先生、カエルが脱皮してその皮を食べています! 鳥取環境大学の森の人間動物行動学

著者 :
  • 築地書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784806714002

作品紹介・あらすじ

日々起きる動物珍事件を人間動物行動学の"鋭い"視点で把握し、分析し、描き出す。絶好調、先生シリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • 6月も終盤ということは、今年も折り返し点に来たということだ。
    本シリーズは年内読破を目指しているので、順調なら9冊目のはずが、まだ4冊目。
    興味をそそられる本が次から次へと現れ、このシリーズ読破の優先順位が落ちてしまうのだ。

    鳥取環境大学の近くの田んぼには沢山の生き物が集まってきていて羨ましい。
    アカハライモリ、メダカ、カスミサンショウウオ、タニシ、カエル、ドジョウ、ミズカマキリ、カルガモ、ヌートリア、アオダイショウ、ドブシジミ、イタチ、ホオジロ
    アオダイショウやイタチには遭いたくないが、我が家の近く(散歩圏)で実際に遭遇するのはカルガモくらいだ。
    最近はカエルにも出会わない。
    本書の話題の一つがカエルの脱皮だが、カエルやイモリが脱皮することは想像したことがなかった。
    カエル、イモリ、ヘビ、は好きな生物ではないが、正面から顔だけ見ていると可愛らしいと感じるのが不思議だ(写真だからかな)。

    本書はシリーズ4冊目だが、既刊の3冊が面白いのでNHKに出演することになり、イモリ3匹を机の上に解き放った(打ち合わせなしのいたずら)話とか、
    5頭いるヤギのうち1頭だけが柵で囲まれた小屋の中と外を自由に出入りする、脱走方法の謎解きの話は面白かった。

    次の5冊目は、小林先生の研究室の全容が見れるらしいので興味が増す。
    早めに読もう。

  • 再読しだして止まらなくなったシリーズ。
    ・ヒキガエルの脱皮
    ・ヤギコの脱走と講義
    ・スナガニ
    ・子ガラスをレスキュー
    ・再生池づくりの田んぼ
     ー前肢の指をドブシジミに挟まれたアカハライモリ
     モビング
     ーイタチをモビングするホオジロ
     ーシベリアシマリス、ヘビに対して行うモビング
    ・NHK出演
    ・柵を飛び越えるヤギ、クルミ
    何度読んでも爆笑。特に、クルミが面白すぎる。モビングはとても興味があるので、ペーパー掘ろうと思う。スナガニの穴の型取りもしてみたいが、waderの捕食痕とかも型取りしてみたい。ロマンですな。

  • ヤギがユニコーンのように柵を飛び越える!…クルミにはフツーのことのようです…それで薔薇の蕾とか食べたらダメだけど、今回は笑いに笑いこけました!

  • 鳥取環境大学の小林先生教授の第4弾です。

    3冊目は残念ながら、我らが図書館にはありません。

    告解します。
    お恥ずかしながら、両生類が脱皮する事を私、知りませんでした。
    調べてみると両生類の脱皮した皮は、とても薄く、タイトルの通り大抵は食べてしまうので、ほとんど見かけることはないそうです。
    また、鳥の換羽も脱皮に含めるそう。
    勉強になった!

    またモビングや鍵刺激について…そういった行動をとることは知っていたけれど、その意味・意義について学んだ。
    ここでもこの行動が、遺伝子に組み込まれているらしいこと。

    遺伝的繋がりについて判別するというか…遺伝的な近い遠いを意識しているという事について、どういう仕組みなんだろうと不思議に思う。
    それは、その個体の記憶なのか、それとも匂いやなんらか外形的に現れる何かなのか。。
    群れを作る生き物であれば、普段からそういったことを意識しているものなのか、どうなのか。
    例えば同巣の昆虫でも、その中においても相対的な近い遠いを知っているものなのでしょうか…
    生き別れの兄弟なんかでも、わかったりするのか…?

    行動学と遺伝の関係、気になります。
    とても興味深い。

    お話が面白いのはもちろんですが、とてもためになる書籍だと思います!!

  • シリーズ化されている動物行動学の本。
    実体験を基にして洒脱な語り口調で、面白おかしく表現していて、この先生が動物をこよなく愛しているのがよく伝わる。
    文章としてはやたらと独りツッコミ的なところがあるが(笑)、読者をより笑いへと誘うもので、決して読むテンポの邪魔にはならない。
    個人的には『モビング』という被食者が捕食者に自ら近づいていき、一定の距離を保ちながら、捕食者のまわりで警戒的な動作や発声を繰り返すという行動に興味が沸いた。
    しかもそれを人間にも当てはめようとしているところに、観察眼の鋭さを感じざるをえない。
    これは少し対人関係においても応用できそうなものである。
    例えば自身が嫌いな人物や上司に、(一定の距離感が難しいが、)敢えて懐に入り込み、相手を好きにならずとも、また退散させることはできないまでも、アイツは他の者と違うといった一目を置かせ、自身に対する攻撃を緩和させるといった行動も可能ではなかろうか。
    普段動物に親しくないが、本来は大きく学ぶべきことがあることを本書は教えてくれる。

  • 載ってる動物の写真が、不思議なことに、どれもかわいいのです。
    著者である先生がご自身で撮ったものだそうで、おそらく、動物に対する愛情がにじみ出てるのだと思います。

    軽妙なエッセイ調で、先生が日々体験している環境学や行動学についてのコトが綴られていて、楽しく読むうちに、それらの学問についてのさわりが学べたりできちゃいます。

    鳥取環境大学の先生による、動物行動学(人間・生徒・先生ご自身含む)についての、分かりやすい読み物。

    しかも笑えます。

    げらげら笑えます。



    大学で飼ってるヤギのヤギコとのあれこれとか。

    脱走したヘビのこととか。

    ドバトとか。



    動物好きには溜まりません。

    ますます動物や自然界が愛おしくなります。

  • ヤギ部、ああヤギ部よ

  • p.74 自分の認識が変わること=対象の理解が深まった を喜ぶのである。それが好奇心や学習欲求や芸術活動の生物学的原動力なのである。
    p.126

  • 山羊のクルミとミルクの母娘が可愛い。このシリーズは動物への愛情が溢れててホントに楽しい。

  • 高校生の時に読んでいたらきっとこの大学を選択肢の一つとして検討しただろうなぁ、とは思う。

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著者プロフィール

1958年岡山県生まれ。
岡山大学理学部生物学科卒業。京都大学で理学博士取得。
岡山県で高等学校に勤務後、2001年鳥取環境大学講師、2005 年教授。
2015年より公立鳥取環境大学に名称変更。
専門は動物行動学、進化心理学。
これまで、ヒトも含めた哺乳類、鳥類、両生類などの行動を、動物の生存や繁殖にどのように役立つかという視点から調べてきた。
現在は、ヒトと自然の精神的なつながりについての研究や、水辺や森の絶滅危惧動物の保全活動に取り組んでいる。
中国山地の山あいで、幼いころから野生生物たちとふれあいながら育ち、気がつくとそのまま大人になっていた。
1日のうち少しでも野生生物との"交流"をもたないと体調が悪くなる。
自分では虚弱体質の理論派だと思っているが、学生たちからは体力だのみの現場派だと言われている。

「2023年 『先生、ヒキガエルが目移りしてダンゴムシを食べられません!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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