- Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
- / ISBN・EAN: 9784808708870
作品紹介・あらすじ
目に見えない内面の世界を奔放な想像力を駆使して表現した、一五世紀から二〇世紀までの幻想絵画をとりあげた。日本で初めて紹介する作品を数多く掲載し、62人の画家の魅力を探る。
感想・レビュー・書評
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誰が最初に取り上げられているか。
それは、ヒエロニムス・ボスであり、アルブレヒト・デューラー、マティアス・グリューネヴァルト、ジュゼッペ・アンチンボルトと続く。なるほど、確かにボスは現実にはあり得ないものを描いている。同じルネサンスのレオナルド・ダ・ヴィンチは、現実にはあり得ない大天使ガブリエルを描いているが、それは幻想絵画ではないようだ。単なる想像というより幻視という次元に近いものを指すのだろう。ブレイク、モロー、ルドンなどは確かにそうだろう。では、アングルやロセッティ、アンソールの絵画を取り上げているのは、なかなか微妙なところかもしれない。
内容は一画家に2~4ページをさいて詳しく解説してあり、この本で初めて知ったトマス・コール、イーブリン・モーガン、アンスター・フィッツジェラルド、ジャン・デルヴィル、ルイ・ジャンモ、カルロス・シュワーベなどもいて、なかなか愉しむことができた。想像力を飛翔させた絵画には驚きがある。そうか、飛翔ってところがみそかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「幻想美術」と一言で言っても、歴史画や宗教画などのスケールが壮大な作品から、夢や無意識など個人的な題材を扱った作品まで、色々有るんですね。平易且つ詳細で、これこそ「幻想美術の入門書」と呼べる内容になっております。
前の版も読みましたが、今作は新たに文章と9枚の絵画が追加されていて、今作から読む人は勿論ですが、前の版を読んだ人もお得になっています。
「世の中は夢か現か、現とも夢ともしらず、ありてなければ」(古今集)
「世の中は鏡にうつる影にあれや、あるにもあらず、なきにもあらず」(源実朝) -
ヒエロニムス・ボス。いわずとしれた。ジョン・エヴァレット・ミレイ。オフィーリアの人。ジョージ・フレデリック・ワッツ。山尾悠子の本の表紙。ギュスターヴ・モロー。ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ。ジュブヴィエーヴの後ろ姿が素晴らしい。オディロン・ルドン。この人の用いる青は異様。ゴーギャン。ギュスターヴ=アドルフ・モッサ。初めて知るが、凄まじい。ヤン・トーロップ。この人も初見。いい発見。こやまけんいちにも通ずるものがある。ムンク。ベックリン。クノップフ。この辺はもちろん。フランツ・フォン・シュトゥック。表紙にも使われている絵がよい。クリムト・シーレ。ドレ。ウジェーヌ・グラッセ。この人もよさそう。ロートレック。シャガール。デ・キリコ。ヴァルター・シュピース。これが今回の大発見。イヴ・タンギー。ジョアン・ミロ。エルンスト。マグリット。
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「幻想美術」と一言で言っても、歴史画や宗教画などのスケールが壮大な作品から、夢や無意識など個人的な題材を扱った作品まで、色々有るんですね。平易且つ詳細で、これこそ「幻想美術の入門書」と呼べる内容になっております。
前の版も読みましたが、今作は新たに文章と9枚の絵画が追加されていて、今作から読む人は勿論ですが、前の版を読んだ人もお得になっています。
「世の中は夢か現か、現とも夢ともしらず、ありてなければ」(古今集)
「世の中は鏡にうつる影にあれや、あるにもあらず、なきにもあらず」(源実朝) -
ルネサンスから現代まで、幻想画家を62名を代表作等・プロフィール等とともに紹介。オールカラーで、美術の門外漢にも見ていて楽しいし、わかりやすい。個人的に興味を惹かれたのは、ピュヴィス、クノップフ、クリムト、アンリルソー。「情報考学」ブログ推薦。
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一人の作家につき2〜4ページ程度の解説がついており、作品は見開きに1つ程度。既にある程度知っている作家の新しい情報を求めるとおそらく物足りないし、知らない作家の解説を読むにしても一人あたりの図版が少なすぎて、彼らの作風に関しておかしな固定観念が形成されそうな気がしなくもない……。
しかし日本ではそこそこマイナーな作家も数多く掲載されているのでありがたくもある。時代に沿って章分けされているのも分かりやすくて良い。 -
画家別の幻想美術の見かたについて簡単に解説したもの。
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シュールレアリズムってどんなもんだ? 知りたくて購入。イコノロジーでは、図象で具体化寓意・象徴といった観念を図象で具体化されているところを解釈していくわけだが、いわば言葉による図像の言い換えである。それが20世紀初頭の余韻や暗示、神秘を見るものに委ねる象徴主義になり、モチーフの組み合わせや関係性を組み替え、時には揺さぶることで、見る側に混乱と想像と幻覚を抱かせるシュルレアリズムに結実する。まあ、よくわからん。
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帯文(袖):”目に見えない内面の世界を奔放な想像力を駆使して表現した、15世紀から20世紀までの幻想絵画をとりあげた。” ”日本で初めて紹介する作品を数多く掲載し、62人の画家の魅力を探る。”
目次:幻想美術とは―千足伸行、第1章 近代以前の幻想絵画―ルネサンスからロマン主義へ、第2章 ラファエル前派とその周辺の画家たち―ヴィクトリア朝の愛の夢、第3章 フランス象徴主義の三大画家―モロー・シャヴァンヌ・ルドン、第4章 世紀末の夢と幻想―象徴主義とその周辺、…他