最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799311646

感想・レビュー・書評

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  • 円滑なコミュニケーションをはかるためのコツが、精神科としての分析や例題とともに載っています。
    つまるところ、自分を抑え、相手のペースに合わせるってことなんでしょうが、納得できるように説明されていて、実践してみようという気になります。
    自分を抑えるについても意外に、自分の感情に正直になれなど、びっくりな内容もあります。

    また、自分の感情のコントロールにも使える内容があり参考になります。

    惜しいのはカバーのイラスト(写真)が怪しく損をしているところ。それくらいいい内容。



    【付箋ポイント】

    *一部改変あり

    一生懸命に説得すればするほど、人は説得されまいと拒絶しようとする

    【説得のサイクル】
    敵対(不安を感じている・警戒している)⇒傾聴(話を聞き始める・耳を傾ける)⇒思考(それについて考え始める)⇒やる気(やってみようと思う・意欲がわく)⇒行動(実際にやってみる・積極的に動く)⇒成果(やってよかった・うまくいった)⇒行動の継続
    (習慣となっている・自身を持ってやる) P22

    人には3つの脳がある
    1.爬虫類の脳
      最下層にある脳。この脳が判断するのは「闘うか、それとも逃げるのか」のみで深く考えない。「賛成か反対か」「黒か白か」という活動パターンしかない。
      また、この脳は、危機に直面すると機能が停止する。夜の道路に飛び出した動物が、車のヘッドライトに照らされると固まってしまうのは、この脳の働きによるものだ。

    2.哺乳類の脳
      中間層にある脳。ここは感情の宝庫。言ってみればドラマのヒロイン。

    3・霊長類の脳
      最上層にある脳。
      先の2つの脳から情報を収集し、状況を把握して判断を下す。論理的で理性的な判断をする脳だ。  P31

    人を動かしたければ、霊長類の脳を相手にすることだ。 P32
    (中略)つまり、説得を成功させる秘訣とは、相手を、爬虫類や哺乳類から霊長類(つまり人間)へと変えていくことになる。 P33

    人は他人の共感を求め、共感が得られないとストレスが溜まってしまう。(ミラーニューロンの機能不全)
    ⇒敵対する相手には、まず共感せよ  P37

    まず自分自身をコントロールせよ(最強の敵は自分の脳) P43

    ストレスをコントロールする秘訣はこの「5つの段階」があるという事実を知っておくこと。
    そして問題が起きたら、自分の精神状況がどの段階にあるかを把握する。

    第一段階 - ストレスへの反応
     もうだめだ・どうにもならない・これは災難だ・もう終わりだ
    第二段階 - 感情の放出
     どうしてこんなことばかり起こるんだ・もとに戻すのにどれだけ時間がかかるのだろう
    第三段階 - 思考を取り戻す
     起きたことは仕方ない・大変でも、なんとかしなくちゃ
    第四段階 - 集中を取り戻す
     こんな状況にまけたくない・改善してみよう
    第五段階 - 再チャレンジする
     もうだいじょうぶだ・するべきことをしよう

    緊急事態に直面したら、まずは「悔しい」「怖い」などと言ってしまう方が早く自分を取り戻せる。
    反対に「ぼくはだいじょうぶだ、落ち着いている。すべてうまくいくはずだ」などと、じぶんの気持ちをは裏腹な前向きな言葉は、逆効果になることも多い。 P50

    人間の思考は「どう感じるか」「どう考えているか」「どうしたいか」の3つで成り立っている。したがって、相手の思考の3つの要素すべてを引き出せれば、相手は大きな満足感を得られる。
    反対に、あなたがそればかり話していたら、相手に安心感を与えることはできない。 P77

    自己認識のずれを正しておけ
    ex 自分では【情熱的だ】と自負していたのに【あいつはやりすぎだ】ときらわれている。
    ⇒自己認識のずれがあるとミラーニューロンが働きにくくなる。
    認識のズレの打開策は、相手が自分をどう認識しているかを知ること。簡単なようだが、問題は認識のズレを見つけるプロセスには不快感が伴う P98

    その気にさせる最強の質問
    (1)不可能なこととは何か?
    (2)どうすればできるようになるか?
    黙って待つこと。しばらくすると、質問が相手の心をとらえ、答えを考えざるを得なくなる。 P136

    調停者は自分の意見をいってはいけない。 P149

    逆共感のゆさぶり
    予期せぬ謝罪をされると、自分を守ろうとする姿勢を改め、共感の気持ちを持つようになる
    (1)相手の対話の機会を設定する
    (2)事前にあなたへの不満を3つ整理しておく
    (3)おだやかに会話を切り出す
    (4)相手に意見を求める
    (5)謝罪の言葉を伝える
    (6)おだやかに会話を終わりにする P157

    相手の話を聞いて、5秒間沈黙して、「ほんとうにそう思う?」と聞いてみる。
    相手にひと息つかせて「自分が極端な考えにとらわれている」と気づかせることがねらい。 P160


    人が起こるのは「わたしはきちんとした扱いをうけていない」と感じることが原因だ。
    クライアントや顧客と対立した場合、わたしはこの「なるほど、それで・・・」を最初の防御に使うことをおすすめしている。 P169

    だれでもその時々で自分にすべき質問がある。
    それが“するべき質問”であるかどうかは、その質問で、目が開かれたような新鮮な気持ちになるかどうか、現在と別の可能性を考えはじめるかどうかでわかる。 P186

    そこにある空白は埋めたくなるものだ
    ×「あなたは、今読んでるこの本から何を得たいと思っていますか?」
       ↓
     「あなたがこの本から学びたいことは・・・(       )」
     「それを学びたい理由は・・・(             )」

    空白の方が自然とこたえようと思う。 P196

    パワー・サンキュー 3つのステップ
    ステップ1 感謝する
    まず、特別なことをしてくれた相手に感謝を伝える。あなたを傷つけるような行為を控えてくれた場合でもいいだろう。
    ステップ2 相手の努力を認める
    「あなたの役目ではないのに、自分のことのように取り組んでくれた」「あなたの仕事の範囲を超えて、取り組んでくれた」といった言葉がこれに当たる。
    ステップ3 変化を伝える
    相手がしてくれたことで、どんな変化が起きたのかを伝え、貢献を認める。 P209

  • マーク・ゴールストン (著), 青木 高夫 (翻訳)
    数々の難事件の解決にあたるFBI交渉人に
    講師として交渉術を教えている精神科医が、人の心を動かす極意を教えます。

    プロ交渉人が使うテクニックのひとつひとつは実はむずかしいものではありません。
    実際、本書の内容は分かりやすく、読んだその日からすぐに実践できるものばかりです。
    そのいくつかをご紹介すると……

    ・相手をその気にさせる最強質問:不可能の質問
    ・相手の怒りを一瞬で消す:共感のゆさぶり
    ・パニック状態から冷静にさせる:「本当にそう思う?」
    ・自分の弱みを逆に武器にする:事前合意
    ・ソクラテスも使った対話術:目線を合わせる………e.t.c.

    FBIがしているようなタフな交渉だけでなく
    コミュニケーションはすべて交渉なのだと著者はいいます。
    さらに人は自分自身とも交渉をしています。
    人が生きていく限り、交渉とは無縁ではいられないのです。

    本書では豊富なケーススタディで、
    日常よくある具体的な場面での交渉テクニックの使い方を教えてくれます。
    その一部を紹介すると……

    <プライベートで──>
    ・人に好かれ、興味をもたれる
    ・ クールで落ち着いた性格になる
    ・ 恋人や家族との関係をよくする
    ・今年こそ目標を達成する

    <仕事で──>
    ・ 面接で差をつける
    ・ 周囲をやる気にさせる
    ・ 上司との関係をよくする
    ・ きびしいクレームに対応する

    <思いがけないピンチで──>
    ・ 身勝手な人に対処する
    ・ 怒りくるう人を落ち着かせる
    ・ 凶悪犯を説得する……e.t.c.

    本書で学べるのは、相手に勝つための交渉ばかりではありません。
    むしろ家族や仕事仲間などの大切な相手はもちろん、
    困った相手、対立する相手とすら、
    よりよい関係を築くことができる可能性を実感できるでしょう。

    一生に渡って使いこんでいくことができ、人生をよくすることができる
    セオリーとテクニックを学ぶことができる1冊です。

  • FBI交渉人の講師を務める著者が、どうやって人の心を動かすか説いたノウハウ本。感情が爆発しているシーンに多く触れる人は、即効性のあるノウハウとして一度読んでみると参考になるだろう。日常生活での困りごとにも応用できるので一般的な人にも使える一冊だと思う。
    心を動かす極意は「シフトダウン」であり、具体的には傾聴と共感によって、ヒートアップした脳に冷静さを取り戻すことだと述べている。
    「EQ~こころの知能指数~」で詳しく述べられているが、脳は”爬虫類の脳”、”哺乳類の脳”、”霊長類の脳”の3つがあり、感情を司る哺乳類の脳が意識をハイジャックしているときに理性的な解決策は望めない。よって、まずは哺乳類の脳を鎮めて、理性を司る霊長類の脳が支配する状態に持っていくことが最重要だと述べており、そのための方法論が第2部の「心を動かす9つのセオリー」と、第3部の「心を動かす12のテクニック」で具体的に説明されている。
    動かす極意というよりは、動かす前提条件を整えるところに主眼があり、具体的な動かし方や解決方法は、冷静さを取り戻してから一緒に考えていくので事例の再現性は期待しないほうがいいだろう。
    紹介されているテクニックは条件が限定されていたり、リスクが高いものもあるので、使う場面をよく考えないと逆効果になる可能性がある。自身がない人、慣れない人は極意でも述べられているように、「”霊長類の脳”を取り戻すにはどうするか」に集中したほうがいいと思われる。

  • 交渉術のテクニック本。
    自身の感情のコントロール手法から、他者とのコミュニケーションのテクニックを紹介。

    具体的行動

    ・相手の意見に必ず共感し、相手が話し終えるまで口を出さない

  • 接客業を行っているときにクレームの参考にしたいと思い手に取りました。
    感情や思考の動き方を生物学的に教えてくれて大変参考になりました。
    人間には3つの脳、爬虫類の脳、哺乳類の脳、霊長類の脳がある。
    爬虫類の脳は原始的な思考、例えば賛成か反対か、戦うか逃げるかなど。
    哺乳類の脳は感情の宝庫。喜びや悲しみなど。
    霊長類の脳はこれら2つの脳を分析したうえで冷静に判断を下す脳。
    交渉に際しては自分も相手もどの段階にいるかを把握し、霊長類の脳にまで段階を上げていくことが重要だと説いています。
    そのために必要な手段は相手に対しては、ミラーニューロンすなわち相手に興味をもち共感を示すこと。相手を否定せず、話を聞き、相手への興味を示すために質問する。
    一方自分に対しては沸き起こる感情を否定せず、怖いなら怖いと認めてしまい感情を肯定すること。決して怖くないと真逆の気持ちを言い聞かせてはならないとのこと。
    他にも様々なことが説明されていましたが、上記のことが特に心に残りました。
    自分本位にならず、相手への興味や共感を持つことを改めて考えさせられました。

  • ミラーニューロンを活性化させる、本心から交渉の相手に興味を持つ。他方、サイコパスからは逃げる。あるいは、ナルシストは両刃の剣であり、非対等でよしとすべきところ。なお、弱点開示は有効。

  • 交渉術によって、立てこもり犯との交渉を成功させたり、数々の商談をとりまとめてきた著者。人の心を操るそのテクニックを学ぶ。

    「人を思い通りに動かす」というと、あまり良いイメージを持てなかった。ただ、テクニックはテクニック。結局はその人がそれをどう使うのか、という当たり前のことに改めて気づかされた。交渉術で友人の仲裁をする人もいれば、知人をだます人もいるかもしれない。自分の目的に沿って使えば良いだけだ。テクニック自体が良い、悪い、というものではないと思う。

    最近の自分と照らし合わせて、最も考えさせられたのは「共感」。伝えたい、わかってほしいという想いが強いほど、相手の話を聞かずにしゃべりすぎてしまいがち。でも、いくら相手が間違っていたとしても、やみくもに話して聞く姿勢を持たないのなら、それはまったく意味がないことだ。自分が話したい時ほど、相手の話に耳を傾けなくては。

  • 交渉系の本は結構読んでいますが、ビジネスの成功者の本が中心でした。
    今回読んだ本は、精神科医の方が書いている本です。

    内容は心理などに基づいて書かれていて、ケースステディなどもあり、非常にわかりやすい内容でした。

    自分自身の精神コントロールが非常に重要なことを改めて認識しました。
    わかっていても、なかなかコントロールすることは難しいです。

    交渉だけではなく、部下の教育、育成なども含め、役に立つ内容だったと思います。

  • 相手がどう感じるか、どう考えているか、どうしたいか、理解することに努めたいと思う。

  • 簡単そうだけどなかなか実践できない内容が多かった。何回か読んで書かれている内容を実践できるようにしたい。
    付き合ってはいけないタイプの人間なんかも参考になった。

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