- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784809677427
作品紹介・あらすじ
高校の英語教師として生徒たちから厚い信頼を受けているダヴィード・メナシェは、脳腫瘍に冒され余命宣告を受ける。その後6年に及ぶ病魔との闘いの末、生きがいであった教職を去ることを余儀なくされる。しかしメナシェは、教育者であり続けることを諦めなかった。すべての治療を止め、先の困難な道にひるむことなく、人生という名の新たな教室に踏み出す。「一人でアメリカを旅しながら元教え子たちを訪ねる」という大胆な計画をフェイスブックで発表するメナシェ。「僕は彼らの人生に影響を与えることができたのか」と、麻痺した身体を杖で支え、バスや列車を乗り継ぎながら、マイアミ・ニューヨーク・米中部・サンフランシスコまでの1万3000キロの旅路で、大勢の教え子との再会を果たす。たどりついた人生の教訓とは?
感想・レビュー・書評
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人生には思いがけないことが多数起きるが、そのようなときにどう考えて先に進んでいくかという事を改めて考えさせられた一冊。
私も常に前を向いて歩いていきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでいて心が痛くなった。
自分が病気だと知ったときに家族に対し「大丈夫」と言うこと、そして生徒に対し安心をさせること。そういった彼の言動全てを、私は痛々しく感じてしまう。
メナシェ先生が良い先生であることは間違いが無いだろうし、この先生に教わってみたいと私も思う。
彼自身の中での整理はどうなっていたんだろうか。自分よりも他者を優先したのではないだろうかと、不安になってしまう。それがものすごく痛ましい。
なぜ病気になったときに、自分より他人を気遣うのか、それは彼が「強いアメリカ人」で有りたいという幻想を護る為なんじゃなかろうか。
プライオリティリストという、決められたキーワードであっても指針を見いだすことは有意義だと思うのだけれど、この本は、プライオリティリストの有用さより、ひとりの強く生きている教師の伝記であるように思う。
そして、プライオリティリストを用いてきた彼が、自分の内面より周囲を気に掛ける時点で……プライオリティリストに手を出すことは怖いな、と思ってしまった。
プライオリティリストは、そうである自分というより、そうありたい自分になるのではないだろうか。 -
【人は誰でも、誰かに感謝されたい存在だ】
癌に侵された教師が、全米中の自分の教え子たちの所へ行き『自分は彼らの人生に影響を与えられたのか』を確認しにいく物語(ノンフィクション)である。
内容は癌になるまでの過程と、そこでの悩み、そして教え子達との交流を描いているが、残念ながらあまり中身に深みはない。
『人は誰でも、誰かに感謝されたい存在だ』という前提で、その確認に全米中を回るという話であり、そこに癌を患っていながらも成し遂げたという事実が、凄いでしょ?ということになっているに過ぎない。
ある意味お涙頂戴な内容なので、そういったことを期待して読むにはいいかもしれないが、それ以外は作者の自叙伝でしかない。
とはいえ、この本はブクログさんからプレゼントしていただいたものになるため☆2つにした。