働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799322383

感想・レビュー・書評

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    働くということについて色々な視点から考えることができた。
    反面、概念的でイメージがしづらい部分もあったが、こういう本は抽象的に描かれがち。その中から具体を探していく。

    印象に残ったのはキャリア形成にかかる部分と、七放五落十二達の部分。
    キャリアには偶発性がある。人事を尽くしきったら、天命を待つ姿勢が必要。あとは動いてみること。これは転職活動においても仕事においても重要。次の仕事をするときはまずやってみることを大切に。

    あとは働く意味の部分。どうしても自分は仕事は苦役であると捉えていたが、そうではなく、仕事に意味を見出す姿勢を学んだ。

    具体的な行動、思考まとめ
    ・キャリアは偶発をたくさん作ること、選択肢を持つことが大切
    ・まずはやってみる
    ・働くことにポジティブな意味を見出す

  • 働く意味がちょっとわからなくなってきており仕事に対する考え方を一度整理したくなったので読みました。働く、ということには色々な意味合いが込められています。それは生活の糧を得ることを指したり、自分の志を実現する手段を指したりです。仕事観は個々人の価値観や特性に根差しており様々ですが、平均寿命と定年が伸びていくだろう今後は仕事の時間もそれに比例して伸び、仕事を意味のあるものにしたほうが人生は豊かなものになるでしょう。本書を読むと仕事とは何であるか、なぜヒトは仕事するのかを理論的または現実的側面から説明してくれます。社会人になってからというもの、大事なんだけど割と無自覚だった、働く意味について熟考し内省できる良い取っ掛かりになりました。特にキャリアに悩んでいるひとは一読の価値が大アリです。良書。

  • 転職を考えているので読んでみた。読んでよかった。

    メモしたいところ:
    ・「プロフェッショナル」と「エキスパート」の違い。徳を行うために高度な技を磨いているのがプロ。技を駆使して高度なことをできるのがエキスパート(職業的専門家)
    =>目指すはプロ!

    ・技術的成長と精神的成長。
    人は技術的な成長だけでは次元の高い仕事はできない、そこには精神的成長が必要。
    =>技術を得るだけでは限界が来ることを意識したい。

    ・怠惰な多忙(by セネカ)
    「アクティブ・ノンアクション」:動き回るものの、目的を伴う意識的行動をとってないため、結果的に実のあることをにしてない。
    「計画のグレシャムの法則」:定型の処理的な仕事は、非定型の創造的な仕事を駆逐する
    「悪貨は良貨を駆逐する」と同じ。
    =>二千年前から、この問題に囚われている人間って。。今後は、これらの言葉を肝に、長期的な・根本的な計をたてる業務を後回ししないようにしたい。

    ・衛生要因。職務の不満をもたらすもの。
    例えば、会社の経営や対人関係など。
    ポイントは、これらの要因を改善しても、成長意欲が増す訳ではない。あくまでマイナス要因が0になるだけ。プラスにはならない。
    =>自分自身も、不満に挙げそうになことが、すでに、理論として、「衛生要因」として整理されていることに驚き。

    ・成功とは相対的なもの、幸福とは個性的なもの。
    三木清曰く、「成功と幸福を、不成功と不幸を同一視するようになって以来、人間は真の幸福はなんであるかを理解しなくなった」
    =>資本主義の思想から離れて観ることが、大事だと気付かされる。人の成功を妬まず、自分の幸福を追求していきたい。

    ・「出世」とは、世に出ること。会社の中の話ではなく、世の中に出ること。
    =>出世の本当の意味、どれだけの人がわかっているのだろうか。100年時代、まだ先が長い、いつか世に出たい。

  • 子育てをしながらキャリアについてずっと考えています。
    初めの方は知ってると感じることが多く、何を書いた本なのかな?と思いながら読んでいましたが、後半になるにつれて真剣に読み込んでいました。
    シンプルな構図と言葉で構成され、思わずメモを取りたくなる深いことばが散りばめられています。

    目標と目的の違い。成功と幸福の違い。人生の苦労の意味とは。自分の選択とは。
    そして、ワークライフバランスについて、私が感じていたモヤモヤが言語化されており、それだけでもこの本に出会えて良かったと感じました。

    仕事ってどんなこと?と思う方や、他人や同僚とキャリアを比較して無駄に落ち込んでいる社会人、先が見えない務め人、そして私のように自分が大切にしなければならないと思っていることを犠牲にしていると感じながら働くのが嫌に感じている方たちにおすすめです。効きます。

  • 1回だけ読むんではなくて、仕事の節目、人生の節目に読む本と感じました。
    ちょっとお休みしたときに、振り返りのために読んで良かった。

  • 働くとは?という基本的な内容で、新人や学生さん向きであると感じた。後半に一部中堅以降でない響かないような事もありその意味では内容に幅がある。

    横長・イラストフルな形式であり、電子書籍では読みづらい。ちゃんと読みたい方は紙の本をおすすめします。

  • 『感想』
    〇横長の体裁は文章と図柄で見開きページで見ていくことを考えると理にはかなっているが、その代わり外へ持ち運んで隙間時間に読むのは難しい。机に広げて読む、教科書だな。

    〇73のキーワードを解説されているが、仕事について改めて考えるのにいい概念ばかりだった。合間に哲学者の言葉が入っていて、みんな考えて生きてきたんだなと実感した。

    〇最後は自分の意志が全てを決める。ただ苦しいと思えば苦しい。つまらないと思えばつまらない。そこからどうすれば楽しくなるか、うまくいくかを本気で考えると答えが見えてくる。その姿を特に先輩は見ていて、手を貸してくれる。

    〇中身はある程度仕事の経験があると、概念として知らなくても感覚的には実感していることが多い。その振り返りと知識取得のためにはキャリアを積んだ人にも有効だが、一番読むといい人は、仕事を始めて最初の苦労を乗り越え、調子に乗ったところで壁にぶつかる仕事を始めて3~5年くらいの人がいいかも。体験をベースに今後起きることを予習できる。

    『フレーズ』
    ・この世に事実はない。あるのは解釈だけだ。【ニーチェ】(p.3)

    ・仕事とはINPUT →  価値創造回路 → OUTPUT(p.22)

    ・つまらない仕事はない。仕事をつまらなくしている人間がいるだけ。(p.32)

    ・プロフェッショナルの「profess」は、もともと、宗教に入信するときの宣誓を表します。そこから、厳かな誓いを伴う職業をプロフェッショナルと呼ぶようになりました。(p.62)

    ・厳密な意味で「プロフェッショナル」は得を行じる職業人である。単に高度な専門家なら「エキスパート」という呼称がある。(p.63)

    ・精神的成長は、「できるようになりたいことがうまくできない」といった状態の中でむしろ育まれるものです。(略)苦境を乗り越えることで、自信を得たり、協力者への感謝の気持ちがわいたり、世の中の価値観の多様さを知ったり、そうした内面の変化はこの種類の成長です。(略)技術の成長が精神を刺激し、精神の成長が技術を促進する。(p.78)

    ・結果を出すぞという執念を持つ。プロセスをきちんとつくる着実さを持つ。(略)「結果を出せ」の圧力が強くなりすぎると、いろいろな不正の温床になる。結果至上主義は働き手を消耗させる。(略)「プロセスが大事だ」は、結果を出せない時の逃げ場になる。結果を求めないプロセスは惰性や無責任を生む。(p.105)

    ・結果はウソをいうときがある。(略)プロセスをきっちり積み上げても、期待通りの結果が出ない時もあります。(略)ただ、プロセスを重ねていくことによって、次の成功確率は確実に上がります。また、プロセスはそれ自体が自己の内面に貯まる財産です。そうした意味で、プロセスにはウソがないのです。(P.106)

    ・オンリーな存在として一人光を放てば放つほど、真の友人や同士ネットワークを得ることができます。個として強く立ち、独自性を追求する人の孤独は、決して孤立を意味しません。(p.108)

    ・孤独の時間の中で、深く大切なことは育まれ、決断される。(p.108)

    ・選択力とは(p.146)
     1 選択肢を分析・判断する力
     2 選択肢をつくり出す力
     3 選択を(事後的に)正解にする力

    ・根っことなる概念や時代の風雪に耐えた名言ほど、その奥にとても大切なことを含んでいます。(p.152)

    ・文面だけをなぞって「わかっている」、断片的な知識を得るだけで「知っている」と思う。 → 意味の掘り起こしや独自の解釈によって見えてくる奥行きのある世界がある。(p.152)

    ・ある1つの目的は、より大きな目的の下では手段となります。つまり、自分がどのレベルに目線を置くかによって、なにが目的か、なにが手段化が相対的に決まってくるといえます。(p.164)

    ・仕事の報酬の形(p.180)
     1 金銭的報酬
     2 昇進・昇格・名誉
     3 仕事そのものがあること
     4 人脈、他からの信頼・感謝
     5 仕事を達成する過程で得る知識・能力・成長
     6 安心感・休息・希望・思い出
     7 次の仕事機会

    ・苦と楽は対称性をもつ。そしてその苦楽の幅は、その人の厚みを形成する。もし、いま自分がある不幸や不遇、悲しみや辛さの中にあるなら、それとは対照の位置にある幸福や喜びを得られる可能性があります。(略)苦楽の厚みを得た人は、同じように厚みを得ている人を呼び寄せます。真に信頼できる友人、真に感動できる芸術は、ネガティブに沈んでいるときにこそ出会えるものです。(p.240)

    ・夢や志、氏名、目的といった意味的なものに向かって、それを成し遂げようと「決意する」時、人は元気になる。元気とは、その字のごとく、その人の元のところから湧き起こってくる気です。移ろいやすい感情的な高揚とは違います。その人が本来の自分になるための図太いエネルギーです。(p.255)

  • 出来事⇨とらえ方(観念、解釈、思い込み)⇨感情


    【健やかな「観」をつくる】○おおらかな解釈・成長観。おおらかな感情で受け止められる。角のあるとがった解釈・思い込みは、とがった感情をもたらしイライラになる。

    自導(セルフリーダーシップ)のために【羅針盤を持つ、船を作る、目的地を描く】自導の反意語は、漂流。
    羅針盤があれば、ブレない判断がくだせる。船を作るとは、能力体力経済力をつける。目的地は、最終的な到達点・理想を理解していること。

  • まさかにこの本の題名通り働き方の哲学について、図や例え、イメージを用いて分かりやすく説明されている。また現代において重要となる「何のために働くのか」の問いについて、自分なりの答えを出すきっかけ作りになる。
    この本を読んで、仕事への考え方や向き合い方、今後どうしていくかなど思考を深く考えられるようになった。


    個人的に好きな文
    大事な観点は、仕事と生活を分けるかどうかより自分の大切にしたい軸があって、それを基にはつらつと生きているかどうか。

  • 非常にわかりやすく働くことにまつわる考え方が書かれている。名言や格言、著書が沢山引用されていてとても面白い。便覧のような役割を果たしてくれると思う。ここに登場した著書で興味のあるものは読みたい本リストに追加し、片っ端から読んでいきたい。

    自分の働く上での軸をどこに、どんなものを持つかじっくり内省させられた。そのヒントがふんだんにちりばめられている。

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著者プロフィール

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。
「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)をはじめ、管理職研修、キャリア開発研修、思考技術研修などの分野で企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。
GCC(グロービス・キャリア・クラブ)主催セミナーにて登壇も多数。
1986年慶應義塾大学・経済学部卒業。プラス、日経BP社、ベネッセコーポレーション、NTTデータを経て、03年独立。94-95年イリノイ工科大学大学院「Institute of Design」(米・シカゴ)研究員、07年一橋大学大学院・商学研究科にて経営学修士(MBA)取得。
著書に、『キレの思考・コクの思考』(東洋経済新報社)、『個と組織を強くする部課長の対話力』『いい仕事ができる人の考え方』『働き方の哲学』(7万部超)(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

「2021年 『キャリア・ウェルネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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