは「自我を必要としない仕事」なのです。
    ・皆さんのなかには「自我を押し殺して従順に働くからこそ対価として賃金がもらえる」と思っている人もいるでしよう。仕事はお金のためと割り切って、その分、趣味で好きなことをやる。ワークライフバランスを大切にしよう。これこそ金融資本家による洗脳にほかなりません。金融資本家にとっては、低水準の生産性で単純労働に従事する、まるで自我のないロボットのような存在ほど都合のよいものはありません。
    ・金融資本家はメディアを使った洗脳だけでなく、教育へも強い影響力を奮っています。官僚や弁護士を養成する法学部、銀行家の論理である経済学部、さらには商学部、経営学部などは、大学院で専門訓練をして学ぶことであり、学部の学問ではありません。人間の自我の発露を促すりべラルアーツ(教養)は軽視され、ロボット予備軍を育成するために職業訓練的な知識だけを叩き込んでいく。
    ・この負の連鎖を断ち切るためにも、私たちは職業知識ではないりべラルアーツを広く学び、自我の命ずるまま「want to」に従って生きるほかありません。どんなにビジネススキルを磨いても、誰かの代わりに過ぎない仕事をしている以上は、金融資本家の奴隷であり、人工知能と同等の扱いを受けても文句はいえません。新しいものを生み出すためには「自分がやりたいことをやる」以外に道はないのです。
    ・デジタル社会、サイパー社会となつた205O年では、アナログであること自体が価値として成り立っている可能性が高いのです。そして、「アナログ=人間らしさ」であり、「人間=自我」です。つまり、必ずしもクリエイターでなくとも、やりたいことをやり続け、その世界で唯一無二の自我を発揮できれば、そこにニーズが生まれ、価値が生まれます。
    ・これからの時代の「付加価値」とは、決して世間かいうようなデジタルなスキルや狭い専門性ではありません。人間が長い歴史の中で培っできたりべラルフーツを学ぴ、広く深い八間性を身につけること。その上で、やりたいことをやり、社会のニーズに適った機能を提供できる人間になっていくことが重要なのです。
    ・界は金融資本主義および金融資本家によって絶対的に支配されています。民主主義は資本主義によって壕瑠され、確実に息の根を止めようと迫ってきています。正直に政治家が胸に手を当てて答えれば、お金以外の理由かないカジノ法を強行採決したことは、まさに民主主義か金権資本主義に敗北した証です。
    ・メディアにコントロールされないでください。権威のいうことを信頼せず、自分の目と預で判断してください。国内企業の皮をかぶった、国際金融資本の動きから口をそらさないでください。そして、自分に付加価値をっけ、生産性を高めてください。自分に正直に、やりたいことをやってください。
    ・ロシアはまだポテンシャルを生かしきれていない状態。近いうちに日本の高度経済成長期に匹敵する年率30-40%の経済成長フェーズに入ることが予測されます。ただ、そこに至るには経済制裁が解除されることが大前提となります。

  • 陰謀論のような主張が延々と続き辟易したが、一つだけ面白い考え方があった:虚ニーズに踊らされ、必要のないものを買うために、必要のない労働に従事する日々とは決別すべき。我慢して必死に長時間働くのではなく、自分がやりたい仕事をして最低限生きていける年収をもらえばよい。

    仕事でどうしても嫌なことがあった場合、ステータスや収入を守るために無理して体や心を壊すよのではなく、この考えに従って逃げるという選択肢もあるのだと覚えておきたい。

  • 2050年には「90歳でも若造」の時代になっているらしい。理由として、1世紀経たずに平均寿命が2倍近く延びているから。今、平均寿命が延びているのって、寝たきり高齢者が押し上げてあるからだと聞いたことがある。
    単純に平均寿命だけをみても意味がないのでは?と思ってしまった。

    そんな感じで、色々書いてあるが、「なるほど!そうなのか!」というようなものには出会えなかった。

  • 既に、何でも屋的なフィールドワークの広がりを見せる認知科学者の当たるも八卦当たらぬも八卦な未来予想。
    しかし、最後の提言の実現化如何によっては、彼が日本の救世主になる可能性もある。

    「2050年の3種の神器は、人工知能、人工知能を脳でコントロールするインターフェース、遺伝子操作」(P27)
    「ビットコインは発行者や運営者が不在で、その価値は重要と供給のみに依存している。流通通貨になるためには、通貨発行権者に十分な信用力と供給量をコントロールする術が必要」(P49)
    「株主構成で大企業の多くは外資に実権を握られている。経団連がTPPに積極的なのは、彼らが外資のイエスマンだから」(P62)
    「日銀砲の正体は、株価下落を防ぐようにみせかけ、実際はある特定企業の株に投資し、資金を外資へと垂れ流している」(P66)
    「日銀の株主構成は、45%が民間分でそのうちの6%が金融機関だが、残りの39%はどんな個人が保有しているのか不明」(P88)
    「世界の支配権をめぐる争いは、国家と銀行という争いというフェーズから、銀行と投資銀行の争い、金融資本家同士の覇権争いに移行している」(P100)
    「TPPの本質は自由貿易ではなく、多国籍企業による日本経済の支配である」(P107)
    「TPPは国家権力すら超越する力を持っている(ISDS条項の存在)」(P111)
    「(TPPという)表向きは自由でフェアだとされる世界統一ルール・グローバル経済主義によって、締結国は立法・司法・行政権を蹂躙され、国家主権を奪い取られます」(P115)
    「日本のメディア(テレビ局や広告代理店)は外資比率上限の20%を超える違法状態が続いており、実質的に外資に乗っ取られている」(P128)
    「サイバー防衛能力を強化するために、日本独自のOS・制御システムの開発が急務」(P171)
    「金儲け以外に理由のないカジノ法案を強行採決したことは、民主主義が金権資本主義に敗北した証」(P220)

    こうした一連の問題提起と提言を実行に移すべく、「苫米地サイバー国構想の実現化」を推進しているそうですので注目しましょう。

  • サイエンティストが書いた未来の社会本
    ・歴史は繰り返すのではなく、歴史を生み出してきた社会や人間の行動理念が変わらない
    ・人間が織りなす社会の構造から発せられるニーズやエゴが政治や経済を動かす

  • 先の未来はこうなる
    可能性がいろいろ考えられる本

  • フォトリーディング&高速リーディング。

    このまま世界が続くなら、氏の予想のようになるかも知れない。とはいえイスラエル再建とエルサレム回復の聖書預言の成就から、終末の預言成就が近いとすると、あと30年もこのまま続くとは思われない。そこを差し引くと、結構楽しめる。

    電子通貨やネット国家など、面白いアイデア満載。きっとこのようになる気もするが、携挙がなければの話。

    星三つ。

  • 著者が自信をもって予言している様々な未来の姿はひとつの意見としては参考になるが、彼は日本の株式市場のオーナーの構造について完全に誤解している。

    MTBJの法人としての出自がチェース信託であるがゆえに、MTBJを外資によってコントロールされているとしている。また運用会社としてはブラックロックだけが登場するが、運用会社がフィデューシャリーとして第三者の資金を投資している枠組みを理解することなく「外資に牛耳られている」という評価は、残念な無知。

    彼ほどの頭脳を持つ人物でも、資産運用ビジネスの事を理解していないことがわかる。金融資本主義という言葉で資産運用ビジネスをグリーディーな腹黒な悪人に仕立てるのはムカつく。

    医療、AIに代替されない仕事、富裕層の娯楽、といった内容は参考になった。


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著者プロフィール

認知科学者(計算言語学・認知心理学・機能脳科学・離散数理科学・分析哲学)。
カーネギーメロン大学博士( Ph.D)、同 CyLab フェロー、ジョージメイソン大学C4I&サイバー研究所研究教授、公益社団法人日本ジャーナリスト協会代表理事、日本外交政策学会会長、コグニティブリサーチラボ株式会社CEO 兼基礎研究所長。マサチューセッツ大学を経て上智大学外国語学部英語学科卒業後、三菱地所へ入社、財務担当者としてロックフェラーセンター買収等を経験、三菱地所在籍のままフルブライト全額給付特待生としてイェール大学大学院計算機科学博士課程に留学、人工知能の父と呼ばれるロジャー・シャンクに学ぶ。同認知科学研究所、同人工知能研究所を経て、コンピュータ科学と人工知能の世界最高峰カーネギーメロン大学大学院博士課程に転入。計算機科学部機械翻訳研究所(現 Language Technologies Institute)等に在籍し、人工知能、自然言語処理、ニューラルネットワーク等を研究、全米で4人目、日本人として初の計算言語学の博士号を取得。帰国後、徳島大学助教授、ジャストシステム基礎研究所所長、同ピッツバーグ研究所取締役、通商産業省情報処理振興審議会専門委員、早稲田大学研究院客員教授などを歴任。また、晩年のルー・タイスの右腕として活動、ルー・タイスの指示により米国認知科学の研究成果を盛り込んだ最新の能力開発プログラム「 TPIE」、「 PX2」、「 TICE」コーチングなどの開発を担当。その後、全世界での普及にルー・タイスと共に活動。現在もルー・タイスの遺言によりコーチング普及及び後継者として全世界で活動中。一般財団法人サヴォイア王家諸騎士団日本代表、聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士。近年では、サヴォイア王家によるジュニアナイト養成コーチングプログラムも開発。日本でも完全無償のボランティアプログラムとして「PX2」と並行して普及活動中。

「2023年 『新・夢が勝手にかなう手帳 2023年度版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

苫米地英人の作品

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