なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799321591

感想・レビュー・書評

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  • 生き方の模索。実践。その先へ。
    すげえなーという著者に対するすなおな尊敬が出てくる。それだけで読む価値あり。
    この流れは知っていておっていて、やって見るといいよ。くるよという感覚はつかめていても、
    その潮流者の生の声を聞ける本書は貴重。
    今だからこそ読むべきだし、10年後読み直しても面白いと思える時代の矜持の話だとみえる。
    やっぱり、この資本主義の時代に中庸や親鸞の影響といった話がインタビューの中から出てくるのがおもしろい。

    世界は幸せになりたいとう方向に向かっていくものだと思っていて、その模索が人の生き方であり、失敗も時代も含めて生きていくを実践する。
    その大事さに気づける内容。

  • 家入一真さんが提案する、
    お金があるべき理想の形が、ぎゅっと詰まった本。

    面白いからぜひと、後輩が貸してくれた一冊。
    phaさんや谷家衛さんとの2つの対談からも、
    彼の人柄や、考え方を知ることが出来て面白かった。

    この家入一真さん、
    数多くのサービスを生み出し、
    そこに新たなコミニュティを作ってきたお方。
    なんと、このブクログの産みの親でもあったとは。
    恐れ多い...。

    知らぬ間に、彼が作ったコミニュティに、
    大切な居場所を見出しているかもしれない。

    そんな多くのサービスの中でも、
    MOCOLLEというサービスは初めて知った。
    面白いアイデアをもって、
    クラウドファンディングでお金を集めても、
    製造、流通、販売の実現化が分からない...
    そんな歯痒さを見事に解決したプラットホーム。
    ちなみにネーミングは、妄想コレクションの略から。
    妄想で終わらせない って、いいなあ。

    彼が提供するサービスで巡るお金は、
    思いやりが乗っかった、優しい経済圏なのだと感じた。
    個人レベルで繋がり、
    支え合えるコミュニティだからこそ、
    みんなで夢を追ったり、応援したりが出来て暖かい。

    それと同時に、出来ない も無くなっていくため、
    これからは、始めの1歩を踏み出せる者と、
    そうでない者の線引きが、
    より明確に見えてしまうのだろう。

    なんでも叶えられる世界で、
    なにも叶えず過ごす危機感を感じた。

  • 「お金」というものそのものが価値を持って、投機ありきで目まぐるしく回転を続けてきた社会。行き過ぎた資本主義が作り上げた「大きいものが偉い」というロジックが崩れている。「小さな経済圏」「お金に拠らない繋がり」というものをもう一度見直すことによって、幸せの形をいろいろ考えようという本と受け止めました。
    小さな声、小さな夢が踏みつぶされない為に、色々なプラットホームを作り実際にそれを運用している人々を微笑ましく見ている。文章で見ているとそういう風な人に感じられます。名前しか聞いたことないんですけどね。
    多分自分はこのまま会社員で居続けると思うのですが、こういう本を読むとその他にも身の回りの人々と小さな共栄圏を作って、その中でお金を回し合っていけば会社が無くなったり、突然社会保障が無くなってもゼロにならずに何とか生活を立て直す基盤に出来るような気がしてしまいました。みんなで少しずつカンパする事が自然な社会というのはとてもいいですよね。大昔の頼母子講みたいな感じでしょうか。
    信用度と人柄と面白さでお金が集まるネット時代と、アメリカと中国の巨大な覇権争いのような事が起こっている時代。それが並行して起こっているのが今このときなんですよね。世界情勢も大事だけれど庶民には世界を変える事は難しい。ならば小さな経済圏でいい影響力を与え合うような生き方の方がこれからは大事だなと思いました。

  • クラウドファンディングは銀行や株式といった大きな経済とは別に、個人といった新しい小さな経済圏を生み出すことができる。これにより起業するハードルを下げるなどのメリットをあげた著書。

    しかしながら、クラウドファンディングを知らない人はほとんどいないとあ思うが、自分もやってみようと思う人もほとんどいないと思う。それはまだクラウドファンディングという選択肢が一般的になっていないことを挙げている。そのため、著者が今まで行なってきた普及活動や他の団体ではこんなことをやっている色々と紹介されている。

    人が幸せに生きるには、いい大学に入り、いい企業には入り、たくさんお金を稼ぐことだけでないことを示し、その一つの選択肢としてクラウドファンディングが将来的に金融の代わりを担う可能性を示した著書。

    『なぜ多くの人は、人生の多くの時間を好きでもない仕事に費やすのか。それは、他に生活費を稼ぐ手段がないと思い込んでしまう世の中があるからだ。』

  • 【要約】
    日本社会は成熟し、「お金がすべて」という商業主義から、「目的を達成したい」という自己実現主義へ価値観のシフトが(若い世代を中心に)起こっている。インターネットはあらゆるものを民主化し、人々の多様な価値観に応えるプラットフォームを生み出してきた。自分の挑戦をするべく声をあげた個々人へ資金を民主的に調達することが、クラウドファンディングの社会的意義である。CAMPFIREは、お金が滑らかにめぐる、自分の存在を肯定してもらえる小さな経済圏を増やしていくことを目指している。

    【所感】
    資本主義の限界と新たなモデル構築の必要性、という話については
    「父が娘に語る経済の話。」(ヤニス・バルファキス)
    「持続可能な資本主義」(新井和宏)
    を通して学んだ。
    本書の「小さな経済圏」というアイデアは、一つの解となりうる提案だと思う。
    「さとり世代」と呼ばれる現在の20代以下の人には共感しやすい考え方である一方、現在の日本の大半を占める中高年層にはあまり理解されない発想であるかもしれない。それだけに、CAMPFIREの挑戦はまだまだ続くのだろう。クラウドファンディングによる資金調達で自分の挑戦を続ける人も次々に現れ、結果としてより幸福度の高い社会が実現していけば、そうした年齢層にも受け入れられ、むしろ支援されるようになるのかもしれない。

  • より豊かにという「大きな経済圏」から個人や地域レベルでやりたい事を追求する「小さな経済圏」への変化とcampfireが目指すもの。

    小さな経済を同時に回す事で、収入の選択肢を用意すると共に成功の芽を沢山用意する事で個人の内的欲求を満たしやすくする。


  • 「その時代に必要な居場所を作り続ける」

    その時代に必要な居場所を考えて、それを一つ一つ実現させてる生き方にただただ尊敬!

    わたしも小さな経済圏でいきたいなあ。

  • 本書の主眼は「行きすぎた資本主義社会をアップデートする」ために「小さい経済圏をつくる」こと。
    「行きすぎた資本主義」は、資本を増やすことに傾倒するあまり、必要以上に消費を煽ったり、投資に回るお金が増えすぎてしまったりすることにより、様々な社会問題を引き起こしてきた。
    行きすぎた資本主義をアップデートして、いい社会(それぞれが幸せを追い求める社会、自己実現を目指す社会)を目指すためには、だれでも声を上げることができ、だれでもそれを支援できる環境が必要である。国や企業、銀行などの「大きな経済圏」に対し、こういったコミュニティを「小さな経済圏」として、その実現のための取組(campfireなど)を紹介した。


    国や大企業など、大きなものが不安定になってきている今、個々が未来に希望を持って自己実現を目指すことは、これからの生き方のヒントになると思った。
    このことは、消費型の生き方を見直し、何かを生み出す、何かを与える生き方を目指すことにもつながってる。
    こういった話は、ある程度暮らしに余裕のあることを前提としたものが多いように感じるが、社会の仕組みから漏れてしまった人やマイノリティにも自己実現をするチャンスをがあり、失敗しても戻ってこれる場所づくりをしていることに家入さんの考え方の深さを感じた。

  • 資本主義の限界や新しい幸せのかたち、お金が循環する小さな社会の話などとても面白かったです。
    キングコングの西野さんの書かれた本と言っている内容はほとんど一緒だと思うのでこの本が合う人には西野さんの本も合うと思います。
    基本的には星5なのですが、キャンプファイヤーの宣伝が客観的に見て少し多かったので-1です。

  • 村上龍『希望の国のエクソダス』「この国には何でもある。だが、希望だけがない」p38

    「金融包摂」p149

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