チーズと文明

  • 築地書館
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本棚登録 : 161
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806714576

作品紹介・あらすじ

私たちが普段、何気なく食べているチーズには、<br>新石器時代から始まる壮大な歴史があった!<br>チーズというタイムマシーンに乗って、<br>西洋史を立体的に捉え直すとともに、<br>先人たちのチーズ作りの情熱に触れて、<br>チーズへの愛が一層深まる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 農耕の発明とほぼ同時期に家畜の飼育も始まったと思われ、保存発酵食品であるチーズもその歴史は相当古く、現存する痕跡は紀元前6500年。西アジアを発祥とし、メソポタミア、地中海(ギリシア、ローマ)を渡り、ヨーロッパ全土、新大陸へと伝わっていく様、技術開発の変遷などを辿れる1冊である。本物のチーズとワインとともに楽しめば良かったかなぁ…、ちょっと失敗(笑)

  • 9000年に渡るチーズから見た世界史とチーズの発展。
    著者はアメリカのチーズの専門家。巻末の参考文献が多岐に渡るのも信用して良いか。

    技術進歩や社会との関わりの中でのチーズの進化発展、各国のチーズ文化の盛衰からその国の成り立ちも垣間見える。最初の人間の乳糖耐性についての記述も非常に興味深く。
    多分チーズに興味が無いと、なかなか手に取らないと思うけど、古代史か英仏蘭米辺りの歴史に興味があれば充分楽しめる筈。
    最後は現代の地理的呼称保護の欧米の問題も取り扱う。アメリカ歴史背景というのはあまり考えたことがなかったけど首肯する面もある。

  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001023486

  • 地理的表示を理解するための参考になる本を探していて、この本に出会った。EUと米国の間のチーズをめぐる考え方の対立を、歴史を通じて理解することができたような気がする。

  • 著者は、ヴァーモント大学食物栄養学部の、ポール・キンステッド教授。チーズという食品を通して、西洋文明史をめぐる旅へと読者を誘います。
      
    メソポタミア文明やエジプト文明でも製造されていたチーズ。そのチーズ作りの歴史を振り返ると、塩と人類の深いつながりも見えてきます。塩水でチーズの保存性を高める技術が、古代ローマ時代の書物に登場するのです。
     
    この本の読者は、古代文明からスーパーマーケットの食品コーナーにいたるまで、チーズ作り九千年の歴史を旅することになります。政治や戦争の歴史とは一味違う、食の歴史です。
     
    身近な食べ物を通して悠久の歴史を振り返り、古の人々の息づかいや食卓の賑わいに想いを馳せてみませんか。

  • [評価]
    ★★★☆☆ 星3つ

    [感想]
    チーズには想像以上に古い歴史があることにまずは驚いた。
    日本には地域ごとのチーズなんてものは存在しないけど、日本では漬物みたいなものだろうか。各地域に合わせたチーズが生まれていく過程は面白かった。
    また神事と密接に結びついていることは意外だった。もっとチーズの種類を知っていれば楽しめたような気がするのがもったいないと感じた。

  • 古くから利用されているな。

  • アナトリアで家畜の乳の利用が始まった紀元前七千年頃、ヒトはまだ乳糖耐性を獲得していなかったから、家畜の乳をそのまま飲むのではなく、チーズに加工して食べていたはずという話(第1章「チーズの起源」)が興味深い。チーズの原産地名称保護を巡って合衆国と欧州連合とが対立しているという話(第9章「新旧両世界のあいだ」)は、チーズに限らず、まあそうだろうなと思う。2013年8月18日付け読売新聞書評欄。

  • たびたび章の頭が聖書のエピソードで始まるのが余分、かつ、古代の記述がなんとなく粗い気がしたが、それでも、着眼点は面白いし、現代の話まで連続した食の変遷が記されてるところがいい。今回は斜め読みで終わりにしてしまったけど、また改めて読んでみたい。

  • 少し難易度が高かったみたい。

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著者プロフィール

ポール・キンステッド(Paul S. Kindstedt)ヴァーモント大学食物栄養学部(the Department of Nutrition and Food Sciences)教授。乳産品化学とチーズ製造に関して、数々の論文や共著を執筆しているほか、様々な研究会を開催している。ヴァーモントチーズ協会との共著で『アメリカにおける農場作り(ファームステッド)のチーズ』(2005年)があり、研究と教育両面においてその専門領域は国内で高い評価を受けている。現在、同大学内に設立されたヴァーモント職人作り(アルチザン)チーズ研究所理事を務めている。

「2013年 『チーズと文明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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