徹底研究!! GAFA (洋泉社MOOK)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800315984

感想・レビュー・書評

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  • 各企業をしっかりと比較しながら分析されている。
    課題は様々な専門家(23人!)がそれぞれの章を担当しているため、全体の統一性がないこと。
    できれば一人の方が深くえぐった内容にして欲しいところだが、これはしょうがない。

  • GAFAの概要を知るにはいま最も最適なテキストです。
    中でも、楠本健、佐々木俊尚、木村正人、土井丈朗、池田純一、高口康太、成毛眞、夏野剛の考察は素晴らしいので一読をお勧めします。

    特に新興勢力として、中国は13億という人口を武器にさらに中国共産党による国家的サポート、中国人スパイや金にものを言わせた技術者のリクルートによる知的財産の取得など情報産業を国家的プロジェクトと位置付け、中国企業の台頭は脅威です。
    現在の、トランプ政権の中国からの輸入品にすべて関税をかけるという強硬策も、米中の覇権争いの一環で行われています。
    その中でも、国家からの検閲を義務付けている非関税障壁は、SNSの言論の自由を侵害するものとして、GAFAの中国参入の重しとなっています。
    さらに、最近の中国IT企業の技術力は侮れないレベルに達しており、なおかつ労働力の安さや政府からの潤沢な補助金もあり携帯端末(ファーウェイは世界市場2位)では既にサムスンを追い越す勢いです。
    またソフトの分野、電子取引(EC)も中国だけで全世界のEC市場の40%、全小売取引額に占めるEC化率も19%と世界トップで、アマゾンは中国市場で0.7%という占有率にとどまる。(1位はアリババの58%)

    成長阻害要因は、中国だけではなく、GAFAは課税逃れだとしてデジタル課税の導入の動きや独禁法などの疑いで今までのように我が世の春を謳歌できなくなりつつある点も要注意です。
    具体的な問題として、フェイスブックは個人情報の流出やフェイクニュースなどによる当局からの規制強化が避けられず、グーグルはEU競争法の違反(90%を占めるOSを悪用して検索アプリと閲覧ソフトの抱き合わせ販売)で5600億円の制裁金の支払いを命じられ、アップルはスマホ市場が飽和状態にある状況で新たなドル箱商品の開発が不可欠、4社の中で唯一モノではなく仕組みを商売道具にしているアマゾンは、下請けいじめ(日本ではヤマト運輸との契約更新でもめました)やマーケットプレイスでの事業者の扱いを差別化しているという不透明感が払しょくできません。

    最後に、本書の資料で面白いものがありましたので紹介します。
    1988年と2018年の企業の世界時価総額ランキングです。
    1988年にはベスト10のうち、日本企業が8社(NTT,住友銀行、日本興業銀行、第一勧業銀行、富士銀行、IBM、三菱銀行、エクソン、東京電力、三和銀行の順)、そして2018年は8位のアリババ(中国)を除きすべて米国企業、トヨタ自動車でさえ圏外です。
    さて、10年後のランキングは中国企業だらけということにならなければいいのだが・・

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/624567

  • GAFAについて今更聞けないような各社のビジネスモデルや強み、弱みを、単純に好奇心で知りたいと言う人も、しっかりと今後のビジネスに生かす目的で専門的観点から知りたいと言う人も、どちらでも勉強になる。特に最後の若干哲学的な考察が秀逸。

    「自分に対する情報や商品やサービスの提示も、高度化するにつれて、もはや人間の恣意的な操作を離れる。そのとき、人々の差別も選別も階層化も、自動的に(何らかのアルゴリズムにより)起こるようになる。それを「差別」と呼ぶべきかどうかも分からなくなる」

    トマ・ピケティも読みたくなった。

  • 当世きっての論客によるGAFAにまつわるエトセトラ。
    論点や文体が違うので、飽きずに一気に読める。
    成毛さんのアップルドミノ論は現実となるのだろうか?しっかり覚えておきたい。
    そんな今を生きる良書だと思うのですが、誤植がいくつかあって、フェイクブックやナルタケさんになってるところがありましたよ。まぁ大勢に影響はないですが。

  • GAFAについて現状と問題点を23人の識者からの視点で述べてある。
    アマゾンが強そうだ。
    あと中国がいかに凄いかも分かった。

  • ユーザー目線で何となく知っている気になっていたGAFAを様々な角度から読み解く本。読み応えがあり、面白かった。

    恥ずかしながらamazonの利益を全て投資に向けることによる配当なし、赤字経営を知らなかったので興味深かった。アメリカは株主の声が強く、日本の会社も利益を溜め込んでいるとすぐに株主還元しろと指摘されますが、こういった経営の方向性とストーリーが納得感のあるものだと支持されるのかぁと思った。

    あとはアップルのあくまで21世紀のものづくり企業としての経営。当初はハード+OS+サービスのエコシステムを想定していたが日本ではapple musicやpodcastが浸透せず、ハードだのみとなっている事も知らなかった。

    中国のテンセントやアリババは独自ルールで戦っているので競合とみなさなくていいとの意見もあり、今後GAFAを脅かす存在が何処から現れるのか、注意していきたい。

  • なかなかに読み応えのある本でした。
    当代随一の書き手が様々な角度からGAFAについて解説し、今後の展望を語ります。

    世界を支配する4大プラットフォーマーである4社。
    Google=検索
    Apple=デバイス
    Facebook=SNS
    Amazon=EC
    そして現在4社を総括するとAIとなるかと思われます。
    もちろん、そんな単純なものではなく、お互い牽制しあいつつ、補完しあっている関係です。
    (デバイス→検索→広告 のように)

    ここにMicrosoftやその他の巨大企業が入ってこないというのは、ある意味、現在がバブルなのかもしれません。

    現時点でEUのGDRPが対抗策を打ち出しているように、GAFAが脅威であるとの認識も強くあります。

    自分自身でもこれらのプラットフォーマーに対して、十分に囲い込まれている、「茹でガエル」であるという認識は常々持っています。
    GAFAのなかで個人的にはFacebookのみ、かなり前に使用を辞めました。
    自分にとってメリットがないと感じたので。
    しかし、4社の中では最もリアルに個人情報を持っているのがFacebookなのかもしれません。

    バブルである以上、近い将来終わりがきます。

    ポストGAFAはあるのでしょうか。

    中国のBAT(バイドゥ・アリババ・テンセント)が有力視されていますが、私はそうは思いません。
    現在、スマフォの売上では中国勢が大勢を占めていますが、結局、開発しビジネスモデルを作ったのはアメリカです。
    紙や印刷技術を発明したChinaは現在なく、巨大な結果は出しているものの、それは全部後追いです。それで首位に立った時、次のイノベーションが起こせるのでしょうか。

    ITに限って言えば、プログラミングはベースがアルファベットであり英語です。
    中国語によるプログラム言語を開発し、中国国内だけで完結するケースも想定されているようですが、どうなのか。

    今後、GAFAはどこに行くのでしょうか。
    個人としては、Google先生におんぶにだっこ状態で、アマゾンプライム会員としてその便利さを享受しまくり、さらにそれらにアクセスするのはApple製品なので、とても気になります。

    ただ、AIスピーカーの類は今の所まだピンときていない状態です。

    ※ほぼ書評にはなっていません。

  • 国際課税の原則として、支店や工場など恒久的施設(permanent establishment;PE)がなければ法人税を課税しないというルールがあるから

    成毛眞

    amazonがすごいのは、独立した各事業が他の複合企業よりはるかに高い相乗効果を生み出して、驚異的な速度ですべてが成長を続けていることです

    ベゾスだけがしくみを作る経営者

    そもそも戦略をもっている会社は潰れる

    日本からpostGAFAが出ないのは?
    日本人が英語をしゃべれないから

    日本の企業は英語ができないから外に出ていけない

    ヨーロッパからもGAFAはでてこない。言語がばらばらだから

    実際私の身の回りの起業家は米国へ行く。それは生き残るため。高齢化が進む日本でビジネスをするよりも、米国にいったほうが大きな成功を手に入れられる 投資額も二桁違う
    日本人には判断できないといわれますが、そもそも技術を正当に評価するだけの金がない

    1,2年後にアップル不信で4強時代は終わる

  • 2019年2冊目。満足度★★★★☆ GAFAに関して20人の識者が論考。一読の価値はある。

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