日本の伝統色を愉しむ ―季節の彩りを暮らしに―

  • 東邦出版
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本棚登録 : 195
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784809412325

作品紹介・あらすじ

日本には数百種類もの色が美しい名称とともに伝えられている-。本書では厳選百六十色を詳しく紹介しています。

感想・レビュー・書評

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  • 本棚ですぐお隣に並んでいる『大和言葉』の本とシリーズ。
    こちらもそれはそれは美しく、まるで絵本かと勘違いしそう。
    このタイトルだけに、挿絵の色もさぞかし吟味しただろうと思われる。
    日本の伝統色には植物や動物、自然現象からとられたものが多くあると「はじめに」の部分に書いてある。
    自然の色合いには敵うはずもないのに、あえて多くの挿絵を施してくれてあるのは、読み手がよりイメージしやすいようにという配慮なのだろう。そこがまた、とても良いのだ。
    ネット上にも膨大な量の日本の伝統色は載っているが、こちらの方がはるかに理解しやすい。

    『大和言葉』の本と同じく、すぐ手元に置いて、いつでも開けるようにしたい一冊。
    「半色(はしたいろ)」と、「承和色(そがいろ)」を、本書で初めて知ることにもなった。
    なんとまぁ、奥の深い世界だろう。
    何度読んでも飽きることがなく、図鑑や画集を眺める楽しさにも通じるものがある。

  • 20180417読了。このシリーズは解説も分かりやすくて絵も綺麗で読みやすくて好きです。買い始めた当初は3冊くらいしか出てなかったのに、今では10冊くらいになってて、全部買えるか自信がないです(苦笑)

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 色の名前は、
    日本語で呼んでいきたいと改めて思った。

    そうすることによって、
    色が季節と結びつくから。

  • ★2016年度学生選書ツアー選書図書★
    【所在・貸出状況を見る】
    http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11600868

  • いろんな色が素敵なイラストと解説で書かれている。すごくよかった。

  • 伝統色を愉しむというタイトル通りの本です。
    その色が持つ意味合いや、小ネタ、料理や和歌短歌を紹介する一冊になります。
    色の仮名表記で、どういった色味であるのか見て分かるようになっているためイマイチこういう色だ!という実感はわきにくいが、説明を読むとおそらくこうであろうと想像がつく。
    一ページに掲載されているイラストもまた、読み手の想像をかき立ててる。

  • 最近、大和言葉について解説された本を読みました。そのレビューを書いているときに、日本の伝統色について解説されている本があればな、と思ったら普段お世話になっている図書館においてありました。

    どんなに寒くても暑くても、花粉に悩まされていても、2か月もすれば過ぎ去って新しい季節がやってくる日本、素晴らしいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・誰もが思い浮かべる四季の風景から色をうつしとったもの、平安時代の「かさねの色目」を意識したもの、面白い由来を持っている色をセレクトした(p3)

    ・桜色は、古代から日本人が愛してきた桜の花びらの色、現代は、ソメイヨシノや八重桜がおなじみだが、この色が誕生した平安時代は、ヤマザクラが主流(p10)

    ・ベニバナから抽出された紅色の色素が、口紅や頬紅となった(p13)

    ・無色透明の水は、青空や日光が反射して、海底や川底の成分となじわることで、淡く澄んだ青色に見えるようになる(p14)

    ・アクアマリンとは、海の水、という名前の通り、透き通った水色が美しい3月の誕生石で、日本では、水宝玉、濫玉と呼ばれてきた(p15)

    ・若草色とは、春の大地に芽吹いたばかりの若々しい草をあらわす、濁りの少ないあざやかな黄緑色(p17)

    ・ひな祭りの菱餅は、緑・白・桃色の3色がオーソドックス、地方によっては2色、5色もある。クチナシの実で色付けされた桃色の餅は、桃の花、白い餅は残雪、緑の餅は、春の芽吹き、を表現する(p23)

    ・寿司屋で「ムラサキ」といえば、醤油のこと。江戸時代に貴重であった醤油と、紫根(しこん)染めによる本紫の貴重さが共通しているため(p41)

    ・ラムネ瓶は、新橋色である、ビー玉は先に瓶の中に入れてから、口を絞る加工をする(p45)

    ・平安時代の「重ね」とは、平安装束である、「袷(あわせ)」の表地と裏地の色の組み合わせのことで、200種類あまり確認されている。「襲(かさね)」は、十二単のように、何枚もの衣装を重ね着する際の配色パターンである。(p49)

    ・瑠璃は、仏教で珍重された7つの宝(七宝)に挙げられる、青色の宝石のことで、瑠璃色はこの宝石の色を表す(p55)

    ・七夕で願い事を書いた短冊を笹に飾るようになったのは江戸時代から、朱・緑・黄・白・黒の5色の短冊は、中国の陰陽五行説にもとづく(p58)

    ・春の色は、萌木色(萌え出る木の芽の色を表す緑色)だが、萌葱色(同じ読みの、もえぎいろ)は、夏を迎えて色濃く成長するネギの色(p59)

    ・平安時代から紫は高貴な色で、位の高い貴族しか身に付けられなかったが、一条天皇(平安中期)により高官衣服が黒に統一されると途絶えた。江戸時代に人気の色となった(p60)

    ・臙脂色(えんじいろ)は、知性や品格をイメージさせる、人気のスクールカラーである(p73)

    ・萱草色(かんぞういろ)は、中国原産のユリ科の多年草、夏の野山にカンゾウは、古代中国では身につけると憂いを忘れるとされて「忘れ草」と言われている(p80)

    ・赤とんぼは、30度以上になると死んでしまうので、6-7月に羽化した後は、標高の高い山などへ移動する。秋になってくると戻ってくる(p93)

    ・ウコン(鬱金)色は、「さかんな金」という意味合いを持っている、その派手で「金」にもつながる色調から、江戸時代には財布や焼き物を包む布の色として人気があった。黄色い財布は金運を上げてくれるという説もある(p98)

    ・9月から10月にかけて、産卵のために戻ってきた鮭は、身が締まっていてどんな料理にも合う(p108)

    ・葉が赤くなる「紅葉」、黄色に変わる「黄葉」、茶褐色に変わる「褐葉」にわけられる(p109)

    ・10-11月に水揚げされる、マサバを秋サバという。産卵期を終え、旺盛に餌を食べ続けたサバに脂がのっていて美味しい(p120)

    ・古代から、燃えるような赤は、「火」「血」さらには「生命」の象徴であり、魔除けの色として利用されてきた(p134)

    ・バレンタインデーのチョコレートを贈る風習は、19世紀イギリスのチョコレートメーカが、ギフトボックスを発売してから(p136)

    2015年5月17日作成

  • 伝統色の由来や関連したものが絵付きで掲載されていて、とてもイメージしやすくなっています。日本人は昔から、自然とともに生きてきたんだなぁとつくづく感じると共に、日本人の感性って豊かでなんて素晴らしいんだろうと感嘆しました。今となっては横文字の色の名前の方がわかりやすいかもしれないけれど、日本にはこんなに素敵な呼び方があるということを覚えておきたいし、たくさんの人に親しんで欲しいと思います。 こういう本は、手元に置いて何かの折ごとに開いて見るのがいいですね。

  • 2015/1/31図書館から借りてきた。
    2015/2/7返却。

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