歴史をつくった洋菓子たち―キリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで
- 築地書館 (2017年12月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784806715498
作品紹介・あらすじ
洋菓子の文化が花開く18、19世紀のパリとウィーン。
お菓子の都で、洋菓子職人(パティシエ)たちは、今に伝わる洋菓子の傑作をどのように発明し、工夫し、世界中に広がる文化へ昇華させていったのか。
クレープ、アップルパイ、ザッハトルテなど身近な洋菓子たちとともに、皇帝、国王、貴族、市民富裕層とパティシエとの関係から、イチゴのショートケーキの由来までを豊富なエピソードを交えてひもとく。
感想・レビュー・書評
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愛知大学図書館のOPAC https://libopac.aichi-u.ac.jp/iwjs0012opc/BB00983933
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あるものの歴史やエピソードを探るのは楽しいものです。いつも食べてる洋菓子にはどんな歴史があるのか?そこには日本人には馴染みのない、宗教や文化のバックボーンが当然あります。でも著者がいうように、お菓子には公式な歴史書に記載されるよりも、口伝で記憶されてきた面が多いので、正確なところが確認出来ないし、言ってる間に変容してきたことも否めない。本書もその辺りを割り切って読むと楽しめます。日本人が書いたことで読みやすい気がする反面、他書で読んだことがある内容も結構ありました。
サンタクロースにはもともと従者がいて、これが悪い子供を食べてしまうという、怖い存在の話が出てきますが、善であるサンタに対し悪の従者ズワルテ・ピート。著者はここに「ヨーロッパ文化の本質が潜んでいる」といいます。反する性質のものが人の心の中にあってそれを反映しており、その根源に神と悪魔の存在があるとします。でも反する性質を表した文化は洋の東西を問わずあると思います。 -
奪い合うようにガレットを買う市民、面白すぎでしょ
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『お菓子でたどるフランス史』が面白かったのでリコメンドでよく出る本書を読んでみた。
キリスト教や地域の風習と西洋菓子の関連性がメインで取り上げられている。食べ物の話は眉唾物が多いが、原典を当たって検証した貴重で、かつ、読みやすい本だと思う。店名の由来となっている人名や仏語もわかると興味もわいてくるし、ケーキ文化は英国から持たされた、本来の意味が変わってしまったものの昔からネーミングや口コミで苦労していたことも参考になった。
酒と同じく、ストーリーを知っていると味わいも変わるし、パティスリーに行く楽しみが大きくなった。 -
<閲覧スタッフより>
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所在記号:383.83||ナカ
資料番号:10241004
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摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50085854 -
洋菓子の裏に知られざる歴史あり。
確かに洋菓子の出所は、あまり記録がなくてあやふやな感じで書いてあるものが多い。そういった伝説を、解説しているのが珍しい印象。この「諸説あります」状態が、インターネットの時代、本当にどれが歴史的事実に基づいているのかわからなくなっていく気がする。どんどん伝説が増えていきそう。こういう研究が少ないというなら、この本はとても有意義。