小倉ノート 甲子園の名参謀が明かす「トップチーム」の創り方

著者 :
  • 竹書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784801903302

作品紹介・あらすじ

「秘技・二人殺し」は、このノートの中にある!高校野球は1点勝負。「スクイズを失敗しない方法」。甲子園62勝、優勝3度!「甲子園の達人」が40年間書き綴った戦略・育成「秘密の書」。

感想・レビュー・書評

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  • 横浜高校で部長を務められていた小倉氏の、高校野球に関するあれこれを綴った本。題して小倉ノート。
    感想をザックリ言うと、飲み屋で偶然隣に居合わせた専門家から、高校野球についていろいろと教えてもらった、という読み口でした。

    ・・・
    一番感じたのはやはり細かい、という事でしょうか。

    どのスポーツもそうですが、数えきれないほどのパターンがあり、それに対するリアクションも幾つかあるわけです。バント一つとっても塁上に選手がいるパターン、打者の左右のパターン、そして転がす先(一塁/三塁/投手)のパターンなど、この場合はこうするああする、なぜなら、と細かく教えてくださいます。

    私は素人なので、分かる話は「なるほど」と思うのですが、バットスイングとか打者の軸足の話だとか、捕手の二塁送球時の足の構え方等の(私にとっての)細かすぎる話は「くどめだなあ」と感じてしまいました。勿論、よくわかっている方でしたら、「おお、なるほど」と思うのかもしれません。

    また、横浜高校出身の有名選手(元ロッテの愛甲選手、元西武の松坂選手、タレントの上地さん)の話や逸話などもあり、何となく居酒屋で裏話を伺ったような気分になりました。そんなざっくばらんな雰囲気は作品全体にわたって流れていると思います。

    ・・・
    一つ気になったのは氏のコニュニケーション方法?です。

    幾つかの教え子を挙げて、「あいつ等にこうして教えてあげたのに、甲子園のあのシーンで従わなかったから、案の定失敗した」等々の記述が数か所ありました。

    教えたのに聞かない選手がいるということは、選手に届いていないか、或いは選手が納得していないからだと感じました。そうしたすれ違いは親子、部下上司でもある話かと思います。現場の人(選手)が失敗した、俺がちゃんと指示したのに・・・、では済まないかもしれないなあとぼんやり感じました。

    素人なので分かりませんが、部長と監督という二枚看板が揃ってキレ者だった時は、チーム運営が難しいのかもしれません。その下でプレーする子どもたちも、時としてどうすればよいのか分からないかもしれませんね。例えば部長と監督のいう事が違うときとか。そういうこともあったのかも、と勝手に想像してしまいました。

    ・・・
    ということで元横浜高校野球部部長の小倉氏による高校野球あれこれ、でした。

    ややくせのある物言いですが、他方データやフォーメーションなど非常に細かくデータやパターンなどを重視する方であることが分かります。

    野球好き、高校野球好きにはお勧めできる作品かと思います。

  • 横浜高校、小倉部長の野球理論の一端が後悔されている。すぐに実践できる理論もあるので、試合で即使えます。

  • ベイの監督に渡辺さん、ヘッドに小倉さんという叶わぬ夢をみる。

  • 高校野球(甲子園)の攻略本という感じ。
    大きく「戦略」と「育成」の2つの構成。
    技術論中心なので、自分がもし高校球児だったならきっと星5。
    (ニワカ野球好きが読むには少し内容が具体的すぎる・・・)

    「こうしたらこうする」のパターンが論理的に整理されていてすごい。
    こんな監督の下でスポーツしてみたい。

  • 息子が野球を始めたので、指導者視点を持つために購入。

    学びは3点。
    (1) 野球のルールを知って、生かすということ。
    振り逃げとか、インフィールドフライとか、インプレー・デッドプレーとか、細かいことを知って生かすのが大事。
    (2) 敵の研究をする
    ピッチング、配球、バッティング、作戦など敵の癖を知ることが大事。サインも盗み、生かすことが勝負では必要なこと。
    (3) あらゆる場面の反復練習
    滅多にない場面でも、練習しなければ動けない。試合に起きることを、最大限想定して、繰り返し練習することが重要。

    常勝ではなく、全国制覇を目指して、3点差を2点差に、1点敗けを1点勝ちに工夫できるのがコーチの仕事。その先に、勝ち星がついてくる。

  • 1番の興味は著者が実際にとったノートの原本。各選手のヒットゾーンや打球のコース、プレーの特徴など、ここまで詳細にメモ出来るものかと驚き。その精度は横浜高の実績がある程度証明しており、できればメモをもっと扱って欲しかった。商売道具の開帳が限定的だったのは、今後の含みかもしれない。

  • 高校野球史に残る強豪校である横浜高校の強さの秘密、そして同校OBがなぜこれほどプロ野球で活躍出来るのかの理由に納得。野球好きの人にはぜひ読んでもらいたい。

  • 夏の大会前に読むことで、予選の楽しみが倍増するね

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著者プロフィール

1944年、神奈川県横浜市生まれ。横浜高校卒業後、東京農大、社会人野球を経て、73年に東海大一高野球部コーチに。77年から横浜高校野球部監督、78年から横浜商業コーチ。90年から2014年まで、横浜高校のコーチ、部長を歴任。
独自のメソッドと徹底した分析力で松坂、涌井、成瀬らを育てた高校野球史に残る名将。高校野球指導歴は通算41年。甲子園出場春夏通算32回、うち優勝3回。

「2017年 『参謀の甲子園 横浜高校 常勝の「虎ノ巻」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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