お父さんがキモい理由を説明するね―父と娘がガチでトークしました (Linda BOOKS!)
- 泰文堂 (2014年4月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784803005325
作品紹介・あらすじ
この本は、娘と接点を失っているお父さんのために書きました。年頃になり、関係が途切れがちになった娘と会話を重ねた、三ヶ月にわたる奮闘を描いたものです。途中で妻が乱入、しまいには祖父まで巻き込むことに。三世代で繰り広げたバカバカしいくらいマジメなトーク。気取らず、気負わず、ひたすらホンネで語り合いました。
感想・レビュー・書評
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父と娘のマジトーク...ここまで話せたらすごいなぁ、と感心。トークの内容は父が「キモい理由」だけではなく、「恋愛」「友情」「いじめ」「生きる意味」...おじいさんも巻き込んで、「死」など幅広い。
娘のさおりさんが中一なのにしっかりしている。きちんと愛情を注いで育てられていたのだろうということが感じられる。でもきっと、うちの娘にもこれくらいのひきだしはあるのだろう。もっと話をしてみたくなった。向き合い方のコツみたいなものも記されているので今後の参考にしようと思う。
「もしこの世に、純度百%のピュアな愛が存在するとしたら、それは『父の娘への愛』」という言葉には百%同意!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんて素晴らしい企画!
著者の勇気と機知に脱帽。指導口調になったり常識論に走ったりせずに勇気を出して本音を語り、子どもの発言に対し遮ったり否定したりせず全力で傾聴する。というのは簡単に成せるワザではないだろう。
そして娘さんも、考えをこんなにしっかり言語化できるのはスゴイ!こんなに言語化能力に秀でているのは、作中でも語っていたけど、日常的にから芸術や活字に触れているからなんだろうな。しかし何より、思いを語る勇気がすごい。
随所でうるっとなってしまった。良書。 -
始め方
落ち着ける場所と時間を確保する。非日常感が大事
話すと聞くは半々
立場は捨てる
自分が勇気を出して話し始める。失敗談とか。
話すときに第三者に理解できるように整理して文章にするというルール
恋愛について、娘が恋愛をする前にしか話せない。
小学生には夢を語らせて肯定し、中学生で急に偏差値など現実を押し付けるのはおかしい。親も子供の密かな夢や目標を知った方が良い
勉強や経験が夢につながることを説明し、情報収集を手伝うことで後押しする。
長所と短所について話すため、性格診断テストを使う。
権威を使い、自分が謙虚に受け止める姿勢を示す。親に言われるより響く。
子供に指摘させることでフェアに。
子供を勉強するように仕向けるにはいろいろ工夫する。興味を持ちそうなコトを探して渡す。興味を持てばそっと離れる。
一つでも子供のリスペクトを得られる領域があれば素直に聞いてくれる。
子供のトラブルに対応するためにも人間関係の把握は重要。
いじめを親に相談するのはかなり難しい。
親がどんな対応をとるか分からないという不安が大きい。怒鳴り込むのか、責めるのか、突き放されるのか分からないと、相談するリスクが高い。
信頼関係を築き、親の価値観を伝えておき、いざという時の行動指針を明らかにしておくことで、リスクは減らせる。
親の後悔について話す -
生きる意味や恋愛、いじめ、タイトル通り「キモい」理由など、なかなか人と話さないようなことを語り合った、ある親子の記録。
とても興味深い。自分も、然るべき時に子供とそういう話が出来るように、毎日をしっかり生きていかないと。 -
父「キモいって?」娘「本当にオェェェって感じで気持ち悪い。ゾワゾワする」
娘を持つ父親は必読。向き合って会話する、本当に大切なのに殆ど出来ない。題名とは違い、とても心温まる一冊。 -
借りたもの。
思春期の娘と父親が早朝のファミレスでマジトークするという、その行動力と懐の深さに感嘆してしまう。
この父娘はきちんと互いに向き合っていると思った。
思春期の子供と向き合って悩んだ時の指標になると思った。(そのためにはこの父娘のように信頼関係が無いと無理だとおもうけど……)
親世代が「自分の生き方(かつて自分の通った道)が正しい」と、子世代に頭ごなしに人生について語るのではなく、「今」と「昔」の時代の変化を感じながら、「昔」からの普遍な事実や「将来」について「今」を模索する若者たちの考えを汲みとっている。
それは著者の留学体験やブロガーという立場故に、価値観の多様性や時代の流れに敏感であることもあると思った。
娘さんと話し合うために最低限の約束、“思考を整理して、言語化する”という話は素晴らしいと思った。「思考停止になりそうな時はここで文章化する」という、分かっていてもそれを促す余裕がある事が素晴らしい。
更には、母や祖父の参戦もあり、世代間・性別間の垣根をまたいでの興味深いマジトークになっていた。
世代間の世相の空気の違いを意識させられる。それぞれにある違う理想と現実的な折り合いの付け方など。
因みに、思春期の娘が父親を毛嫌いするようになる理由に、フェロモンの影響説がある。(同じ種類のフェロモンに嫌悪を覚えるらしい。免疫に関連し、より多様な免疫力を子孫に残すようにするためだとか……) -
本屋で表紙買い。
娘も奥さんも、将来の奥さん候補もいないけど、娘の気持ちを知っておきたいという気持ちから読んでみた。
読み始めてびっくり。13歳の女子はこんなにしっかり物事を考えてるの?男と比べて精神年齢高過ぎない?
マジトークの中身が真剣過ぎる。期待を良い意味で裏切った。この本も自分の人生に影響を与える一冊になると思う。良い本を出してくれてありがとうございます。
Connecting the Dots. -
自分が中学生の時も父をキモいと感じた。「キモい」という言葉はなかったが。思春期の女子が父をキモいと感じるのは、ホルモンバランスの関係もあるし、実際言葉で説明できないものなのだが、父としては理由を知りたいし、キモく感じさせない方法があれば知りたかろう。
この本の一番面白いところは、とにかくキモいと思う娘と、何故だか理解できない父の会話。
その他のところは至って真面目。
娘さんは賢くて誠実ないい子で、キモい父と二人でマジトークしてくれるだけでも、希有な女の子。
でも、父も祖父も、自分の弱さを曝して、中学生と語り合うところが素晴らしい。
だいたいの父は、娘の心を知りもしないのに、上から目線で説教するもんね。そしてますます娘に嫌われる。
全ての親が、この親子のように真剣に向き合う時間があったら、かなりの問題は解決するのではないか。
親としては、忙しくても、疲れてても、お金がなくても、たまには時間をかけて人生について話すべきだと思う。話し合わなければならなくなった時では遅い。
10代の子どもを持つ親は読んで損しない。 -
主人に頼まれて借りてみたが、とても面白かった。13歳でここまで考える事ができ、それを言葉で表現することができるとは…。
自分もこうやって冷静に子供と大切な話が出きるだろうか?また、話してもらえる親になれるだろうか?考える習慣をつけておかなくては。また5年後、10年後にも読みたくなりそうだ。 -
本音トークって、友達はもちろん、親兄弟とも意外にする機会はないのではないでしょうか。
テーマに沿って本音をさらけ出しあうというのはハードルが高い気はしますが、意外な一面、普段隠れている一面を知ることができてその効果はとても高いものだと思えます。
もともとはwebで「父がキモい理由」の記事を読んだのがきっかけですが、本書では一貫して「考えること」の大切さを痛感させられます。
個人的には「後悔」についてのトークが一番印象的でした。人生の先輩から学べるものは大きいと改めて感じます。