樹木希林 120の遺言 ~死ぬときぐらい好きにさせてよ (上製本)

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  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800291929

感想・レビュー・書評

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  • 希林さんの余裕のある語りは今の自分には到底真似できるものではない。説得力というか、重厚感がある。

    この先どう人生を送ればこのような素敵な人に近づけるのだろうか。
    精一杯生きても得られない幸せもあるなかで、希林さんは自身の道で幸せを掴んだ…カッコイイ。

    しかし私は、この「心の栄養」を読んだだけでは成長できず、取るに足らない人生を歩むことになると思う。
    これから素敵な人になれるように、一つ一つ“消化”していきたい。

  • 「えっ、私の話で救われる人がいるって?
    それは依存症というものよ、あなた。
    自分で考えてよ。」(58ページ)


    まず最初にお伝えしたいこと。

    それは本書を読んだ「だけ」では、自分の人生は歩めない、ということです。
    その理由は58ページのこの言葉に、凝縮されています。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「樹木希林 120の遺言」は、樹木希林さんが生前、いろんな媒体で発した言葉を、8つのテーマに沿って編集した1冊です。

    いろんな年代の樹木希林さんの言葉が外側にいる人によって集められているので、矛盾を感じるような言葉もあります。
    しかし樹木希林さんを取り巻く環境が、時代ごとに変化していることを踏まえつつ読めば、そうした矛盾も受けとめながら読みきれるでしょう。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    樹木希林さんが亡くなられてから、様々な関連本が出版されていますが、この状況を樹木さんが見たらどう思うのだろう?と、ふと考えたときがあります。
    そうしたら本書のなかで、まさにこの状況を見た樹木さんが言いそうな言葉を発見しました。

    「えっ、私の話で救われる人がいるって?
    それは依存症というものよ、あなた。
    自分で考えてよ。」(58ページ)

    痛快で的を得たこちらの言葉、すごく刺さりますよね。
    折しも本書の前に「鴻上尚史のもっとほがらか人生相談」を読み終えていたので、余計そう感じたのかもしれません。

    樹木希林さんの言葉や鴻上尚史さんの回答は参考にはなりますが、それそのものは自分の人生にピッタリと当てはめられるものではありません。
    その言葉や回答をもとに、自分で「考えたこと」、その考えにこそ価値があるし、自分の人生はそこからしか生まれないのだと思います。
    わたしも昔は自分にピッタリとはまる回答を求めてノウハウ本を読みあさりましたが、「自分の回答は本をヒントに自分で織り上げるしかないのだな」と、やっっと!気づきました。

    「樹木希林 120の遺言」のなかには、自分の思考を刺激してくれる言葉が詰まっています。
    どうにもこうにも自分の考えが浮かばなくて困ったときには、パッと本書をランダムに開いてみて、自分の思考を刺激してみるといいかもしれません。

  • 「えっ、私の話で救われる人がいるって?それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ。」(58ページ)

    これが一番好き。

    ご本人はこのようなスタンスだけれど、亡くなられてからこのようなタイプの書籍が複数出版されているし、図書館では1年以上順番が回ってこなかったし、需要は絶大。求められている。

  • どの言葉も素晴らしい。
    樹木希林さんという存在は本当に異質だったと思う。
    彼女は彼女でしかありえない。

    賢い方だったな~いろんな番組で見てても、一言一言がずば抜けてた。
    希林さんのようにブレずに生きたい。

  • 前から樹木希林さんの本を読みたいと思っていました
    直接お会いすることはもうできませんが、樹木希林さんが話してるようなイメージで読みました

    なんでも楽しむ
    感謝する
    相手に期待しない
    社会に出る前に傷ついてもいいかなという子育て

    ポジティブにいられるように自分で気持ちを作ろうと思いました!

  • 樹木希林さんの面白さと魅力がつまっている。
    『021それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ。』
    このフレーズが気に入った。

  • ちょうど良く肩の力が抜けている言葉の数々。晩年の風格というか、凄みというか
    ありとあらゆるものをかわしたり、流したりではなく、全て受け入れる覚悟を感じました。その反面の茶目っ気たっぷりなところが魅力なのでしょうね。

  • 読みたかった一冊。

    画面を通して見ていた樹木希林さんって、普通の女優さんとは違った唯一無二の独特な個性を感じさせてくれる女優さんだったと思っています。

    本書はタイトルに遺書と書かれていますが、この本の為ではなく、生前の希林さんが、雑誌やTVのインタビューなどで語った言葉を「生」「病」「老」「人」「絆」「家」「務」「死」の7つのテーマにそって纏めたもの。

    樹木希林という女優が人として、どう考え、どう生きたかの実話。


    説明
    内容紹介
    「楽しむのではなくて、面白がることよ。
    面白がらなきゃ、やっていけないもの、この世の中」

    女優の樹木希林さんが2018年9月15日に他界されました。
    本書は樹木さんが生前に遺した120の言葉を掲載しています。

    老い、孤独、病い、仕事、家族、夫婦関係……誰もが人生で直面する
    「壁」をどう乗り越えればいいのか――。
    きっと樹木さんの言葉がヒントになるはずです。

    『NHKスペシャル「"樹木希林"を生きる」』や朝日新聞の連載「語る 人生の贈りもの」
    のインタビュー、雑誌、専門誌、フリーペーパーでの発言に至るまで、
    多岐にわたるメディアから、心に響く樹木さんのメッセージを厳選しました。

    <ありのままの自分>を貫き、最期まで<自然体>で生きた樹木さんの
    率直な言葉には、彼女の人となり、そして人生哲学が詰まっています。

    生前、親交があった養老孟司さんからご寄稿もいただきました。
    「自然体とはこういうことかと思った」
    「男でいえば、将の器がある。身体は小さいし、
    声だってとくに大きいわけではない。印象的な女性でした」

    また、樹木さんの若かりし頃の秘蔵写真や、
    懐かしのドラマの貴重カットなども多数掲載しています。


    ▼――本書に収録した<言葉>より

    ◯ときめくことは大切。
    自分が素敵になれば、
    それに見合った出会いも訪れるものです。

    ◯どうぞ、物事を面白く受け取って
    愉快に生きて。
    あんまり頑張らないで、
    でもへこたれないで。

    ◯一人でいても二人でいても、
    十人でいたって寂しいものは寂しい。
    そういうもんだと思っている。

    ◯嫌な話になったとしても、
    顔だけは笑うようにしているのよ。

    ◯本物だからって
    世の中に広まるわけじゃないのよ。
    偽物のほうが広まりやすいのよ。

    ◯籍を入れた以上、引き受けていくしかない。
    夫の中には今も、純粋なもののひとかけらがみえるから。

    ◯がんがなかったら、私自身がつまらなく生きて、つまらなく死んでいったでしょう。
    そこそこの人生で終わった。

    ◯病気になったことでメリットもあるんですよ。
    賞を取っても、ねたまれない。少々口が滑っても、おとがめなし。
    ケンカをする体力がなくなって、随分腰が低くなったし。

    ▼――章立て

    第一章 生――人生と幸福について
    第二章 病――がんと病いについて
    第三章 老――老いと成熟について
    第四章 人――人間と世間について
    第五章 絆――夫婦について
    第六章 家――家族と子育てについて
    第七章 務――仕事と責任について
    第八章 死――生と死について

    出版社からのコメント
    ※上製本(ハードカバー)です。 ※本書の定価は1,296円(税込)です。
    内容(「BOOK」データベースより)
    とにかく、世の中を面白がること。老いだって、病気だって、自分の栄養になる。孤独、成熟、家族、仕事…希林さんが教えてくれたあるがままの生き方。

  • 話題になった樹木希林さんの金言本。
    まず表紙の写真が目にとまる。これはミレーのオフィーリアだ。イコール死につながる。
    がんを患い、死というものをすぐ近くに感じながらたゆたうように生きていた樹木さんらしい写真なのだろう、と想像した。

    2018年に75歳で亡くなった樹木さんの、長年のインタビュー記事やテレビでの発言を基に構成された本で、この本のためにそれらしい言葉を用意したものではない。
    「生」「病」「老」「人」「絆」「家」「務」「死」の8章からなる。
    私の年齢はまだ樹木さんが生きた人生の半分くらいの地点だし、結婚も出産も大きな病気もしていないので心から理解できる部分は多くはなかったと思う。老いることもまだ、ものすごく差し迫ったものではないし。
    だけどこれを読むことによって、心構えのようなものは多少できる気がした。
    ここまで達観することは難しくても、こんな時こんな風に思うように心掛ければいいのだ、というような感じで。

    「人に期待しない」「自分にも期待しない」「過剰な欲を持たない」樹木さんの発言の端々から、この3つのことをとくに感じた。
    これは今現在の私自身色んな時にそうありたいと思っていることなのだけど、実際自分の思考や生き方に根付かせるのはとても難しい。
    日々自分に意識させることが、自然とそういう心持ちになることに繋がるのだろうか。と、最近はそう思いながら生きている。

    与えられたものをそのまま享受して、諦めず、だからと言って大きく期待もせず生きていく。
    一生かかってもその境地に達することができる人は多くはないのだろうな。
    夫の内田裕也は世間的にはぶっ飛んで見える人だったけど、彼より樹木希林の方がぶっ飛んでたらしい。それはなんかすごく、分かる気がする。笑
    優しく厳しくて温かい本。折に触れて開きたい一冊になりました。

  • 内容紹介 (Amazonより)

    「楽しむのではなくて、面白がることよ。面白がらなきゃ、やっていけないもの、この世の中」

    女優の樹木希林さんが2018年9月15日に他界されました。
    本書は樹木さんが生前に遺した120の言葉を掲載しています。

    老い、孤独、病い、仕事、家族、夫婦関係……誰もが人生で直面する「壁」をどう乗り越えればいいのか――。
    きっと樹木さんの言葉がヒントになるはずです。

    『NHKスペシャル「"樹木希林"を生きる」』や朝日新聞の連載「語る 人生の贈りもの」のインタビュー、雑誌、専門誌、フリーペーパーでの発言に至るまで、多岐にわたるメディアから、心に響く樹木さんのメッセージを厳選しました。

    <ありのままの自分>を貫き、最期まで<自然体>で生きた樹木さんの率直な言葉には、彼女の人となり、そして人生哲学が詰まっています。

    生前、親交があった養老孟司さんからご寄稿もいただきました。
    「自然体とはこういうことかと思った」
    「男でいえば、将の器がある。身体は小さいし、声だってとくに大きいわけではない。印象的な女性でした」

    また、樹木さんの若かりし頃の秘蔵写真や、
    懐かしのドラマの貴重カットなども多数掲載しています。




    「私は人のこと嫌いなんです。煩わしいから。〜だけど裏腹に、人間そのものにはすごく興味があるんです。」って部分、とても共感します。
    私もおんなじだぁって思いました。自分も同じ煩わしい人間なんですけどね...

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著者プロフィール

樹木希林(きき・きりん/役者)
本名:内田啓子(旧姓:中谷)。1943年生まれ、東京都出身。61年に文学座附属演劇研究所に入所、芸名「悠木千帆」とし、女優活動をスタート(77年、「樹木希林」に改名)。64年、森繁久彌主演のテレビドラマ『七人の孫』にレギュラー出演、一躍人気を博す。66年、津野海太郎らと六月劇場を旗揚げ。また、同年、テレビドラマ『とし子さん』に主演。以後、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『ムー』『夢千代日記』『はね駒』『向田邦子の恋文』などのテレビドラマに出演。また、富士フィルム、ピップフジモト「ピップエレキバン」、味の素「ほんだし」などのテレビコマーシャルに出演。00年代以後、映画出演が増え、「歩いても 歩いても」( 08)、「わが母の記」(12)、「そして父になる」(13)、「神宮希林わたしの神様」(14)「あん」(15)「モリのいる場所」「万引き家族」「日日是好日」(18)などに出演。「人生フルーツ」(17)『転がる魂 内田裕也』などドキュメンタリー作品のナレーターも務めた。企画・出演をした映画「エリカ38」(19)が遺作となった。夫はロックンローラーの内田裕也、長女に作家の内田也哉子、娘婿に俳優の本木雅弘。2018年9月15日に逝去、享年75。

「2019年 『いつも心に樹木希林~ひとりの役者の咲きざま、死にざま~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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