天草四郎の正体 (歴史新書y 52)

著者 :
  • 洋泉社
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本棚登録 : 43
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800306043

作品紹介・あらすじ

幕末以前の江戸時代最後の内乱であり、日本史上もっとも大規模な農民反乱である「島原・天草の乱」の盟主・総大将とされる天草四郎。美少年として誰もが知る日本史上の有名人物。じつはその実像は明らかではなく、最期さえわかっていない。本書はさまざまな史料を駆使して解明した「天草四郎は一人ではなく、複数の少年の総称であった」という衝撃の真実に迫るものである。

感想・レビュー・書評

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  • 天草四郎はミステリアスで謎に包まれている。そのために天草四郎は一人ではなく、複数の少年の総称であったとする見解がある。一揆勢がプロパガンダとして打ち出した架空の人物を複数の少年が演じていたとする。

  • ↑3.5くらい。

    2年前に原城に行ったことがあり、興味をもって読破。いやーやっぱり天草・島原一揆は面白い。
    というのも、この本書でも取り上げられているが
    どう考えても異常性が高い。
    武将同士の争いでもないのにこの籠城戦と
    長きにわたる戦い。そして天草四郎の存在のふわふわした不確定さ。
    (の割に教科書ではきちんと名前覚えさせるし…)
    この本で主張されてる、
    四郎がいるようでいない=周りに四郎と思われる若衆が何人かいて、天草四郎はあくまで崇拝者的な存在でしかない
    というのが、すごく信憑性は高いような気はした。
    (テレビとかでたまにやる、豊臣落胤説もまぁ面白いんだけどね……)

  • 天草四郎は実在しなかった。数多くの歴史的資料を丹念に読み取りそれを裏付ける事実を繋ぎ合わせ、我々が信じてきたあの天草四郎時貞は架空の人物で、それを画策した真の島原の乱の犯人は…
    あくまでも仮説ではあるが、かの事件の真実に最も近づいたのはまさにこの筆者であろう。
    アーメン。

  • 楽しかった。今ならインチキ臭い宗教集団だけど、政府に対抗する感じは応援してしまう。
    天草四郎が象徴として描かれていて、確かにその可能性もあるなと思わせる内容

  • 良く知らなかった島原の乱が起こった背景が詳しく書かれており非常に面白く読み進めることができた。また、天草四郎自身がこれほど謎だらけとは思わなかった。結局この乱は、迫害された一部のキリシタン(牢人)が策謀し、天草四郎がシンボルとして担ぎあげられたという印象。

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著者プロフィール

吉村豊雄(よしむら とよお)……1948年佐賀県生まれ、熊本大学名誉教授。博士(文学)専門は日本近世史。
『日本近世の行政と地域社会』(校倉書房)で第12回徳川賞(2014年)、『棚田の歴史』(農山漁村文化協会)で第36回熊日出版文化賞(2015年)を受賞。著書に『近世大名家の権力と領主経済』『幕末武家の時代相—熊本藩郡代 中村恕斎日録抄—』(ともに清文堂出版)、『藩制下の村と在町』(一の宮町)など。最新作に『天草四郎の正体』(洋泉社新書、2015年)がある。

「2017年 『原城の戦争と松平信綱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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