- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800229038
作品紹介・あらすじ
2500年前のブッダの教えを伝える僧侶と、近代科学を学んできた解剖学者。2人の賢者が2004年1月8日の東京で、「人生で一番大切なこと」をめぐって語り合った。仏教、宗教、生きがい、幸せ、瞑想、日本、子育て、道徳、教育、仕事、デカルト、からだ、意識、イチローにまで触れながら明らかになるのは、「人としてあるべき生き方」。本物の幸せと希望に向けて人生が一変する必読の書。
感想・レビュー・書評
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友人からの頂きものとして。
養老先生はずつと読んできてゐたが、スマナサーラ師との出会ひは今回が初めて。
仏教の歴史といふものに詳しいわけではないから、何が原始で何が正当かなどといふものにはとんと興味はないし、よくわからない。けれど、スマナサーラ師が仏教から考へる人間であるといふのはわかる。
どこかひとは脳みそ(意識)で生きてゐるやうなそんな気がしてしまふ。もちろん、脳みそだつて生きてゐるし、脳みそなく生きることもない。しかし、脳みそだけで生きられるといふのは大きな間違ひだ。
意識がなくとも、生命は連続してゐる。寝てゐる時だつて死んだわけではない。脳が死んでも身体はなかなか死なない。どこかでそのことを忘れてゐる。この意識こそが自分だと思つてしまふ。さうして身体(感覚)はどこかに置き忘れられてしまふ。あらうことか、身体は封印され、排除されていく。
仏教は本来さうしたばらばらの身体感覚をひとに思ひ出させるものだつたのだらう。逆に一神教はさうした身体感覚をばらけないやうにまとめるものであつたのだらう。どちらかといへば一神教は意識の作用といつたところだらう。
まとめあげられるのが社会の潮流だとするなら、だからこそばらばらに一度ほどいて分解する必要がある。仏教の果たす役割が問はれるのはここであらう。ここまでまとめあげられたものをばらけさせるといふのは、とてつもない抵抗と労力を伴ふ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
帯裏
はじめに 二五〇〇年前の先達
養老孟司
第一章 お釈迦さまが教えたこと
第二章 日本人と普遍性
第三章 正しい生き方
第四章 知恵のない世界
第五章 「生きている」とは
第六章 希望のしくみ
第七章 共同体として生きる
第八章 知恵と方法
第九章 変われる人、変われない人
第十章 「逆さメガネ」と「あべこべ思考」
第十一章 「やりたいこと」より「できること」
第十二章 仏教のこれから
おわりに このうえもないお力添えをいただいて
アルボムッレ・スマナサーラ
文庫版解説 仏教という希望のしくみ
名越康文
本書は2004年12月に宝島社より刊行した『希望のしくみ』を文庫化したものです。 -
スマナサーラ本の書評はページ末尾のラベルをクリックのこと。養老孟司と編集者の鼎談(ていだん)である。誰に対しても媚びることがない養老に対して、スマナサーラが低姿勢に出ているのが面白かった(笑)。
http://sessendo.blogspot.jp/2017/05/blog-post_8.html