まってる。

  • 千倉書房
3.94
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感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (52ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784805108680

感想・レビュー・書評

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  • 人生には色んな「待ってる」ことがある。
    人それぞれの「待ってる」がある。

    ケーキが焼けるのを待っていたり、クリスマス、雨がやむこと、誰かのノック、手紙を待つこともある。

    出会いや再会の日も心待ちにする。
    喧嘩すれば、仲直りのきっかけを待つ。

    病気が良くなる日や戦争が終わる日を待つ切実な願いもある。

    そして……「生」を待つ。赤ちゃんを迎えたり、お兄ちゃんと呼ばれる日を待望する。
    反対に、「さようなら。ありがとう」と言わなきゃいけない日も来る。

    横に長い形の大人の絵本。
    人生の色んな「待ってる」が、1本の赤い糸で長く繋がるように描かれている。ページをめくるたびに、次はどんな「待ってる」ことがあるのか、この赤い糸を読者が手繰っていけるのが良い。
    気持ちが優しくなるお話だった。

  • 『「待つ」ということ』という本を読んだところなので、こちらの『まってる。』という絵本を読んでみた。

    絵本って本当に面白いなというのを再確認した素敵な本だった。

    内容もさることながら、発見して興奮したのが、以下↓
    本作の特徴として、絵と共に赤い糸が全ページに登場していてオシャレ可愛い。そして裏表紙には「au fil de la vie…」と書いてある。意味としては「人生の流れに沿って…」で、絵本の内容にマッチ。更に、この慣用句の中の「fil」という単語単体は「糸」という意味。つまりつまり、文字通り「赤い糸が人生の流れを伴走する」という掛け言葉(掛け絵柄?)になっている。オシャレ〜!

    本書は日仏併記で、あとがきには「この本はフランス語で書かれたものを、小山薫堂さんが読み取った物語です。あなたも是非この本から自分だけの物語を紡ぎ出してみてください。」とある。
    つまり、フランス語から正しく翻訳することは二の次にしているからこそ、フランス語も併記しておいた、という方針で作っているのかなと思った。
    実際「ん〜フランス語で書いてあることと日本語で書いてあることがずれてるな?」と思うページは結構多かった。

    だからといって支障はないものの、「…qu'elle ne souffre plus」というのは「もう彼女が苦しまないようになることを(待っている)」という意味。原文の意味も愛に満ちていて素敵だと思うのでこれだけは紹介したかった。

  • 2006年発表。


    人生は
    様々な『待ってる』で
    溢れている。



    お兄ちゃんと呼ばれる日。



    おやすみなさいのキス。



    恋をし、運命の出会いが訪れる日。 



    戦争が終わる日。



    新たな命の訪れ。



    仲直りのきっかけを…。






    一人の少年が家族と触れあい
    愛に育まれ、
    やがて大人になり恋を知って、
    戦争が始り、出兵し、
    子供が生まれ、
    老人へとなっていく中で訪れる
    様々な出会いと別れ。


    嬉しい待ってると

    悲しい待ってるの数々。




    ヨーロッパ各国で異例の売り上げを記録している
    フランス語で書かれた『MOI, J'ATTENDS…』を
    映画『おくりびと』の脚本も手がけた
    放送作家の小山薫堂さんが日本語に訳した絵本です。



    何かを待つということは
    その日まで生きるという意志だと思う。 
    (約束もそうですよね)

    未来へと思いを馳せ、
    何かを待ち続け、努力し、信じることで
    それは明日を生きるための
    希望へと変わっていく。 


    若い頃は待つことは苦痛でしかなく
    苦手だったけど、
    40歳を越えた今は、待つことが楽しくなった。
    (想像力が増したからかな?)


    誰かを想う時間、
    希望を胸に過ごす日々は
    それこそが至福のとき。
    (たとえそれが悲しい結末となっても)



    さよならだけが、人生だ。




    なんて誰かが昔言ってたけど、

    僕もまだまだこれからの人生、
    何度も何度も
    何かを待ち続けて生きていくのだろう。




    友との再会を。

    復活の日を。

    笑い合えるその日を。




    赤い糸に導かれ続いていく
    ある1つの人生を、
    シンプルでいて温かい言葉と、
    印象的な赤い毛糸と、
    可愛いイラストで綴った、 
    大事な人への
    プレゼントに最適な絵本です。


    横長の封筒に見立てた装丁もインパクト抜群で
    オシャレだし、

    フランス語の簡単な原文も併せて書かれていて
    味わい深く、
    誰もの心に何かを残してくれる一冊だと思います。

  • 〝人生には様々な「まってる」が待っている。「お兄ちゃんって呼ばれる日を...」 「運命の出会いを...」 「戦争が終わるのを...」 「“さようなら。ありがとう”って言わなきゃいけない日を...」〟・・・ ひとりの男の子の成長と人生が、素朴なイラストと簡潔で印象的な言葉で綴られた、フランスの ベストセラ-"MOI,J'ATTENDS..." を、放送作家・小山薫堂さん翻訳による、エレガントでおしゃれな大人の絵本です。

  • よくよく企画したのだと思う。
    赤い毛糸のモチーフが印象的。

  • ぶん/こやまくんどう とあるので勘違いした。
    雰囲気絵本という言葉があるならぴったりかも。

  • 人は誰かを待って、誰かに待たれて行きていくのだと言うことに気づかされました。私も両親に待たれていたのかなあと感じました。私自身、自分の家族を持てずに終わりそうなので、作品の全てを理解できるとは言い難いですが、短い内容ではありますが深い作品でした。

  • 中古購入
    大人向け

    絵本の形と表紙のデザインに惹かれて
    赤い糸がその場の状況によって
    様々に形を変える
    細い線でゆるく描かれた絵も
    話をかたくしすぎず
    とても良いと思う
    私もすっかり まってる 側だな

    大人向けの絵本と書いたが
    小学校入園前の下の子は
    なんだか気に入っている
    言葉の繰り返しの楽しさなのか
    大人がいいと感じているのを
    感じ取ったのか…

  • フランスで出会った友人のお祝いを探していて出会った本。
    言葉は少ないけれど気持ちはたくさん詰まってる。
    いつか私も原著が欲しい。

  • 原文(フランス語)と併記されているのはいいのだけど、個人的には「ここでそれやったらあかんやろ!」という部分が日本的に意訳されている(子ども向けにされている?)のが非常に残念。なので、星3つ。

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