最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2012年5月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784799311646
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マーク・ゴールストン (著), 青木 高夫 (翻訳)
数々の難事件の解決にあたるFBI交渉人に
講師として交渉術を教えている精神科医が、人の心を動かす極意を教えます。
プロ交渉人が使うテクニックのひとつひとつは実はむずかしいものではありません。
実際、本書の内容は分かりやすく、読んだその日からすぐに実践できるものばかりです。
そのいくつかをご紹介すると……
・相手をその気にさせる最強質問:不可能の質問
・相手の怒りを一瞬で消す:共感のゆさぶり
・パニック状態から冷静にさせる:「本当にそう思う?」
・自分の弱みを逆に武器にする:事前合意
・ソクラテスも使った対話術:目線を合わせる………e.t.c.
FBIがしているようなタフな交渉だけでなく
コミュニケーションはすべて交渉なのだと著者はいいます。
さらに人は自分自身とも交渉をしています。
人が生きていく限り、交渉とは無縁ではいられないのです。
本書では豊富なケーススタディで、
日常よくある具体的な場面での交渉テクニックの使い方を教えてくれます。
その一部を紹介すると……
<プライベートで──>
・人に好かれ、興味をもたれる
・ クールで落ち着いた性格になる
・ 恋人や家族との関係をよくする
・今年こそ目標を達成する
<仕事で──>
・ 面接で差をつける
・ 周囲をやる気にさせる
・ 上司との関係をよくする
・ きびしいクレームに対応する
<思いがけないピンチで──>
・ 身勝手な人に対処する
・ 怒りくるう人を落ち着かせる
・ 凶悪犯を説得する……e.t.c.
本書で学べるのは、相手に勝つための交渉ばかりではありません。
むしろ家族や仕事仲間などの大切な相手はもちろん、
困った相手、対立する相手とすら、
よりよい関係を築くことができる可能性を実感できるでしょう。
一生に渡って使いこんでいくことができ、人生をよくすることができる
セオリーとテクニックを学ぶことができる1冊です。 -
FBI交渉人の講師を務める著者が、どうやって人の心を動かすか説いたノウハウ本。感情が爆発しているシーンに多く触れる人は、即効性のあるノウハウとして一度読んでみると参考になるだろう。日常生活での困りごとにも応用できるので一般的な人にも使える一冊だと思う。
心を動かす極意は「シフトダウン」であり、具体的には傾聴と共感によって、ヒートアップした脳に冷静さを取り戻すことだと述べている。
「EQ~こころの知能指数~」で詳しく述べられているが、脳は”爬虫類の脳”、”哺乳類の脳”、”霊長類の脳”の3つがあり、感情を司る哺乳類の脳が意識をハイジャックしているときに理性的な解決策は望めない。よって、まずは哺乳類の脳を鎮めて、理性を司る霊長類の脳が支配する状態に持っていくことが最重要だと述べており、そのための方法論が第2部の「心を動かす9つのセオリー」と、第3部の「心を動かす12のテクニック」で具体的に説明されている。
動かす極意というよりは、動かす前提条件を整えるところに主眼があり、具体的な動かし方や解決方法は、冷静さを取り戻してから一緒に考えていくので事例の再現性は期待しないほうがいいだろう。
紹介されているテクニックは条件が限定されていたり、リスクが高いものもあるので、使う場面をよく考えないと逆効果になる可能性がある。自身がない人、慣れない人は極意でも述べられているように、「”霊長類の脳”を取り戻すにはどうするか」に集中したほうがいいと思われる。 -
交渉術のテクニック本。
自身の感情のコントロール手法から、他者とのコミュニケーションのテクニックを紹介。
具体的行動
・相手の意見に必ず共感し、相手が話し終えるまで口を出さない -
接客業を行っているときにクレームの参考にしたいと思い手に取りました。
感情や思考の動き方を生物学的に教えてくれて大変参考になりました。
人間には3つの脳、爬虫類の脳、哺乳類の脳、霊長類の脳がある。
爬虫類の脳は原始的な思考、例えば賛成か反対か、戦うか逃げるかなど。
哺乳類の脳は感情の宝庫。喜びや悲しみなど。
霊長類の脳はこれら2つの脳を分析したうえで冷静に判断を下す脳。
交渉に際しては自分も相手もどの段階にいるかを把握し、霊長類の脳にまで段階を上げていくことが重要だと説いています。
そのために必要な手段は相手に対しては、ミラーニューロンすなわち相手に興味をもち共感を示すこと。相手を否定せず、話を聞き、相手への興味を示すために質問する。
一方自分に対しては沸き起こる感情を否定せず、怖いなら怖いと認めてしまい感情を肯定すること。決して怖くないと真逆の気持ちを言い聞かせてはならないとのこと。
他にも様々なことが説明されていましたが、上記のことが特に心に残りました。
自分本位にならず、相手への興味や共感を持つことを改めて考えさせられました。 -
交渉術によって、立てこもり犯との交渉を成功させたり、数々の商談をとりまとめてきた著者。人の心を操るそのテクニックを学ぶ。
「人を思い通りに動かす」というと、あまり良いイメージを持てなかった。ただ、テクニックはテクニック。結局はその人がそれをどう使うのか、という当たり前のことに改めて気づかされた。交渉術で友人の仲裁をする人もいれば、知人をだます人もいるかもしれない。自分の目的に沿って使えば良いだけだ。テクニック自体が良い、悪い、というものではないと思う。
最近の自分と照らし合わせて、最も考えさせられたのは「共感」。伝えたい、わかってほしいという想いが強いほど、相手の話を聞かずにしゃべりすぎてしまいがち。でも、いくら相手が間違っていたとしても、やみくもに話して聞く姿勢を持たないのなら、それはまったく意味がないことだ。自分が話したい時ほど、相手の話に耳を傾けなくては。 -
交渉系の本は結構読んでいますが、ビジネスの成功者の本が中心でした。
今回読んだ本は、精神科医の方が書いている本です。
内容は心理などに基づいて書かれていて、ケースステディなどもあり、非常にわかりやすい内容でした。
自分自身の精神コントロールが非常に重要なことを改めて認識しました。
わかっていても、なかなかコントロールすることは難しいです。
交渉だけではなく、部下の教育、育成なども含め、役に立つ内容だったと思います。 -
簡単そうだけどなかなか実践できない内容が多かった。何回か読んで書かれている内容を実践できるようにしたい。
付き合ってはいけないタイプの人間なんかも参考になった。