- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800208798
作品紹介・あらすじ
東北で大地震が発生した。様々な支援が行われ、バスをチャーターして援助活動に参加する"ボランティアバス"も盛んに行き来していく。就職活動のアピールポイント作りのため、ボランティアバスを主催することにした大学生の和磨。震災で父が行方不明になった姉弟に出会った女子高校生の紗月。あることから逃亡するため、無理やりバスに乗り込んだ陣内。さまざまな人がそれぞれの思惑を持ってバスに乗り合わせる。彼らは目的を果たすことができるのか。被災地で出会った事件が、バスに奇跡を起こす。
感想・レビュー・書評
-
途中だけど。
内容知らずに手に取って読み始めたら、震災の話ぽい。
忘れかけてた記憶をいろいろ思い出してしまった。
あの時繰り返し流れていたCM、あれはもう見たくない。
結局、第一章読んで終わりにしました。読みたくなった時にまた読もうと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館より
震災からの復興ボランティアのため企画されたボランティアバス。ボランティアに参加した人々が抱えたそれぞれの事情、そしてボランティアの現場で起こる小さな謎が解かれていく連作ミステリー。
それぞれの短編から見えてくるのは人の温かさやつながりだと思います。中でも印象的だったのが、就活のネタ作りのためにボランティアバスの企画を始めた大石が、徐々にボランティアに本気で打ち込んでいく姿でした。そうしたそれぞれの短編で描かれる人の温かさに触れられるだけでも、この本を読む価値があると思います。
そして”ボランティア”にしっかりと向かい合っている点もこの本の良かったところです。東日本大震災の時はボランティアの振る舞いが批判を集めたり、どこまでボランティアとして相手側に寄り添うのか、といった難しさが語られたりもしましたが、そうした問題点もしっかりと取り上げ、単にボランティアの温かさを描くだけでなく、ボランティアの難しさを伝えているあたりも著者の友井さんの真摯さが伝わってくるように思います。
そして最後に明かされるある事実。この事実が明らかになった時、各短編で感じた以上の温かさが最後に読者の元に訪れることは間違いないと思います!
ボランティアに興味のある人もない人も、そしてミステリとしてもたくさんの人を満足させてくれる、と思えた作品でした。 -
地震による被災地への、ボランティアバスツアーに参加する人たちの物語。
ボランティアは自己満足なのか、被災地の人たちにとってそれは必要なのか、という問題。それでも何かしら力になることができれば、という思い。そして個人でできることはあまりに少ない、という無力感。さらには災害の痛々しさや悲惨さを踏まえつつも、前向きな明るさや暖かさを感じさせられた一作。
それぞれに小さな謎と解決が描かれ、ミステリとしても楽しめます。ラストで明かされるある事実にもびっくり。まさかそういうことだったとは! -
記録
-
おもしろかったです。
すっかりダマされましたがw
でも、別にこんな手の込んだ仕立てにしなくても十分いい内容なのに~!・・・作家の性でしょうか?ww -
東北で大地震が発生した。
災害ボランティアバスを企画した大学生、教え子の弔いに向かう元教師、人助けに燃える女子高生、警察に追われる謎の男など、さまざまな人がそれぞれの思惑を持ってバスに乗り合わせる。
ちょっとした謎解きを交えつつ、災害ボランティアや人助けについて考えさせられる物語。 -
自然災害とボランティア。
過剰なボランティアもあると思いますが、被災した方々を思い無理なく行えるボランティアを継続していきたいと思いました。 -
思う所の多い作品でした
私も災害ボランティアに関わった経験が有り
各章の終わりに有る『災害ボラバス体験記』には同感しました
知らなかった事も沢山でした
災害発生から三ヶ月の延べボランティア参加者は、阪神・淡路大震災が百十七万人に対し 東日本大震災では 三十八万人と かなり少ない
その理由に、ボランティアが行く事による問題(事件、迷惑行為)が有ります。
私が参加した時(物資の仕分け・管理)、大学生くらいの人が現地ボランティア希望で来られたのだが、現地では 他地域からのボランティアは受付けておらず 地域内の人で作業する との事でした
わざわざ足を運んでくれたその青年の気持ちは無となりました…
現地、対策本部、メディアとの連携がもっとなされて情報発信出来ていれば…と客観的に思う事も多かったです
また、生活のボランティアで伺っていたお宅が災害にあわれ、屋内は大丈夫でしたが 畑に土砂が入り ボランティアの方に撤去して貰いました
しかし、育てあげた土も共に撤去されてしまい おじいちゃんは喪失感で 以後畑をしなくなりました
片付けて貰って有難い事は重々承知しつつも心はついて行かなかったのです
その後、私は更年期症状が重くなり
おじいちゃんと対等であった心が「してあげてる」という感情が湧き上がっている事に気付いた時「もう ボランティアは出来ない」と辞めさせて頂きました
ボランティアは「共に活動する」または「出来ない事のサポート」であり「してあげる」なんてものでは無いはずです
今尚 東日本では 海に近付けない人がいるのではないか…と思います
-
東日本大震災から11年の3月、読了。
予想以上に良い本だった。
震災、ボランティアを考える本としても、謎解きとしても、そして、ラストに全てが繋がる構成も、ボランティアツアーを計画した大学生、大石の成長と、その後の生き方、人との繋がりも。
エンタメ感あるので、実際に震災の当事者だった人が読んだらどうだろう…というのはちょっとあるけど、こうした本をとっかかりに震災に触れるのもありだと思う。 -
一話で鼻についてしまい、やめた