もっと知りたいマグリット 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

  • 東京美術
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (79ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784808710187

作品紹介・あらすじ

世界は謎と不条理に満ちている。シュルレアリスム絵画の入門書としてもおすすめ!

感想・レビュー・書評

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  • このマグリットの世界観、なぜか見ていてすごく安心する。「光の帝国」は小さな複製を部屋に置いている。
    世界はいくつもの薄い膜の層でできていて、それをそっとめくると別の世界が現れる。そうして現れたようなのがマグリットの静かで奇妙な絵の世界。

    個々の画家の作品には好きなものがあるけれど、シュルレアリスム運動というのがいまいち好きになれない。美術史・文学史的にみればそれは画期的だったのだろうけれど。なにより、父権的なアンドレ・ブルトンの存在というのが、なんというか、うるさい。

    (またブルトンは音楽嫌いを公言していた人でもあり、許せない笑)

    ルネ・マグリットもまた一時はシュルレアリスム一派に加わっていた。が、妻のジョルジェットが十字架を身につけていたのをブルトンが批判したのをきっかけに袂を分かったそう。意外にもパリにいたのはほんの3年で、あとはずっとベルギーで暮らしている。

    さてマグリットの絵画もデペイズマン(転置)によって、文脈から切り離された遠いイメージどうしをぶつけることによる驚きの効果を狙ったものが多い。
    が、たとえばダリとかと較べると、イメージと言葉の齟齬を主題化していたり、イメージが生み出す逆説を描いていたり、晩年には、日常の中にひそむちょっとした不思議・奇妙さを極大化させた作品も多く描いていたりと、わりとわかりやすい。グロテスクとユーモアの塩梅も絶妙。

    おそらくそれはマグリットが広告デザイナーだったこともおおいに関係しているのかも。彼の作品は今日でも広告として使えそう。

    戦争が終わったのがよほど嬉しかったのか、なにを血迷ったか印象派風の作品をいくつか残しているのがちょっと微笑ましい。また全然良くないのも微笑ましい。フォービズム風にも一度走っている。この時期の作品群以外のものはたいてい好き。

  • 『CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術』を読んで、気になったので。

  •  クールな中にもゾワっと心がざわめくマグリットの絵が気になって、彼を知りたいと思い、この本を手に取った。下記、マグリットの一生を超かい摘んで書き出してみる。

     マグリットはベルギー生まれ。幼少期、お母さんを自殺で亡くす。(のちにマグリットが描く絵に頭部がないイメージが頻繁に現れるのは、母の死が影響している。と伝えられている。)

     14歳の時に出会ったジョルジェットと7年後偶然再会し、その後結婚する。彼女がマグリットのミューズとなり、大切なモデルになる。そして生涯を添い遂げる大切なパートナーになる。(妻がモデルの裸婦画や肖像画をたくさん残している。奥様めちゃくちゃ美しい。)

     未来派、キュビズムなどなど前衛的表現を模索したのち、シュルレアリスムに行き着く!(パリに行く)

     夢の世界や独自の白日夢を描く!エロスな絵もどんどん描く!絵と名前が異なる絵もどんどん描く!コラージュ作品もばんばん描く!ノリに乗っていたけど、ブルトンと喧嘩して、シュルレアリスムから身を引き、ベルギーに戻る。

     急にタッチを変えて、ルノワールみたいな絵を描き出す!そして、何を血迷ったのか、ヴァッシュの時代が来る!野蛮な絵を描いて、パリにひと泡吹かせたかったらしい笑。

     その後、ブァッシュを封印笑。残りの生涯は"マグリットらしい作品"に戻る!山高帽のおじさんや、巨大化したモチーフ作品などなど、THEマグリットが確立する!

    【マグリットの人生】
    マグリットは画家には珍しく浮き沈みのない、極めて地味な芸術家だったそうな。

    【一言感想】
    私、シュルレアリスムやコラージュ作品が好きみたい。絵画めちゃくちゃ面白い。

  • 表象の画家マグリット。
    ”マグリットが、芸術家としての生涯を通じて取り組んだのは、きわめて日常的な事物に潜んでいる謎と神秘をいかに表現するかという課題であった。”

  • 「光の帝国」が大のお気に入りなので、表紙を見ているだけで幸福。この絵を表紙に選んでくれた事に感謝。この絵の解説も良い。 他の絵も大きなサイズで見れて満足。

    p.75「無限の認識」を見たとき、ジョジョの奇妙な冒険第五部での、アバッキオと親友(警官)が空に浮かぶシーンを思い出した。この親しげな様子、あの二人に似てるなぁと。 また同ページの、マグリットの言葉は大変印象的。

    マグリットがクノップフから多大な影響を受けているという考察(p.76-77)は非常に興味深かった。

  • ルネ・マグリットを知るには良い本だと思う。

    大阪中之島美術館のオープニングの超コレクション展でルネ・マグリットの作品が展示されていたので、本書を手にし、もっとこの画家について知ろうと思った。

    中々変わった絵が多く部屋に飾っておこうと思うものは少ない。

    しかし本展覧会で、展示された《レディ・メイドの花束》なら飾っていてもいいなと思う。
    何しろ描かれた女性は、ボッチチェリの『プリマヴェーラ』ですね。
    でもねー、本書には本作品が掲載されてないんだ。
    残念至極なり。

    ⭐️一つ減らすよ。

  • マグリットと彼の作品について広く知ることができる本。マグリット初心者だったので私にとってはとても良い本でした。

  • 〈空の鳥〉最晩年の作品、1966年。

  • 2017/01読了。以前行ったマグリットの回顧展で購入。マグリットの作品が解説付きで多数掲載。なんとなく眺めるだけで楽しい。

  • 構成が見やすい。
    マグリットのことがよく分かった。

    ブリュッセルに世界一のマグリット美術館があったんだー。行けば良かった。
    次に、ブリュッセル行く機会があったら、行きたい。

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