万引き家族【映画小説化作品】 (宝島社文庫)

著者 :
  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800293879

感想・レビュー・書評

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  • 是枝裕和『万引き家族』宝島社文庫。

    早くも文庫化。映画の原作だと思っていたら、映画の小説化作品とのこと。

    極めて日本映画的なよく練られたストーリーだとは思うが、期待した程の内容ではなかった。万引きやらJK風俗やら、日雇いの仕事で貧しく暮らす6人家族……終盤に明らかになる家族の秘密……現代日本の問題を集約したようなこの家族は幸せには思えなかったが。

    本体価格650円
    ★★★★

  • 発想は好き。
    でもこれだけの着眼点があるからこそ、もっともっとと貪欲になってしまった。
    映画をみていないけれど、きっとおもしろいだろうな

  • 家族というか、
    人と人の絆を感じる作品でした。
    良かったと思います。

  • フリードマンによる家族の定義は
    絆を共有し、情緒的な親密さによって互いに結びついた、しかも、家族であると 自覚している、2人以上の成員であると述べられている。

    ここには、血縁について書かれていない。

    家族の定義が揺らいでいる現代に難しい問いを投げかける本でした。

  • 読み終わった後、家族の定義ってなんなんだろうと考えてしまいました。
    映画も見ないとだなぁ

  • あの女の子は結局親に虐待され続けたんだろうなぁ。。。万引きはいけない事だけど虐待されるよりはマシかも。

  • 映画を小説化したということで、それに従い映画を観てから読んだ。
    映像で涙した所は小説でもグッときたし、私なりの、それぞれの心情の解釈もきちんと文章になっていて答え合わせが出来たようで気持ちがよかった。

    映画でも小説でもイマイチわからずモヤモヤしているところ
    ·初枝が貯めていた慰謝料の意図
    ·最後のりん(じゅり)の視線の先にあったもの

    「誰かが捨てたのを拾ったんです。捨てた人は、他にいるんじゃないですか?」
    「私はあの子を産んではいない。でも母だった。」

    血の繋がりよりも絆の繋がりの方が笑顔でいられるなら、それが全て。捨てられた人たちの集まりだとしても、それを家族と呼びたい。

    その後、みんなどうなったのかを勝手に考察し過ぎて疲れた。
    どうか、祥太とりんが、信代とりんが、再会できる未来がありますように。

  • 2018年6月に映画にもなった本であるのに、そして、樹木希林さんが、亡くなり、書籍が色々出たのに、、、、まだ読んでいなかった!

    万引きで、生活をしていた家族!
    おばあさんは、年金を貰っていたのだが、・・・・
    そのお金も充てにして、日々の日を送っている家族。

    虐待で、外に放り出されている5歳位の女の子を 家に連れて帰って来るのだが、、、、コロッケを食べさせたりしてから、元の場所へ戻そうとするのだが、そこでは、またもや両親の言い争うを声を聞いて、戻すことが出来なかった。
    誘拐でも監禁でもないのだから、、、との事で、女の子は、居候(?)の身になる。

    まともに、クリーニング店で働く 信代も、リストラになるし、治は、仕事嫌いで、足を骨折してしまい余計に家計が、苦しくなる。

    おばあさんの初江は、女の元へ行った夫の仏壇ヘ月命日にと、その子供の家に行き、3万円のお金を貰って来る。

    そして、初江が、提案して、家族みんなで、海へと遊びに行くのを最後に、亡くなってしまう。

    皆どうする・・・・おばあさんの遺体を・・・

    段々中盤から、家族一人づつが、本当の血のつながった家族でないことが、理解してきたのだが・・・

    おばあさんの遺体を、結局は、家の床下ヘ埋める。
    そして、初江の年金も不正に受給し、残された現金も見つけ出す。
    その3万円づつの封筒に入ったお金は、月命日ヘ行った時のお金であろう。
    使われないで、其のままを残していたのだ。

    読んでいて、もっと、現金を最初に見つけ出して、簡略でもいいから、葬式をしてやれば良かったのに、と、思われて仕方がない。
    血がつながらないせいなのか???

    結局、信江一人が、犯行をした事にして、皆、バラバラになって行くのだが、・・・

    本当の家族のように見せた疑似家族は、崩壊する。

    もし、まだ初江が、生きていても、幼き子ども達は、どのような教育を受けれるのだろうか?

    元の本当の家族に戻された女の子も、幸せではない。

    読んでいても、素敵な家族に 思えない。
    映画なら、上手く表現出来ているのかもしれないが、・・・

    日本でも、このような家族が存在するのだろうか?と、心が、痛くなった。

  • 家族とは何か、改めて考えさせられた。家族は血縁関係により結ばれる人々の集合体だと思っていたが、そうではない。血縁関係があっても家族の温かさや安心さ、楽しさ、愛情がなければ家族ではないかもしれない。逆に血縁関係が無くてもそこに自分の居場所を感じる事ができればそれが家族になる。冷静に考えれば夫婦は元々血の繋がりはないし、養子も同じく血が繋がっていない。では、血の繋がりが無い家族は何を拠り所として共に生きるのか、それは時として利害関係や自身のコンプレックスや復讐心の他者への投影という形で現れる。本著を通して、血の繋がりという表面的だが本質的な要素が実は家族を家族たらしめる事なのかもしれない事を示唆している気がした。

  • 万引きで生活を支える疑似家族の物語。先進国といわれる日本だが、貧富の格差や高齢社会の歪のなかで起こる児童虐待・年金詐欺などにスポットをあて、家族とは何か、幸せとは何かを問う作品。小説としての面白さよりも、現代社会への警鐘としての意義を感じる作品。

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著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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