自己愛性パーソナリティ障害 正しい理解と治療法 (心のお医者さんに聞いてみよう)

  • 大和出版
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784804763071

作品紹介・あらすじ

うつ病・適応障害・不登校・摂食障害・脅迫神経症……これらの病気の陰には、もしかして自己愛の問題が?今増加の一途をたどるこの障害の特徴、構造から治療の実際、自分で自分を変えていくヒントまでを図解でわかりやすく解説

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすくてわかりやすい理解の深まる本でした。

    ・生きる意味を求めること自体が自己愛性パーソナリティ障害の病理
    ・等身大の自分がいない障害

    というのが印象に残りました。

    また自己愛性パーソナリティ障害の人が訴えるトラブルとして

    ・非定型うつ
    ・強迫性障害
    ・対人関係困難
    ・引きこもり、不登校
    ・DV

    が、挙げられており、果たして上記のトラブルを抱えた人のどれくらいが自己愛性発達障害に気がついてもらい、適切な対応を受けているのだろうかと思いました。

    発達障害や共依存と関わりがあることもあるというのも、なんだか納得です。

    また、幼少期の母子関係というものは、本当に人生に影響を与えるとも思いました。



  • 【概略】
     自己愛性パーソナリティ障害は「自己を愛せる病」ではなく「自分を愛せない病」である。対人トラブルが多い、敏感すぎる、傷つきやすい・・・その内面に横たわっているのは実は「思い描く自分」と「とりえのない自分」のみであり「ありのままの自分」が存在していないことに起因していた。「等身大の自分」を作り上げることで、また結果のみにこだわるのではなくその過程に価値を見出すことで色々なものが剥がれ落ちる。その第一歩として、知ること。知るための、一冊。

    2021年02月27日 読了
    【書評】
     「一体自分は、何と戦っているのだろう?」と思ったり、相手の言葉(とりわけ自身に対する批評など)に対して敏感に反応してしまうところがあり、手に取っって読んでみた。ストーリーを楽しむ読書というよりは、詳細なパンフレットを読むような感じの本だった。そりゃそうだ、お医者さんが監修した、自己愛性パーソナリティ障害とは?という「知ってもらうため」の本だものね。
     「それは本当に自分のやりたいことなの?」なんて自問自答しちゃうこと、ある?何かを選択するにあたり、その判断基準が他人からの目だったりすること、ある?たとえば「このテの本を読んでいると他人から見られると、知的と思われる or ヤバいヤツだと思われる」からその本を読む(または、読まない)とか。もちろん、程度はあるので100%純粋に自分の判断で!なんてことは計れないけれども、存外、自身の「やりたい」から離れた決断をしちゃってる人、いるんじゃないかなぁと思っていて。
     あと、語彙力の違いと、寓話「群盲象を評す」にあるような、同じモノでもそれを表現する語彙の違い、そして感じ方の違い・・・この「違い」をしっかり自覚しなくて、外側から入ってくる「言葉」を「自身の物差し」で解釈してしまうことによって生じる「(批判への)敏感肌」・・・この辺りも、辛いと思っている方、多いのではないかなぁ?と想像してる。自分もそうだしね。
     自分は医師ではないから、読書をしたからといって即座に「自分が当てはまる or 当てはまらない」と判断するのは早計だし危険だと思う。だからそこの判断はせず、純粋に本を読ませてもらって感じたことだけを下敷きにして、上の2点については、やっぱり隅っこに追いやりたいと思ったね。
     本の中では、殊更に「等身大の自分」「ありのままの自分」を見つけるということに力点が置かれていた。理想の自分に「のみ」価値がある(周囲から必要とされる)のではなく、ダメな自分「なんて」無価値(周囲から見放される)のでもなく、ただそこにいる自分を受け入れるということが大事だとあった。ここって自己愛性パーソナリティ障害というレベルまでいかなくても、ココロのバランスをとるのにめちゃめちゃ大事なんじゃないかな。と同時に、「どうやって?」の部分に難しさを感じた。そりゃそうだ、この本は説明の本であり、本だけで解決できるものじゃないからね。
     もし仮に、この書評を読んだ方で、似たような悩みで苦しんでるなら、この本を読んでいる最中に自分が感じたことを試してみると、ひょっとしたら、ひょっとしたら、なにかの光明につながるかも。それは、自分が子ども、可能なかぎり小さな子どもの時代を振り返って、その自分に注がれていた視線を思い出してみるといいかも。周囲からの言葉じゃなく、視線、ね。言葉だとひょっとしたら「いい子でいないといけないモード」を誘発しちゃうかもだから。なんというか・・・「そこにいてくれるだけで、いいの、あなたは」的な視線って、なにかしらあったようが気がするのだよね。それがひょっとしたら、糸口になるのじゃないかなと。読み終わってすぐの印象だから、その効果のほどは全く保証できないけどね(笑)
     「結婚してないから、家庭をもっていないから、育児経験がないから(半人前)」なんて言葉はもう時代遅れだし、それを自分ではない人にぶつけるべきではない・・・けれど、ひょっとしたら、その言葉には(いや、「にも」かな)、何か大きな意味はあるのかも。相手にぶつけても、自分に(自己批判として)ぶつけても有害だけど、なにか含んでいる。なんとなく最近「いてくれるだけで、いい」って感覚がわかってきたから、そんな風に思ったよ。
     ありのままの自分、もってますか?

  • うつ関連を色々調べていたらこのワードが出てきて、まさにこれは私の父だなあ、そして私もその気質があるなあと思いこの本を読んでみた。
    自己愛性パーソナリティ障害についてとてもわかりやすくまとまっていて、さらに多くの人が少しは自己愛に囚われているんだな、とも感じた。
    囚われから少しずつ抜け出していけたらなと思う。

  • 自分を長年苦しめてきたものがこの本によって自覚できたと思う。
    理想的で完璧な自分(無力な現実の自分を認めたくないが為の空想)と取り柄のない自分。
    この両極端な2つの人格しか自分は持っていなかった。ありのままの自分を認める事が出来なかったので2つの極端な人格を作り出してしまったのだ。これは「偽の自分」だと思う。別に特別である必要はないのだと気付かされた。人間に優劣は関係なく関係性の中で生きるものだ。ありのままの自分で生きていけるようにこれから意識していこうと思う。
    幼少期に母親から大事に育てられはしたが無条件に愛された経験はなかったと思う。片親で生きることに必死だったために愛情を注ぐことまで余裕がなかったのだろう。
    愛されるという感覚自体が乏しいように感じる。未だによく分からないでいる。
    今までは母親を責めていたが母親の人生を本人の立場に立って主観的に考えると無理もないだろう。
    あるがままの自分を受け入れることによって人との適切な関係性も理解できると思う。愛する事もそういう中で自然と芽生えるのかもしれない。
    この本に出会ったのも遠藤さんからの対等な人間関係を築けないという一言からだった。優劣でしか人間関係を築けない事を自覚できて良かった。

  • 等身大の自分の不在という分かりやすい表現。
    簡単なワークもあり、良い。

  • 職場に、この障害だと思われる人物がいる。
    この本を読んで、確信した。

    周りは迷惑しているが、本人は自分が正しいと
    思っているので、結局、距離をおくしか
    解決策が無い。

  • 友だちとおもろーな人の話になって、たまに自己愛性パーソナリティじゃ?って話になり、この本があるとそうだーってなる。
    人への理解を深めるためによき本。

  • 当事者や当事者と良好な関係を築いている人には参考になると思う。
    被害者意識全開の当事者(身内)とつき合わないといけない私には、だから?としか思えなかった。結局本人が認めないとなんの進展もないし、恐らく当人は自分が障害持ちだと言われても理解しないし酷いことを言われたと全部人のせいにするだろうし。
    何か解決の糸口になるかと思ったが無理ですね。

  • 悩んでいる人にはわかりやすい

  • 自分のトリセツを読んでるかのように、思い当たることばかり。
    図とポイントが織りまぜられてるので、とても読みやすく、理解が深まりました。
    サクッと読めます。
    参考書のようなもので、読んだからと言って治療になるわけではないです。

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