5歳の子どもにできそうでできないアート 現代美術(コンテンポラリーアート)100の読み解き

  • 東京美術
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784808710729

作品紹介・あらすじ

現代美術の作品を見て「これなら誰でもできる」とか「なぜこれがアートなのか」と疑問に思うことが多々あります。現代美術の本質を考えるとき、思想・文化的背景や美術史の流れから順序だてて学ぶのも有効ですが、この素朴な疑問に「答える」ところから入っていくと、意外に速やかに視界が開けていくようです。

感想・レビュー・書評

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  • 「評論家から酷評された100作品を取り上げ」とあり、ダリ、マグリット、ジャスパー・ジョーンズ等に始まり、ミロ、ジャコメッティ、デュシャン、マレーヴィチなども取り上げ、トニー・クラック、ジャン・デュビュッフェなどに及んでいる。後、初めて聞く作家がほとんどだ。5歳の子どもにできそうでできない部分とは、技術・構成力・意図性という。確かに、作品のこちらに訴えてくる迫力がすごいのだ。人に訴えたいというのが、プロということに違いない。何度読んでもはっきりと意味がつかめない文章も多いが、とにかく面白い。

  • 作品自体の精巧さや技法を見せるのではなく、発想や社会背景、メッセージを伝えるものとして現代アートはあるということをわかりやすく伝える書。でも何故それがそんなに高額で取引されるのかはよくわからないままだった。他の人ではダメだったのか、なぜその人だけ認められたのか、本当にその人だけの作品だったのか。

  • 2024.02.12 100のアートを一気にみていると、一つ一つは覚えていられないけど、なんとなく現代アート界隈で何が起きているか。少し感じることができる。

  • すごくシンプルで、よくわからなかった芸術について一つ一つ丁寧に紹介がされていて面白かった。

    子供でも書けそうなアートが、子供には書けない理由は、その画家のそれまでの芸術家としての活躍、人としての人生ストーリー、社会に対する思い、芸術的志向が背景により、後から意味付けされているに過ぎないと思った。芸術は社会や時代、作者、観るものからの意味付け無しには成立しないのだと改めて思った。

  • 作品数は多いが作品の画像より解説が大きく載っているのでどうしてもよく作品を見る前に解説に目が行ってしまうのが残念。作品の鑑賞には向かない

  • 小学生の頃、遊びをモチーフにした抽象画を描いたら心配された。絵を書くのが苦手だった。

    このような本は、そんな苦い思い出も本当は自分にもいろいろな可能性があったのだと教えてくれる。

    この本にでてくるぶきみな絵はどこかかわいらしいものが多く、でたらめだとこうは描けない。
    一見意味不明なアートにも明らかな意図を感じるものが多い。
    ただの灰色で埋め尽くされた空間でさえ、それ以上のなにかが聞こえる。

    とはいえ、まったくわからないものも多く、これは言語の違いであり文化の違いなんだということも解説から理解できることもある。なので美術館よりも楽しめた。
    おおよその材料や作り方も掲載されているので、なんならつくることさえできるのがすばらしい。

  • タイトル通りの本。
    現代アート100作品をカラー写真付きで紹介されている。

    その作品はなぜ5歳児には真似できないのか?という問いとその答えには自分のようなアート素人が一般的に考えずにはいられない「これのどこがアートなの?何がすごいの?」という素朴な問いへの答えでもある。つまりこの本はアートに疎い人でも楽しめる構成になっていると言える。
    ※深い意図がある、計算されている、実はたいへん技術が求められる、敢えて子供っぽく書いているというのが主な理由のようだ



    アートを読み解くにはその作品に描かれて無いもの(作成年代当時の歴史や社会の動き、作者の来歴、発言、芸術運動での文脈)を踏まえないとまともな批評すらできないなあと感じる。

    なるほど!と思う作品もあればふーん。とあまり響かずに終わる作品もあったなあというのが正直な感想。アートを批評できる人ってどんな思考回路を持っているんだろう。

  • ふむ

  • 現代アートを見ても なにがなんだか さっぱり (^^♪
     図書館の 新刊棚で この本を見つけて 手掛かりになれば とさっそく読むことに!

    1作目は、サルバドール・ダリ「ロブスター電話」

    参考 URLはこちら https://www.ggccaatt.net/2015/05/17/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB-%E3%83%80%E3%83%AA-%E3%83%AD%E3%83%96%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E9%9B%BB%E8%A9%B1/ 『【作品解説】サルバドール・ダリ「ロブスター電話」 』 :  - URLはこちら https://www.ggccaatt.net/ 『山田視覚芸術研究室 』 : 

    読んでいくと 思った以上に解説はまじめで、
     製作者(画家)のことを知らないと 作品の価値はわからない。
     作品だけを見るのではなく それがいつどんな状況で作成され、発表されたのか!
     作者は何を考えてこれを作ったのか、
    それらを知れば 作品が子供が作った(芸術じゃない)ものと 区別できるとのこと。

    でも、展覧会の展示をみて そこまで解説が書かれているとは限らないので、
     前もって予備知識を仕入れていないと鑑賞できないってことになるね。
     ネットに情報のない無名の作者の場合はどうなるのだろう。
     特に、自分の作品を「子供が作ったもの」と思われることを 意図している作品を前にしては・・・。

    アートの世界を 完璧に変えてしまったといわれる マルセル・デュシャンの「泉」。
    今でこそ解説は たくさんあります。
    参考 URLはこちら http://k-daikoku.net/duchamp-fontaine/ 『マルセル・デュシャンの「泉」。で、なんでこの便器がアートなの?? 』 : 

    もし、今最先端のそのような作品を目にしたら、やはり 自分の目だけでは無理 !!(>д<)ノ
     子供がアーティストでないと 言い切れないし〜。

    とはいえ 本書は 現代アートを見る手助けになります。
     知ってる作家が出てきたら なんだかホッと 安心したり。 (*^_^*)♪
    だけど、それほど現代アートが好きってわけでもないので、読むのを中止。

    2017/3/8 新刊棚で見つけて借りる。 3/9 読み始める。3/18 途中で中止。

    5歳の子どもにできそうでできないアート: 現代美術(コンテポラリーアート)100の読み解き

    内容と目次・著者は

    内容 : 原タイトル:Why your five year old could not have done that
    ダリ「ロブスター電話」、ムンク「叫び」…。
    なぜこれがアートなのか? アートとは何か? 楽しく読めて好奇心を刺激する入門書

    現代美術の作品を見て「これなら誰でもできる」とか「なぜこれがアートなのか」と疑問に思うことが多々あります。
    現代美術の本質を考えるとき、思想・文化的背景や美術史の流れから順序だてて学ぶのも有効ですが、
    この素朴な疑問に「答える」ところから入っていくと、意外に速やかに視界が開けていくようです。

    ―本書は、評論家から酷評された100作品を取り上げ、現代美術が決して子どもの遊びや単なる新奇な試みではないことを証明する。
    発表当初は物議をかもした“悪名高い”作品についても、当時の芸術上の思想に影響されて必然的に登場してきた経緯、そして後に与えた影響にも言及。
    現代美術とそれ以前の美術との本質的な違いが理解できるとともに、鑑賞体験をより豊かにするヒントを数多く得ることができる。
    19世紀末から現在までの100人のアーティストによる100作品を取り上げ、創造力の源となったものを解き明かす。
    芸術的な手法とその意味を探り、その作品がどれほど洗練されているか、背後にどれほどの努力が隠されているかに注目。
    コンセプチュアリズムからニューメディアアート、
    カラーフィールド・ペインティングからフルクサス、
    ポスト・ペインタリー・アブストラクションからポスト・ダダに至るまで、
    関連性のあるさまざまな芸術運動を取り上げ、現代美術史の流れの全体像を把握できる。

    目次 :

     第1章 オブジェ/玩具  (“ロブスター電話”サルバドール・ダリ “貫かれた時間”ルネ・マグリット ほか)

     第2章 表現/殴り書き  (“即興21A”ワシリー・カンディンスキー “包丁で切る…”ハンナ・ヘッヒ ほか)

     第3章 挑発/かんしゃく  (“魔術司教のコスチューム”フーゴ・バル “泉”マルセル・デュシャン ほか)

     第4章 風景/遊び場  (“白の上の白”カジミール・マレーヴィチ “工場”モーリス・ユトリロ ほか)

     第5章 人々/怪物  (“叫び”エドヴァルド・ムンク “フアン・グリス”アメデオ・モディリアーニ ほか)

    著者 : スージー・ホッジ Hodge,Susie
    作家、歴史家、教育者、アーティスト。
    学校では工芸と美術史を教えてきた。画家・イラストレーターとしてのキャリアをもち、技術書の執筆、絵画制作のワークショップも主宰する。

    日本語版監修 : 田中正之
    訳 : 藤村奈緒美・難波道明・徳永優子


     

  • 幅広く載っているのはいいんだけど、説明がいまいち。作者は「この作品で〇〇を表現しようとしている」とか言われてもどの部分に現れているのか、どうして独りよがりにならずに評価されているのかまでの踏み込みがなく消化不良。タイトルに惹かれて読んでみたものの期待はずれでした。

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著者プロフィール

美術史家、作家、アーティスト、ジャーナリスト、英国王立技芸協会フェロー。美術史、実用美術、歴史に関する100冊以上の著書がある。邦訳書に『世界をゆるがしたアート─クールべからバンクシーまで、タブーを打ち破った挑戦者たち』(青幻舎)、『5歳の子どもにできそうでできないアート─現代美術100の読み解き』(東京美術)、『美術ってなあに?─ “なぜ”から広がるアートの世界』(河出書房新社)。雑誌記事、美術館やギャラリーのウェブ用の資料も執筆しており、世界中の学校、大学、美術館、ギャラリー、企業、芸術祭、美術団体などのためにワークショップや講義を主宰・提供している。ラジオやテレビのニュース番組、ドキュメンタリー番組の常連コメンテーターであり、『インディペンデント』紙のNo.1アートライターに2度選出された。

「2023年 『細部から読みとく西洋美術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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