- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784804763460
作品紹介・あらすじ
自分が嫌い。人に頼れない。何もしたくない――どうしようもない生きづらさを抱える人へ。秋葉原のクリニックで、傷ついた心に寄り添う心療内科・産業医が教える、あなただけの“セーブポイント(安心の拠点)”を作る方法。
感想・レビュー・書評
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生きづらさを感じる人にはタイプがある。
①メランコリー親和型
②HSP
③愛着スタイル
3-1.安定型
3-2.不安型
3-3.回避型
生きづらさを感じる7つの原因
①べき思考
②反芻思考
③自責思考・他責思考の混同
④二分法的思考(完璧思考)
⑤理想化
⑥見捨てられ不安
⑦自己憐憫
この本は読みこんでパターンまでしっかりと頭に叩き込んで体系的な理解まで腹落ちさせる価値があると感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
精神科医の著者。ゲームが好きな著者が開業している秋葉原内科saveクリニックの名前は「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトにしている。その発想が優しくて好ましい。
まえがきとあとがきがこの本というか著者の想いが詰まっていた。その部分を読んでほっとするし「生きる勇気」をもらえると思う。
本編は内容が雑多でひとつひとつが浅くなってしまっていていまいち響いてこない。ちょっとわかりずらいし。
広く浅くでもいいから、もっとゲーム寄りに振り切ってくれたらあまり本を読まないゲーム好きたちにも薦めやすかったのだけれど。
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(まえがきより)
アニメ、ゲーム、映画、小説、アイドル、コスプレ、BL(ボーイズラブ)、演劇、二次創作ーー。それらのコンテンツにハマることが、生きる上で心の拠り所になっている。言い換えれば、「コンテンツが人を救っている」ということです。
(あとがきより)
人によっては小説だったりアニメだったりするだろうけど、「逃げ込み先としてのコンテンツ」の価値はもっと理解されていい。
ずっと「勇者」になりたかったのだけど、じゃあ、誰にどんな勇気を与え得るものでありたいのか。それは、僕のすぐ近くにいる、絶対に死んでほしくない大切な人に、「生きる」勇気を与えられるものになりたい、ということがよくわかった。
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あとがきに書かれた著者の喪失体験に衝撃。著者の活動の力になっている背景の一端を知ることができた。 -
生きるのをラクにするために必要なこと
・3つの信頼(自分への信頼、他人への信頼、世界への信頼)が必要だと理解する
・信頼(相手がいい人であり、自分に好意を持っているから裏切らないだろうと期待すること)と安心(自分を裏切ると相手自身が損するから裏切らないだろうと期待すること)の違いを理解する
・自己肯定感(成果を出していなかったり、周囲の期待に応えられていなくても大丈夫だと思える感覚)と自己効力感(仕事で成果が出ている時や周囲の期待に応えられているうちは大丈夫だと思える感覚)の違いを理解する
・正しい自己認識と幸福度が強く関係していることを理解する
・自分自身の思考の特性、行動パターン、愛着スタイルなどを知る
・自分を不幸にしている思考・行動パターン(べき思考、反芻思考、自責思考、白黒思考、理想化、見捨てられ不安、自己憐憫)から離れ、別のやり方を試してみる
・どんな仲間(いつでも安心を提供してくれる人、愛のある批判者)が必要かを知る
・生きづらさを解消するためのキーワード(分人主義、ドパミンの奴隷、小確幸、体内時計と太陽光、批判の種類と対処法、ストレスコーピングの効果とコスト、自己決定と納得解)を知る
また、陰性感情(嫌悪・怒り・憎しみなど)を抱いた時には、浮かんできた感情をまず認め、溜め込まずに早期に吐き出したり、名前をつけたりしたあと、その感情を自身の直後の行動と切り離す。
以下、気になった文章を引用する。
ある程度の予期があるからこそ、日々をつつがなく生きていくことができる
一定以上の予測誤差を経験すると自分の予期自体が信じられなくなる。
「自分の予期が信じられない」状態こそが、まさに「生きづらい」状態と言える
日本人は世界の中でも「他者を信頼する傾向」が極めて低い人種と言われています。そこには、相手を信頼するリスクをとるよりも、相互監視によって裏切ったら相手が損をするという“安心”によって社会を成り立たせてきたという背景があります。
自己肯定感は“浮き輪”のようなもの
人の思考回路は「よくわからない曖昧なもの」に対して、どう対処するかを考えられるようにはできていません。
私たちは誰かにとって「わかりやすい人生」を送るために生きているわけではありません。それより「自分にとって納得がいく、幸福度の高い人生を送ること」こそが重要なはず。
何も足を踏み出していない状態で、それが『やりたいかどうか』を判断するのは難しい。『やりたいこと』は常に『やったことがあること』の近くにある
ネガティブな感情を感じること自体は悪くない
「べき」が多いほど、その人の「怒り」も多くなります。(略)「べき」が多い人というのは、要は「めんどくさい人」なのです。
相手の責任範囲の問題に手を加えることもまた、境界線を越える行為(ラインオーバー)であることを自覚する必要があります。
「わかってほしい」という気持ちは厄介な煩悩であり、その気持ちが強いほどわかってもらえなくなる
悪いのは「理解してくれない相手」なのではなく、「自分の抱えている幻想」なのだ、という視点の切り替えは、問題解決の可能性を大幅に高めるでしょう。
「私もあなたも、不完全な人間である」という現実的な認識に立つことができれば、多くのことは楽になります。
「自立とは、依存先を増やすこと」(略)頼れる相手が増えれば、一人ひとりとの関係にも余裕が生まれます。
「寝室に『人間関係』を持ち込まない」(略)人間関係を目の当たりにしてしまうSNSを、寝る前に見るのはやめたほうがいい。
いつでも戻ってこられる安全基地を得ると、人はチャレンジができるようになります。
課題に向き合うということは、「できていない」ということを認めることであり、それには勇気と謙虚さが必要です。謙虚であるとは、自分の足りないところや至らないところから目を背けないことであり、「弱点」を認めることです。
同じ土俵に立っていない相手とは議論できないし、話し合う余地もない
相手の行動の由来が善意からのものであったとして、それを理由にあなたが受け取らないといけない義務はまったくありません。
ストレスコーピングにおいて、3や4くらいのストレスに対して毎回Aやジョーカーなどの強カードで対抗していたら、全体の手札が弱くなって負けてしまいます。(略)ストレスの大きさに応じて、いろんなカードが試せる状態をつくっていくことが、ストレスマネジメント力のレベルアップにつながります。
相手の自己決定を奪うことは、相手の幸せを奪うことに等しいのだ
人生の選択に絶対解などありません。あるのは納得解だけです。
「カードをめくること」を続けてさえいれば、いつか「生きててよかった」という夜を探し当てられるかもしれない。 -
うつ病HSPには役に立つことばかりでここにまとめることも難しいくらい。
生きづらいメンタルを抱えて「人生ハードモード」状態な人たちに向けて、自分のタイプを見極める、見えない敵の正体を知る、敵を攻略するためのキーアイテムを手に入れることを教えてくれる本です。
個人的には、「僕らは生きるためにもっと『コンテンツ』の力に頼ってもいいんじゃないか」という言葉に1番共感しました。今日まで、嵐とかあつ森とかのコンテンツに生かされてきた自覚が私にもある。 -
コーピングマントラは非常に参考になった。
文体から優しさがひしひしと伝わってきて、精神科医としての能力の高さを感じながら読め、納得しながら読み進めることが出来た。
分人主義、小確幸、ラインオーバーに対するシールドを持つ、自己決定。 -
ゲームの例えがわかりやすくて、すいすい読めた。
色々と心に残った言葉や考え方はあったけど、あとがきを読んだ時は泣いてしまった。
お守りにしたい本がまた増えた。 -
生きづらさ(敵)の正体と対処法。
自分自身、ずっと生きづらさを感じていて、実家を出て少しだけ楽になった。
その理由をこの本を読んで言語化できた気がする。
「自分の人生を自分で決めて自分で責任を負うこと」
これが善く生きることに重要な要素。
親に支配されていた自分はこの要素がなかった。
中学生、高校生の頃の自分に読ませたい。そうしたら少しは心が楽になったかも。
つらい出来事があったときにゲームや漫画やアニメにハマって傷を癒そうとすることを自分の周りからは批判された経験があるけどそれは批判されるようなことじゃない(価値観の問題)し、コンテンツに救われることはおかしくないと思えたのも良かった。 -
じこれんびん黒魔法
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ドーパミンの奴隷になっていたことに
気付きました。
心身のバランスを崩さないためには
日常を耕すということが大切。
ミクロの幸せを集めながら生きていきたいと思いました。