樹木希林 120の遺言 ~死ぬときぐらい好きにさせてよ (上製本)
- 宝島社 (2019年1月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800291929
感想・レビュー・書評
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希林さんの余裕のある語りは今の自分には到底真似できるものではない。説得力というか、重厚感がある。
この先どう人生を送ればこのような素敵な人に近づけるのだろうか。
精一杯生きても得られない幸せもあるなかで、希林さんは自身の道で幸せを掴んだ…カッコイイ。
しかし私は、この「心の栄養」を読んだだけでは成長できず、取るに足らない人生を歩むことになると思う。
これから素敵な人になれるように、一つ一つ“消化”していきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「えっ、私の話で救われる人がいるって?
それは依存症というものよ、あなた。
自分で考えてよ。」(58ページ)
まず最初にお伝えしたいこと。
それは本書を読んだ「だけ」では、自分の人生は歩めない、ということです。
その理由は58ページのこの言葉に、凝縮されています。
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「樹木希林 120の遺言」は、樹木希林さんが生前、いろんな媒体で発した言葉を、8つのテーマに沿って編集した1冊です。
いろんな年代の樹木希林さんの言葉が外側にいる人によって集められているので、矛盾を感じるような言葉もあります。
しかし樹木希林さんを取り巻く環境が、時代ごとに変化していることを踏まえつつ読めば、そうした矛盾も受けとめながら読みきれるでしょう。
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樹木希林さんが亡くなられてから、様々な関連本が出版されていますが、この状況を樹木さんが見たらどう思うのだろう?と、ふと考えたときがあります。
そうしたら本書のなかで、まさにこの状況を見た樹木さんが言いそうな言葉を発見しました。
「えっ、私の話で救われる人がいるって?
それは依存症というものよ、あなた。
自分で考えてよ。」(58ページ)
痛快で的を得たこちらの言葉、すごく刺さりますよね。
折しも本書の前に「鴻上尚史のもっとほがらか人生相談」を読み終えていたので、余計そう感じたのかもしれません。
樹木希林さんの言葉や鴻上尚史さんの回答は参考にはなりますが、それそのものは自分の人生にピッタリと当てはめられるものではありません。
その言葉や回答をもとに、自分で「考えたこと」、その考えにこそ価値があるし、自分の人生はそこからしか生まれないのだと思います。
わたしも昔は自分にピッタリとはまる回答を求めてノウハウ本を読みあさりましたが、「自分の回答は本をヒントに自分で織り上げるしかないのだな」と、やっっと!気づきました。
「樹木希林 120の遺言」のなかには、自分の思考を刺激してくれる言葉が詰まっています。
どうにもこうにも自分の考えが浮かばなくて困ったときには、パッと本書をランダムに開いてみて、自分の思考を刺激してみるといいかもしれません。 -
「えっ、私の話で救われる人がいるって?それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ。」(58ページ)
これが一番好き。
ご本人はこのようなスタンスだけれど、亡くなられてからこのようなタイプの書籍が複数出版されているし、図書館では1年以上順番が回ってこなかったし、需要は絶大。求められている。 -
どの言葉も素晴らしい。
樹木希林さんという存在は本当に異質だったと思う。
彼女は彼女でしかありえない。
賢い方だったな~いろんな番組で見てても、一言一言がずば抜けてた。
希林さんのようにブレずに生きたい。 -
前から樹木希林さんの本を読みたいと思っていました
直接お会いすることはもうできませんが、樹木希林さんが話してるようなイメージで読みました
なんでも楽しむ
感謝する
相手に期待しない
社会に出る前に傷ついてもいいかなという子育て
ポジティブにいられるように自分で気持ちを作ろうと思いました! -
ちょうど良く肩の力が抜けている言葉の数々。晩年の風格というか、凄みというか
ありとあらゆるものをかわしたり、流したりではなく、全て受け入れる覚悟を感じました。その反面の茶目っ気たっぷりなところが魅力なのでしょうね。 -
話題になった樹木希林さんの金言本。
まず表紙の写真が目にとまる。これはミレーのオフィーリアだ。イコール死につながる。
がんを患い、死というものをすぐ近くに感じながらたゆたうように生きていた樹木さんらしい写真なのだろう、と想像した。
2018年に75歳で亡くなった樹木さんの、長年のインタビュー記事やテレビでの発言を基に構成された本で、この本のためにそれらしい言葉を用意したものではない。
「生」「病」「老」「人」「絆」「家」「務」「死」の8章からなる。
私の年齢はまだ樹木さんが生きた人生の半分くらいの地点だし、結婚も出産も大きな病気もしていないので心から理解できる部分は多くはなかったと思う。老いることもまだ、ものすごく差し迫ったものではないし。
だけどこれを読むことによって、心構えのようなものは多少できる気がした。
ここまで達観することは難しくても、こんな時こんな風に思うように心掛ければいいのだ、というような感じで。
「人に期待しない」「自分にも期待しない」「過剰な欲を持たない」樹木さんの発言の端々から、この3つのことをとくに感じた。
これは今現在の私自身色んな時にそうありたいと思っていることなのだけど、実際自分の思考や生き方に根付かせるのはとても難しい。
日々自分に意識させることが、自然とそういう心持ちになることに繋がるのだろうか。と、最近はそう思いながら生きている。
与えられたものをそのまま享受して、諦めず、だからと言って大きく期待もせず生きていく。
一生かかってもその境地に達することができる人は多くはないのだろうな。
夫の内田裕也は世間的にはぶっ飛んで見える人だったけど、彼より樹木希林の方がぶっ飛んでたらしい。それはなんかすごく、分かる気がする。笑
優しく厳しくて温かい本。折に触れて開きたい一冊になりました。 -
内容紹介 (Amazonより)
「楽しむのではなくて、面白がることよ。面白がらなきゃ、やっていけないもの、この世の中」
女優の樹木希林さんが2018年9月15日に他界されました。
本書は樹木さんが生前に遺した120の言葉を掲載しています。
老い、孤独、病い、仕事、家族、夫婦関係……誰もが人生で直面する「壁」をどう乗り越えればいいのか――。
きっと樹木さんの言葉がヒントになるはずです。
『NHKスペシャル「"樹木希林"を生きる」』や朝日新聞の連載「語る 人生の贈りもの」のインタビュー、雑誌、専門誌、フリーペーパーでの発言に至るまで、多岐にわたるメディアから、心に響く樹木さんのメッセージを厳選しました。
<ありのままの自分>を貫き、最期まで<自然体>で生きた樹木さんの率直な言葉には、彼女の人となり、そして人生哲学が詰まっています。
生前、親交があった養老孟司さんからご寄稿もいただきました。
「自然体とはこういうことかと思った」
「男でいえば、将の器がある。身体は小さいし、声だってとくに大きいわけではない。印象的な女性でした」
また、樹木さんの若かりし頃の秘蔵写真や、
懐かしのドラマの貴重カットなども多数掲載しています。
「私は人のこと嫌いなんです。煩わしいから。〜だけど裏腹に、人間そのものにはすごく興味があるんです。」って部分、とても共感します。
私もおんなじだぁって思いました。自分も同じ煩わしい人間なんですけどね...